【Field report】高知県 【マメゴロウパターン】のヒラスズキゲーム。

フィールドレポートを更新しました。大阪府のテスター吉田様より。

釣行データ

釣行日: 2024年5月
釣行エリア: 高知県
情報提供者: 吉田裕彦様(テスター)
釣果:ヒラスズキ
使用タックル
Lure:K-TEN BLUEOCEAN BKF90 BKF75

Tuned K-TEN TKLM12/18

CONTACT BRITT.CBP120SW

4月上旬、あたたかく湿った南風を感じながら営業の西形くんと車を南へ。

目指すは高知県の室戸岬、待ちに待った春のヒラスズキシーズンの到来です。

春シーズンの特徴はマイクロベイトパターンと言われる稚鮎やハクなどの

概ね5センチに満たない小さなベイトフィッシュを捕食しているケースと

今回詳しく説明するマメゴロウパターンが主な狙い目となります。

さて、マメゴロウって皆さん知ってます?

そう、春先に磯ヒラをやっていると、ヒラスズキがよく吐き出すベイトです。

エビのようでエビではなくカニのようでカニではない、

カニにエビの尻尾がついたような不思議な生物。

実はその正体は、ショウジンガニの幼生なんです。

カニの仲間の多くの成長過程は

卵から孵化するとゾエアという幼生になり、脱皮を繰り返しメガロパ幼生、

さらに稚ガニと成長します。この過程のショウジンガニのメガロパ幼生が

マメゴロウと呼ばれ、ヒラスズキのパターンになっているんです!

ショウジンガニは太平洋側から内湾まで磯場やテトラ、敷石など身を隠せてエサが豊富なところでは普通に見られるカニの仲間です。

そしてこのマメゴロウ、実は他のカニのメガロパ幼生と比べるととんでもなく大きな部類に入るらしく、約1cmまでの大きさになるメガロパ幼生はショウジンガニだけみたいです。

このマメゴロウですが、メガロパ幼生から次の脱皮で親ガニと同じ形になります。

そして今までの浮遊生活から底生生活にチェンジすることになります。

長々とマメゴロウの話しをしておりますが、それとヒラスズキ釣りと関係あるの?なんて思いますが実は関係大アリなのです。

マメゴロウが浮遊生活から底生生活に移る為にはまず、カニの形になってから隠れる場所、すなわち磯やゴロタ石、敷石やテトラなど身を隠せるところが必要になります。

せっかくカニになっても隠れる場所がないとすぐ他の生き物の餌食になってしまいます。

マメゴロウはメガロパ幼生で浮遊生活をしています、水中を浮遊しながら岸寄りの隠れる場所、即ち磯やゴロタ場などへ接岸することになります。

一応見た感じマメゴロウには手足はありますので、ひょっとすると磯や岩にしがみついているのかもしれませんね。

そこへ、セットの大きめの波が打ち寄せると…

あらら、マメゴロウ達は流れにさらわれてしまいます。

勘の良い方はもうお気づきですね。

少し波気がある日にはヒラスズキは波に流されるマメゴロウをたっぷりと、しかも楽々と食べることができる訳です。

ヒラスズキの目線で考えると大きな波が入ったときにマメゴロウが流され、

その流れが集まる場所で待っているだけで楽々と捕食できる訳です。

そこで、次は釣り人側の感覚を言葉にすると…

根が複雑に入り組んだ浅い磯で、セットの波が入り、サラシが大きく広がったタイミングでルアーをキャスト、ルアーが流されながら根の際へ差し掛かった瞬間にヒラスズキがバイト!そんなイメージでヒットするのがマメゴロウパターンです。

マメゴロウの接岸時期は太平洋側でおおよそ4月から5月の半ばくらいだそうです。

これは磯ヒラスズキ、春のベストシーズンと言われる時期に合致します。

以前はヒラスズキはメガロパ食ってるね、とか、伊勢海老の赤ちゃんかな?

なんて適当なことを考えてましたが、実はその正体はシンジョウガニのメガロパ幼生、

その名もマメゴロウ!ヒラスズキアングラーなら覚えておいて損はないです。

ポイントには夕方到着の予定、明日と明後日の2日間の釣行になります。

西形くんは鎌倉生まれの湘南育ちの根っからの湘南ボーイです、そして大阪府の河内生まれの河内育ちの私との室戸岬釣行、さてどうなることやら(笑)

初日は移動だけの予定でしたが、少し早めに現地に到着したので少し竿を出してみることにします、宿の近くにある潮通しの良いサーフがポイントです。

広大な外洋サーフでルアーをフルキャストするのは気持ちいいものですね!

しばらくすると沖に見えていた潮目がだんだんと岸へ近づいてきているのが確認できます。その潮目へ向かってフルキャスト!飛距離が欲しいのでルアーをブリットペンシル120SWにチェンジ、ブリットペンシルはいわゆるフローティングのダイビングペンシルですが、こちらのSW(シンキングワークス)は目一杯ウェイトを入れたチューンを施した65gのシンキング仕様。抜群の飛距離です。僕は勝手に「飛び道具!」と呼んでおります(笑)

どうしても飛距離が欲しい時の切り札的なルアーになっています。

そのブリットペンシル120SWをフルキャスト、うん!やっぱり飛ぶなぁ〜!潮目まで届いているので期待が持てますね。

僕の使い方は着水前にサミングしてラインスラックを最小限にしておき、着水したら即ロッドを立てて速めのリトリーブで水面へルアーを引き出してスプラッシュさせながらアピール、その後は水面直下をスイミング、この繰り返しです。時として遠投が必要になるサーフの釣りにもおすすめのルアーですね。

その数投目、着水すぐのスプラッシュに横から引き波を立てながら青物がルアーをチェイス、その勢いのままドッパーンとバイト!

障害物の無いサーフですのでゆっくりと魚を弱らせてから浜へずり上げ、西形くんが魚を掴んでランディング成功!

関西で言うメジロサイズのブリです!

幸先の良いスタートに二人は気をよくして今回の宿、波流月ゲストハウスさんへと。

気さくな感じのオーナーに出迎えて頂きおしゃれな部屋へ、まるでハワイのビーチハウス(行ったことないけど)みたいでワクワクです。

実は波流月ゲストハウスのオーナーさん、ハワイの30フィートにもなるビッグウェーブに挑戦を続ける日本で数人のビッグウェーバーのひとりでサーフィンのレジェンドです!その優しい笑顔からは想像できない凄い方。

ゲストハウスはオーナーと家族の手作りで、なんとも言えない優しい空気感に包まれています。そして地元の食材を使った料理が最高に美味しい!

食事後は、共有リビングで他のお客様やオーナー奥様と談笑して楽しい時間を過ごしてから就寝、明日へ備えます。

今日は波が出る予報、ヒラスズキをメインに狙っていく予定です。

朝はゆっくりめにマメゴロウが好みそうな場所へ入ります。近くに小さな川の流れ込みのあるサーフに磯などの障害物が絡むポイントです。波も適度にあってサラシも広がり良い感じです。僕はフィードシャロー128プラスでスタート、しかしヒラスズキからのバイトはありますが何故かフッキングしません、それを見た西形くんはすぐに小さめのルアーにチェンジ、まずはブルーオーシャンの9センチで即ヒット!

さらにサイズダウンしてブルーオーシャンの7.5センチで連続してキャッチ!

どうやら小型のヒラスズキがスクールしている感じです、僕はそのままフィードシャロー128プラスで続けますが結局バイトのみで終了でした。

マメゴロウパターンのヒラスズキはマメゴロウが流されるであろうタイミングを待ってルアーを通すのがキモで、ヒラスズキは流されてくるマメゴロウを同じ場所で捕食しておりルアーを深追いしない傾向があります。波のタイミングとヒラスズキが捕食するピンポイントをシンクロさせてヒットに持ち込むゲーム性のある釣りが楽しめます。

さてさてマメゴロウパターン初挑戦の西形くん、最初のうちはキャストのタイミングが掴めない様子でしたが何度か魚の反応を得てヒラスズキがバイトするタイミングがわかってきてからは、いつの間にか無駄なキャストはせずにじっくりと構えて狙いのヒラスズキが捕食するピンポイントにちょうどいい波が入るタイミングを計ってルアーをキャストするようになってました!西形くん、時間を忘れて夢中でヒラスズキとの対話を楽しんでいる様子、西形くんの気持ちわかるわぁ〜

午後からの干潮時は磯のヒラスズキをランガンです。

海は少し濁りがある感じで、水色のいいエリアを探して移動、移動、移動です。

僕の磯ヒラスズキゲームはとにかく移動が多くてあまり一ヶ所で粘ったりしません、ロッド振る時間よりも移動の時間のほうが長かったりします。フィーディングに入っているヒラスズキは素直ですぐにルアーに反応します、同じポイントで粘るよりも同じ時間で数多くのポイントを回るほうがよい結果に繋がることが多いです。

何ヶ所かポイントを回りますがノーバイト、磯にはベイトフィッシュが居ないのかな?

