
広報の古賀です。
何度かフィールドレポートを書いていますが、英語でチャブ(chub)と呼ばれるコイ科の魚たち(主にカワムツやオイカワなど)を狙う淡水ゲーム【チャビング】について。
この釣りの認知がじわじわと全国で広がっているようで、すでに楽しんでいる方、これからやってみたいという方も増えているようですね。
私もそうでしたが、まず手始めにルアーはスプーンやスピナーでトライしてみる方がほとんどだと思います。
種類も豊富ですし、手ごろな価格の物も多く、釣果も◎。入り口には最適なアイテムだと思います。
そして、続けていくうちに段々と「色々なタイプのルアーで釣ってみたい」と思った方も少なくないのではないでしょうか?私はそうでした。
渓流トラウトも、海のライトゲームも、最初はスプーンで始まり、その後、愉しみ方や攻略の幅の広がりとともに使われるルアータイプも拡大してきました。
巷では、チャビング専用スペックのプラグが既に存在していたり、出始めたりしているところですが、今回はタックルハウスのプラグ縛りでチャビングにおススメのプラグを私の独断と偏見でご紹介します。
まず初めに、メインターゲットとなるカワムツはルアーに対しての反応がすこぶる良く、はっきり言ってしまえば5㎝以下のルアーであればどんなルアーでも釣れるときは簡単に釣れてしまいます。
タックルハウス製品だけでも、5㎝以下のプラグは約40アイテムもあります。そんな中でも、キャッチ率や再現性を求めていくと、アイテム毎の向き不向きは結構ハッキリしてきます。
重要なポイントは、
【サイズ感、アクションの質、スピード、キャスタビリティ、快適性、満足感】
これらのバランスかなと。
例えば、サイズ感で言うと、この釣りの釣果において【小さければ小さいほど有利】というのは絶対だと思います。ただ、代わりに快適性やキャスタビリティは低下していくので、位置付けとしては玄人やベテラン向けのアイテムに近づいていきます。
満足感?は謎かもですが、特定のルアー、釣り方、で釣れた時のうれしさ基準です。完全主観ですね。
せっかく初心者の入り口にも最適なジャンルですので、今回はなるべく初心者にもおすすめできるものを選んでみました。
ちなみに、今回ご紹介するルアーのフックはゴールデンミーン UCフック Sに替えて使っています。(フックはこの釣りにおいて1番くらい重要です。)





まずは、フィールドレポートでも何度も紹介しているミニマムプラグ、ショアーズストリーマー。
SST1.8 32mm / 1.8g sinking
SST2.8 38mm / 2.8g sinking
樹脂製ウィング(羽)とメタルボディを組み合わせたミニマムプラグ。
見ようによっては小魚、時には水生昆虫。
今回紹介するルアーの中では断トツで良く釣れます。
1.8gと2.8gがありますが、とにかく数を釣りたいなら1.8gを。
ルアーに不慣れで、投げやすさ、操作性優先の方なら2.8gを選んでください。
使い方は表層のただ巻き。
フォールの挙動も魅力的ですので、着水直後のヒットも多いです。
使い方、釣れ方はスプーンと近い感じですが、低速から高速までしっかりと上下関係を保ったままスイミングしてくるところがプラグらしい感じがします。
私は小学生の子供に使わせてますが、たどたどしい不安定なリール操作でもちゃんと泳いで魚も釣れています。口を使わせる速度域の幅が意外と広くて初心者向きだと思います。
キャスタビリティも高く、極細PEなどのラインセッティングに頼らなくても快適に釣りをすることができます。結果的にライントラブルが少なく、根掛時の回収率も高いです。
私の場合は、子供に使わせるタックルはPE0.8号と、この釣りではかなり太めにしてますが、ショアーズストリーマーで十分釣りが成立しています。
デメリットは、マイクロスプーンなどと同様ですが、引き抵抗、巻き感が少ないので、慣れるまでは何をやってるか分からない?ことがあるかもしれません。
サイズ感は極小と言うわけでもありませんが、細身でバタつきも少ないのが良いのか、羽の部分の透過性が効くのか、食わせ力はすごいです。また、写真にもありますがオイカワ狙いにも効果的です。




