あの線について

K2F142

右写真や現物をご覧頂くと判りますが、K2F142には、仕上げ後も頭部近辺に縦ラインが残っています。(特にT2) 見栄えしない線なので、これが気になる方もおられると思います。そこで、言い訳になりますが、説明させて下さい。

細かい格子状の線の中に、頭部に一カ所、強めの線があり、それは金型を分断した痕跡なのです。
始めから二種のリップを設定し、頭部諸共交換する方式を採用した結果とも言えます。

リップだけ替える方法は色々あり、昔からポピュラーなのは、予めボディ側に取り付け穴を開けておくことでした。
そのほうが圧倒的に簡単で安くリップ交換が出来ます。部品としてのリップ片を接着剤で固定するだけで、幾つものバリエーションを持つルアーになります。

しかし、よく検討してみると、その方法だと組み立て後にK2Fが要求する絶対的な精度を確保出来そうにありませんでした。
そこで頭部ごと大きな塊として交換する方法にしたわけです。

しかし、いったん金型を分離するので、若干その跡が残ってしまいました。
ここで普通のルアーなら、仕上げの紙ヤスリ一発で跡ぐらい消せるのですが、K2FはPSTボディという表面の細工を施してあるため、削れず、誤魔化しがききません。利点を失うより、そのままのほうが良いと判断しました。
どうかご理解下さい。

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最近の私は、大きめのルアーが効果的な季節ゆえ、開発中の122は当然としても、再びT1、T2、それぞれのK2F142を交互に投げ続けています。
知り抜いて作ったつもりのルアーでしたが、使用時間が伸びてゆくと、何と未だに新しい発見や疑問、それと確信があったりして驚きます。それがやたらと楽しいのです。
そういうときは釣果も自然に付いてくるものです。 

Posted by nino