しかし今日は波の大きさもちょうど遣りやすくてサラシも大きく広がって良い条件ですし、何処かにヒラスズキが居るはずと積極的に歩いて良さげなサラシをチェックしていきます。

そして他より水深があり、ルアーが届くところに低い島があり、その島を波が乗り越えて深いサラシが広がっているポイントに来ました。

ルアーはTKLM120、島の右側に出来ている沖へ払い出すサラシに狙いを定めます。

十分にサラシが広がるのを待ち、次の波が来る前のタイミングでルアーをキャスト!心の中で「居るかなぁ〜?」と呟きながらサラシの流れにルアーを馴染ませていると、コン!ときてバシュ!ヒットです、「居ったやんかいさ!」また心の中で呟きながら慌てずにやり取り、サラシの中でヒラスズキが、これでもか!というくらい跳ねまくってます!最高!

ずり上げやすいところへ移動してランディング成功です。サイズは60センチ程ですがよく太ったナイスコンディション。

これでさらに気合いが入ったのか西形くんをみると今まで以上に磯際をタイトに、そして集中して釣りをしてる雰囲気が伝わってきます!

後ろで見ていると!いきなり西形くんがアワセを入れました、ヒットです!

やったね!ロッドが絞り込まれていい感じ、でも次の瞬間!ルアーがポロッ!

「ハズレタァ〜!」西形くんの声が響きわたりました〜、あぁ残念、メガネもずれる悔しさ!

宿へ向かう道中は反省会、あのときこうすれば〜、運気が無かったね、とかそんなたわいもない話しも釣りの楽しみのひとつですね。

今日の波流月ゲストハウスさんの夕食です、とにかく全部美味しい!

ちなみにブリ大根のブリは僕が昨日釣ったメジロ!え?メジロってこんなに美味しかった?

今宵も楽しいゲストハウス、明日の朝は早いので皆さんと別れの挨拶をして就寝です。

さぁいよいよ今日が最終日、朝イチはマメゴロウパターンのポイントに入ります。

昨日より波は落ちてサラシも小さいです、とりあえず昨日はフィードシャロー128でバイトはありましたがフッキングしなかったので、対策としてTKLM120でやる事にしました。

何故ショートバイト対策としてTKLM120?ツーフックでフックサイズも大きくなるのに?と思われる方もいらっしゃると思います。

TKLM120の特徴として僅かなラインテンションでも水を捉えてアクションし、リップレスで頭で水を受けて水中での姿勢はほとんど水平を保つことが挙げられます。

ヒラスズキやスズキはほとんどの場合バイトの瞬間、反転しながらベイトフィッシュを頭から吸い込むように捕食します、この時TKLM120は水平姿勢とラインテンションの軽さと絶妙なフロントフックの位置で魚が吸い込みやすく、結果的に深いバイトが得られる確率が高くなります。僕は過去、何度もヒラスズキがTKLMを頭から丸呑みしているフッキングを経験しています、フッキングが決まればバラシも少なくなるので、まだTKLM120を磯ヒラスズキに使ったことのない方にも是非お勧めしたいルアーです。

さてさて、サラシが薄いときはとにかく慌ててキャストしてはいけません、波は常に同じ大きさではなく、波が静かなときでも時折大きめの波が連続して入ってきたりします。よく言われるセットの波と言われる波ですね。

狙いのポイントに入る波をじっくりと観察し、このセットの波が入ってサラシがひときわ大きくなったときに既にルアーがサラシに揉まれている状態になるようにタイミングを見計らってキャストするようにするといいです。

この方法でTKLM120をそっとサラシに馴染ませると、カン!と小型のヒラスズキがヒット!

おっ!やっぱTKLM120の方が今日のヒラスズキはフッキングしやすいようですね。

しかし今日はサラシが薄い為か魚の数が少ないようでアタリが少ないです、西形くんと交互にキャストしますが反応はありません、他に遣る場所が無い時はしばらくポイントを休ませてから再度ルアーを入れると反応がある場所がありますので、しばらく西形くんと談笑タイムです。

関東のヒラスズキ事情やルアーの話しなど話題は尽きませんねぇ。

さて、休ませたポイントへの一投目、満を持してポイントへTKLM120を送り込むと!トン!と吸い込む感じのアタリでヒット!やっぱりまだヒラスズキ居たね!

さっきのサイズよりよく引きます、ゆっくりやり取りして波に乗せてランディング成功!65センチのヒラスズキ!やったね!

あっという間の2日間でした。

よく寝てよく遊び魚の顔も見れ、充実した時間を過ごせました。