M Sound 〜「ルアーの発する音」に対する一つの答え

 音については、色と並んで過去最も多く質問がありました。今は魚に関する文献を捜せば、それなりの解答を得られるかも知れない。一釣り人より大学の先生のほうが説得力がありますから。
 ただ、実践派のルアーマンはそれだけでは納得できないでしょう。
M Sound
 私自身、八十年代始めの釣り雑誌に、完全サイレント化したルアーを使っているなどと書いています。音には、かなり悩んだ時期があった。
 あれから、三十年近くたって、現在はどうかというと、それほど神経質にならなくても優先されるべきものをしっかり作ってあればカバーできると思っています。
 作ったルアーも簡単に魚が釣れるものほど、音を残してあります。(音がすると食わないという論説に偏らないように)学術的な答えではありませんが、人間だって、金を払ってまで聞きたい音もあれば、犯罪になる音もある。きっと魚だって同じだと思います。
 伝統漁法では音で集魚させる方法もあるし、ガソリンボートとディーゼルでの違いも体感しました。ロサンゼルスでは、生餌を使う船のエンジン音に付いてくる魚に邪魔されて、本命にルアーが届かず、魚から逃げ回った経験もあります。
 昨日、好きだった音が、それに伴うイヤな経験をすれば嫌いにもなりえる、と流動的なものです。色々な経験や実験を経て、おおらかになりました。
 しかし、例外が可能性としてあります。今後、バスのトーナメントのような方式が海で盛んになると、超ハイプレッシャーな環境ができます。普段なら、まあ、いいかと諦めるようなときでも無理にでも釣ろうとしますから。そこまでしなくてもと思うようなものも使われます。
 そうすると、音だけでなく、ルアーから魚に対して発せられる刺激は、すべて諸刃の剣になりえるのです。おおらかな世界とはほど遠くなります。
 Mサウンドは、音について私なりの、一つの解答です。全部が控えめだけど、音符に相当するものを幾種類も持っているので、ルアーマンが意識して独自の音を組み立てられます。
 ボッ・シュ・ポン・スゥー・ガポッ!
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 写真は宇井さんの一本。