マイクロ蝉(セミ)プラグ エルフィン・マイクロシケイダーF(写真に限定生産モデルのリップレスもありますが、使い方はリップ付きもあまり変わりません。)
巻けば水面直下を泳ぐシャロークランクですが、チャビングではトップウォーターとしておススメします。
スペックは24㎜/1.5g floating
使い方は、着水後3秒から5秒程度放置。反応なければ軽く竿を煽ってアクション、そして放置、を3回くらい繰り返し回収。
(リールをグリグリ巻いて泳がせてもあまり反応は良くありません。後述しますが、この手の水押しの強いクランクの泳ぎは、カワムツとあまり相性は高くないように感じます。)
カワムツはトップへの反応もとても良い魚です。ほとんどの場合が着水直後か、その後の1アクション、2アクションで水面に飛沫が上がります。
最初に挙げたストリーマーと比べると、釣果はグッと落ちますが、朝夕のまずめ時や高活性時には他のルアーでは味わえない興奮が得られます。こういった場面以外でも水面近くまで草木が生いかぶさっているようなポイントやボサ際などでは、常に落ちてくる虫を意識しているのか良く反応します。
もっと小さいルアーのほうが反応を得やすいかもしれませんが、カワムツは意外なほど警戒心の高い魚で、人影に気付くと瞬く間に物陰から出てこなくなってしまうため、ポイントに近づき過ぎないアプローチも重要です。
それと、前記したボサ際などへの精度高いキャストも、ある程度の重量と投げやすさは必要不可欠。
そういった意味でサイズ感と飛距離のバランスがとても良いルアーです。
また、このサイズで2フック付けられることも重要で、高確率でフッキングが決まります。
写真にもありますが、小型も勇ましく水面でアタックしてきます。
長くルアーフィッシングを楽しむためのスパイスとして、トップウォーターは絶対に欠かせない重要アイテムだと思います。


知る人ぞ知る⁉タックルハウスの隠れた名作ミノーとも呼ばれるエルフィン・フィッシュ41。
スペックは41㎜/1.8g floating
最後の一つは悩みましたが、大好きなこのミノーを。(超主観でスミマセン)
(ソルト向けにウェイトチューンしたものはショアーズ・フィッシュ)
ミノータイプだと他に、バフェットのS43やジョインテッド46、FS38なども良いのですが、アクションがよりタイトで、シルエットも細身のフィッシュ41を選びました。
トラウト狙いで流れのキツイ場所であればバフェットシリーズが性能的に上回る部分もありますが、カワムツは流れの緩いポイントで良く釣れますので、アクションの質を優先しました。
マイクロシケイダーの時にも書きましたが、カワムツはエリア向けクランクのように低速でブリブリと泳ぐアクションよりは、ある程度スピーディーにスーっと水を切って泳いでくるルアーの方が見切られずチェイスも多いように感じます。
後方から追尾してリアフックを咥えるバイトの仕方的にも、あまりにもウォブリングが激しいルアーはフッキングしずらい印象もあります。
使い方は、余計なアクション等は入れずにプルプルと振動を感じられる速度でのただ巻き。
小さな個体も釣れなくはないですが、やはりサイズ狙い時に投げることをお勧めします。
また、定番色のオイカワ、モロコなどの淡水魚カラーがチャビングとの親和性が高く
「このカラーで釣果写真を撮りたい!」と思わず私は思ってしまいました。
少ないですが、今回はこの3つをピックアップしてみました。
他にも悪くないルアーはあるのですが、「もう一回りボディが小さければ」とか「もう少し早巻き耐性があれば」みたいな部分で取り上げてなかったりします。
まだこの秋もチャビングを楽しむ予定ですので、またレポート書きます。

【追伸】今回の記事を書くにあたって、改めて古いものから最近のものまで自社の小型ルアーを色々と投げてましたが、本当に種類豊富で楽しいし大変でした。淡水海水向けのマイクロプラグからマグロ向けのビッグプラグまで、何十年も前から同じ熱量で取り組んできた【幅】がタックルハウスのルアーメーカーとしての奥行きなのかな、とも改めて感じました。