ブルーオーシャンBKF115 リップカット手本版 Jomonカラー 頭火 腹火
社内若手の企画に乗り、BKF115をリップチューンしてネット販売することになりました。来週中に通販の開始とyoutube でのご紹介を予定しています。
まず未塗装のクリアボディを私が全個数分を手作業でカット。次にT君にグラインダーで長短2種の形を整えてもらい、あとは数人がかりで紙ヤスリで仕上げました。
良く見るとそれぞれ僅かに違いがあるはずですが、手作業の名残りとしてご理解していただければ幸いです。塗装は以前から温めていたJomon(縄文)カラー2色。いかにも縄文然とした意匠というよりその時代に心を馳せてデザインしてみました。
BKFのリップチューンといえば、未だ海のルアーの種類が少なかったときの古くからのユーザーにはおなじみの改造方法でした。各地のフィールドでの釣り方に手軽なチューニングでジャストフィットできるように、リップがゼロでも釣る能力が損なわれないよう作ったのがBKFでした。通い慣れたポイントで泳層や動きをご自身の釣り方や道具にジャストフィットさせたルアーは強いのです。その場その時のヒットルアーの特徴を探し当てること、それは最新のルアーたちも求めたところは同じです。
しかし弊社若手によると完成品には手を加えたくないという方も多く、特にこの頃では数多あるルアー群の中から選ぶだけで済むので工夫して楽しむ余地はないのだとか。私はそれは惜しいと思うのです。
今までルアーの使い方を特に指定してこなかったのはユーザーから工夫して発見する楽しみの一つを奪ってしまうことを畏れたからでした。現在、市場に溢れるルアーがあるのはメーカーを立ち上げてまで作ろうとした方々がいたからこそです。そこに至ったのは、何であのルアーは釣れるんだろう?という答えを自ら探し、試行錯誤の末に答えを見付けて人生を変えるほどの動機を得たからでしょう。
ひとつのルアーの本当の使い方を自力で発見すると、次への期待感や達成感に満たされ感動するものです。それは個人的なものであるほど大きく深いのかもしれません。反対に初心者を過ぎても受け身のままで早々と飽きてしまいそうな釣り方も散見するようになりました。入手しやすい中古でもいい、BKFのリップを変えてみると泳層だけでなくその性質や自分の釣り方まで自然に変わることに気付くでしょう。
今回、往年のルアーBKF115の手作業によるリップカットの手本版を切っ掛けにその辺りのことを味わっていただければ、と思います。
BKF115 Jomonカラー2色 頭火(トウカ)腹火(フクカ) リップは長短あります。
(youtube予定欄)
注 目安としてリップを短くするほどに同じ引き方ならば泳層は浅くなり、動きは幾分鈍くなっていきます。一般に外洋サーフ、磯場ではノーマルリップのまま、内湾や干潟、河川のドリフトにはリップカットしたほうが使いやすい場面が多いです。
追記・・・縄文時代は釣りを含めた狩りと採取の文化でありながら、他の古い世界文明にありがちな対人武器の出土が極めて少ないのです。よほど平和だったのかしら? 私見ですが石器が攻撃的な道具とすれば、縄は糸やロープの原型であり道具としては守備的といえます。その応用範囲は縄のほうが遥かに広く、縫う、結ぶ、織る、引っ張る、捕らえる、飾る、登降、計る、遊ぶ、数の記録、結界、蛇の象徴等、人の知恵や想像力そのものを多様に鍛えたに違いありません。
かつて山で一本のロープに命を救われた経験があるせいか、彼らが土器に縄の印を焼き付けた動機が分かるような気がしているのです。(後の時代に生まれたシメナワも守護の象徴)
また狩りは捕りすぎると自滅を招きますから相当な節度と自然への畏敬がないと数千年以上続けることができません。続く言葉上では安穏な農工の時代は人口は増えたものの土地の奪い合いが激しくなっていきます。釣りの大先輩である縄文人は時代の過渡期に一匹のスズキを釣ったとき何を思ったのかしら?
ちなみに縄文時代の関東の海岸線は埼玉県近くにあったことから現在よりも温暖なときに発展していたようです。当時なら私の自宅は海の中、再現された関東の地形からするとスズキ類がいっぱい居そうです。地球のダイナミックな変化には驚くばかりです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません