開発状況…Rユニット簡易型

K2F142,開発状況

始めに載せてある写真のクランクベイトは、K-TENが生まれる同時期だから、二十五年程前のものです。ふたつだけ残っていました。
これで何をしたかったかというと、ルアーの動きで中の球が回転するかどうかを試してみるためでした。透明の窓があり中の状態が見えます。ひとつは失敗、もうひとつは成功しました。
単純なクランクベイトの動きにプラスアルファを加えたかったのですが、これはハンドメイドで精度が無く、成功例の再現性に乏しいものでした。丁度その頃、K-TENの製作で多忙になったこともあり、放置してしまいました。
ただ、ウッドのK-TENにも、実はRユニットの考え方を応用していました。穴を縦に開ける製作方法もそれに都合良く、入れる鉄球より大きめの穴を開けて、磁石に仮固定されながらも二個目の鉄球は振り子運動させていたわけです。
これによって魚に効くかは別としても、確実に泳ぎ出しが良くなりました。完全固定するよりも、泳ぎ出しの超初期にオモリの入っていない軽いルアーが始動するがごとく、きっかけを得やすかったということです。それと定期的なスライドという性質も確認できました。

以来、私は一種を除いて、ウエイト球の完全固定方式は採用せずに、すべて横ブレを利用する設計をしてきました。新たな可能性が沢山あるからです。
例外の一種というのは、TKF130です。あの特殊なリップの純粋性を保ちたかったので、球は横ブレさせていません。また、前後してTKR130というRユニットそのもののルアーを製作しました。より違いを際立たせるつもりでもありました。
それぞれ、魚を誘惑するという同じ目的を持ち、同じ長さ表示でありながら、お互いの機能を追うばかりに、全く異なる姿と性質を持つに至りました。

それから早五年。簡易型ではありますが、K2F142に再びRユニットを入れます。さすがに始めてから二十五年も経てば、全部とは言わないまでも少しは解ったことがあります。
写真の部屋の中に、様々な質量の球体を入れ、実釣して試してみます。タングステン、鉄、真鍮、アルミ、木、ゴム、ガラス等を一個から数個。
最終プロトまで決めることが出来ないのは、ウォブンロールの周期がプロトの材質によって異なるからです。今のプロトだと何故かアルミ◇個の時、魚の反応が一番良いようです。理由はまだ解りません。タングステンを入れるとTKRの性質が垣間見られます。
また、小さな音量ですが、音質もそれぞれ入れたもので変わります。これらは実際、魚に聞いてみるつもりです。

ちなみに、半分冗談ですが、その気になれば、強大なリトリーブエネルギーを回転力にできるわけですから、Rユニットに発電させることもできますし、球に触れる外周部分に非等長のギザミを入れれば、短いメロディを奏でることだってできるでしょう(^o^)
それとK2Fの安定した飛行姿勢を見ていると、ルアーに笛状の形態を与えれば、飛んでいる時、ヒューって音がするようにできそうです。夜釣りにイイかも。

Posted by nino