「紀北沖のシラスパターンの青物ゲーム」

写真/文 松井謙二

大阪湾で1番美味い魚の獲れる場所が今回の取材地である南の紀淡海峡と西の明石海峡である。紀淡海峡は大阪湾から出ていく冷たい潮と逆に太平洋から暖かい潮が当たり潮流は早い。そして、その海峡の真ん中に浮かぶ二つの島が「友ヶ島」「地ノ島」で、それにより複雑な流れを形成する。魚のエサも豊富で潮の流れによってベイトが溜まる場所も刻々と変化していき、遊漁船の船長達もその潮を読んでポイントを次々と変えていくのだ。

今回の取材は吉田氏と仲の良い泉南深日漁港から出船する「幸翠丸」📱090-9540-8117に乗り込んだ。船長の上野さんは凄腕のソルトルアーマンであり紀北沖のポイントに精通している。紀北沖のシラスパターンの青物ゲームのシーズンはムラはあるものの1月頃からシラスに青物が着き始めて4~5月にベストシーズンを迎える。そして、シラスのシーズンが終わるとキャスティングからジギングがメインになっていくのだ。

4月18日「幸翠丸」は吉田、西形の両氏と私を乗せてAM6時に出船し南の友ヶ島、地ノ島方面に向かった。当日の朝は風は無いものの大陸からの黄砂が広がり、いつもはハッキリと見える西側、対岸の淡路島もまったく見えない状態で一日中曇天であった。

そんな中で船長は大きく広がる潮目の真ん中に船を止めた。魚探には表層にベイトの反応があるが潮の動きは緩くダラダラと流れて鳥もほとんどいない。吉田、西形の両氏は4月に発売になったばかりの「コンタクト フィードポッパーCFP 121」でキャストを続けるがサカナの反応は無い。船長を含めて4人で静まり帰った海面を見渡し鳥やナブラを探すが沈黙がつづいた。

「そんな中で私は吉田氏に「シラスパターンのキャスティングゲーム」の楽しみ方を聞いてみた。

「シラスパターンはキャスティングでサカナを狙えるのが嬉しいです。水面系のルアーを使うとサカナの反応が見える。サイトフィッシングが楽しめます。サカナがチェイスする水飛沫や自分がアクションをつけるルアーの動きを目視できるので、サカナがルアーを追いかけて来たらルアーにアクションを入れてサカナがバイトするタイミングを作り出しヒットに繋げる。派手なバイトで水飛沫が上がり思わずドキドキ、興奮して声が出ます。」

「サカナが何処にいるのか探すのも楽しみの一つで、周囲を見渡して鳥を探してどの様な飛び方をしているか? ボイルが出ていないか?常に海を観察しながらキャスティングに備えます。鳥山やナブラを船長と共有できれば船長と以心伝心でキャスティング出来ます。船長もお客さんが狙い通りのタイミングでキャストしてヒットしてくれたら嬉しいと思います。」と吉田氏。キャスティングでもジギングでもオフショアの釣りは船長との意思の疎通、呼吸が釣果を左右する。せっかく船長が釣れる位置に船を操船してくれているのにアングラーがタイミングを外すと釣れないのだ。

1時間以上の沈黙が続いたが船長が沖の潮のヨレに小さな鳥山を見つけた。フルスロットルで鳥山に向かい吉田氏が鳥山にキャストした。大きな飛沫が上がりCFP121にヒット!メジロクラスがロッドを曲げる。しかし、船に寄せてくるところでバレてしまった。そして、その後は干潮の潮止まりを迎えて再び海上は静けさを取り戻した。鳥山もナブラも出ないので船長は船を北西へと走らせた。しばらくして潮は動き出し島の水道の潮上に鳥が水中に突っ込んでいるのを発見した。船がポイントに入ると同時に吉田氏がキャストしたCFP121フローティングのクリアカラーにハマチがヒット!続いて西形氏にもヒット!船が潮上に登ると2人は確実にヒットに持ち込んだ。鳥の数も増えてきた。鳥が私達にポイントを確実に教えてくれる。2人共フィードポッパーCFP121での釣りは堪能したのでルアーチェンジで釣りを楽しむ。

吉田氏曰く「せっかくの釣行、1つのルアーで釣りを終わらせるのはもったいない!と。ルアーにはそれぞれの持ち味があり、例えばベゼルジャークの早巻でヒットが続いたなら次はゆっくり巻いてみる。ベゼルジャークで釣れるのは分かったならフィードポッパー100SWでゆっくりとポッピングしたらどうだろう?とか、その日のパターンが分かったら他のルアーでヒットパターンを探して釣りを組み立てていく。ノーヒットに終わる事もあるし、逆に初めのパターンよりも釣れるパターンを見つけたりする。ただ釣ることだけじゃ無くて試行錯誤しながらシラスパターンのゲームを楽しむ事により、状況に対応できる自分の引き出しを増やすことに繋がっていく。自分がスキルアップする事によって釣りがもっと楽しくなる!」

どんな釣りでもどんな状況下でも攻め方は1つでは無いのだ。

2人はどんどんとルアーを変えてシラスパターンを楽しんでいる。ファルケで、ベゼルジャークで、フリッツで、ブリットで、TKP-YKで、それらのサイズを変えて、色も変えて次々とヒットに持ち込む。上野船長もタモ入れに大忙しだ。潮が上げに入って動き出してからはダブルヒットの連発だ。この様な状況はなかなかショアでは味わえない。ナブラが出るポイントを船で追いかけてこそ多くのルアーローテーションで多くのパターンの釣りが出来たのだ。オフショアと言ってもまったくナブラが出ないで釣れない日もあるから、つれ続く時合に感謝だ。

最後に吉田氏にフィードポッパー CFP121 121SW(シンキング)の使い方と使い分けについて教えていただいた。

ー吉田  ルアーを見せるフィードポッパー121フローティングタイプはポッピングに好反応し、今日はルアーを止めてからのショートピッチの反応が良かった。動き出しのタイミングでバイトが集中して早い流れの水面でも扱いやすく、下から突き上げてくる深いバイトが多数得られました。

巻きで釣るフィードポッパー121SW シンキングポッパーはリールを巻きながら皮一枚の水面直下をリトリーブして誘い、ロングジャークでスプラッシュさせてロッドを戻し、僅かに沈めてからのリトリーブで再度のロングジャークスプラッシュさせる繰り返しでアピールさせました。この日のパターンはジャークのスタート時にルアーを加速した瞬間と水面直下を泡とまとあわせてリトリーブしているときにバイトが得られました。

シラスパターンは基本ベイトが少ないのでシルエットの小さなルアーでの実績が高いですがフィードポッパー121で多くのヒットが得られて、「このポッパーは釣れる!」と手応えを感じました。オフショアでもショアでも使い良いサイズと扱いやすい特性であらゆるフィールドで活躍してくれる事でしょう。

ルアーが見える!サカナが見える!トップウォーターゲームは面白い!。