質問…適温?へ

 神奈川のSKさんからの質問です。
 要約すると…夏の高水温が続いて、やっと適温になったので磯場に通っています。条件的に良いと思われるときでも、魚っ気が無いことがあります。磯場の釣りとはそうゆうものなのですか?
 
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 お答えします。
 外洋の磯場は、少なくとも居るのに釣れないという感じが持てる内湾や川のような、半分閉鎖された海域ではありません。居ないときは全く居ない、あるいはルアーの射程範囲内には来ない、といったことが当然のごとくあります。
 前方に広すぎる外洋は、そんなものと考えた方が気楽になれます。
 
 魚の寄る条件については以前書いたことがありますが、厳しいので狙ってその日に釣行できるのは、限られた生活環境にある方になります。
 釣りの内容からすれば、良いシーズンでもチャンスは平均的に月に十日、あるか無いかでしょう。あとは自然が与えてくれた禁漁期間と割り切ることです。
 
 もしも皆さんのホームポイントが、それを上回る確率で釣れるのなら、そこは恵まれているほうだと思います。少なくとも私のホームは三十年を平均すると、そんなものです。
 たまに遠征したりして、一度もアブレたことのない土地もありますが、地元の方に聞けば必ず、釣れないことも結構あると答えるはずです。
 
 そして今回は、水温に関わる質問なので、秋から冬への水温低下時によくある勘違いにについても少々。
 下のグラフは最近の株価ではありません。水温低下中のイメージです。
 ネット時代になり、海水温データが入手しやすくなりました。しかし、大まかなので、県を跨いで移動するぐらいの行動力がないと、情報に振り回されることになります。
 私も、船釣りではそれらを目安にしますが、こと磯場になると、海水温は数十分で乱上下することがあり、今はほとんど無視しています。…
 この辺はサーフィン経験者なら体で感じているはずです。
 磯のルアーマンは、行動が朝夕マズメに偏って短時間なことと、(記録狙いの夜派はともかく)注意が波高と潮位に向いているので、主に潮流と風による水温の時間変化には疎いようです。
 内湾で長時間ウエーディングしていても厚い素材を透して感じられることですが、気を付けないと人間が感じるほどの水温の変化は、魚にとっては甚大な影響があります。
 特に、海の魚、外洋系の魚ほど、見掛けと違って繊細です。
 
 SKさんが言うように、適温に近づいている…といっても、急激に下がっている間は活性は低いものです。
 そのまま暫く安定するか、出来れば幾分上がるときのほうが、全般的に調子が良いです。
 前月より今月、下がっている最中だとしても、昨日より今日、一時間前より今、どうゆう状態なのか知ることです。
 
 ずっと以前、公表した冬の南風逆風理論(主に太平洋側)は、吹き始めにそのサラシ内だけが暖かいことをスズキも小魚も知っているからこそ効力がありました。ただし、長く吹き続ける南風は、地域によっては対流現象で広域の水温を下げます。
 付け加えると、荒れるということは、大局的には水温や海の諸々を安定させることになり、事は複雑なのです。
 
 これ以上話を続けると、かえって解りづらくなりそうです。だから一言で表わすことにします。タイミング…これに尽きます。(外洋でも河口が絡めば雨の影響も外せません。)
 タイミングが判らないときは、突き放した言い方になりますが簡単です。判るまでそこに居れば良いのです。(私はそうした)
 
 水温グラフイメージを株価に例えたのは正解でした。大きく下がる間にも、上がる一瞬を捕らえて掴むことが出来れば、どちらにもより多くの恵みがあるということです。
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 追記…こうした自然の流れを身体で感じ、味わうことで満たされる何かが在るのが外洋での釣りだと思います。
 株との違いも書いておかないといけませんね。
 今週は三回ほど実験釣行したものの、勝浦以北の磯は荒れ濁りが強く、場所選びに苦労しました。フッコの顔を見ただけですが、初めて投げた場所なので満足です。

Posted by nino