-釣行報告- Y.ISONO
2013年7月3日外房にてキャスティングゲームに行ってきました。
その一週間前から地元漁師さんの情報で、沖に5~6kgクラスのホンメジやキメジ、カジキの新芽がいるとの情報をもらっていました。そこでメインは、カツオ、シイラ狙いで、もしかしたらとメジやカジキをと計画をしておりました。
午前4時出港。メンバーは、友人二人といつもお世話になっている釣竿工房月さんの4名です。
私はタックルを3セット用意しました。
シイラ、カツオ用に、
- ロッド:10Lbクラス5’6”
- ライン:PE2号
- リーダー:ナイロン50Lb
少し大きいメジ、キメジ用(10〜20kgクラス狙い)
- ロッド:MOON 20Lbクラス7’3”
- ライン:PE4号
- リーダー:ナイロン80Lb
どちらもライントラブルを回避するために1.5m程のショートリーダーでした。
そして最後にカジキ、ツナ用に
- ロッド:MOON 80Lbクラス7’6”
- ライン: PE6号
- リーダー:ナイロン220Lbを5m(これは万が一のビル対策と寄せを考えて)
出港して船を走らせる事1時間程。鳥が飛んでいて、いかにも魚が居そうな気配。しかし船長は、止まる素振りもなく、「シイラは灘にいることはわかってる。帰りにやるから、まずはカツオだ・・・。」とのことでした。
我々は、一時間ほど船を走らせ鳥を探しました。何度か鳥山遭遇。アタックして4人で7本の3~6kgの良型カツオをキャッチ。小気味良い引きを楽しみました。シラスパターンにも関わらず、ヒットルアーはブリット145と TKR130Hがメインでした。
しかし期待をしていたカジキやキハダなどの姿はなく、鳥山も出来なくなってきた為、船長の判断で帰港しながらのシイラ釣りとなりました。
我々は、なかなかシイラの姿を確認できず“港が見えてきてもう終わりかなぁ・・・。”と思い始めていた頃ミヨシで魚を探していた友人と月さんが
「何かいた!船長止めて!!」と。
「ワフーじゃないかな?」と月さん。
私に“投げてみろ”とうながします。
私も一瞬ヒレのようなものが確認できたのでシイラではないかと思い、20Lbタックルにブリット145 NRピンク+ST66-2/0を鰭の確認がとれた場所近くにキャスト。
このルアーは、キャストの際姿勢が安定しているため飛距離が出る上かなりピンポイントで狙えます。
思った通りのところに着水。
2回ほどショートジャークを入れると突然横から黒い影がひったくるように出現。一瞬魚種が確認できませんでした。
しかし、すぐに暴れ狂う魚にビルらしきものが見えました。
「カジキだ!」すぐさま横から激が飛びます。
「合わせを何回も入れろ!」その声に冷静さを取り戻しました。
我に返って冷静になると同時に色々と不安がよぎりだしました。
まず、リーダーが1.5m(ヒトヒロ程)しかなく、しかもそれが80Lbであること。
フックがトレブルであること。
メインラインがビルにふれたらすぐにブレイクしてしまう可能性があること。
リーダーもあまりビルにすれたり絡まったりしてしまえば、この細さでは切れてしまいます。
フックも掛かりが浅ければテールウォークですぐに外れてしまうことなど。
リール初期ドラグテンションの4.0kgでセットしていたのですが、まずはそのまま行かせることにしました。
何度も、勢いよくラインが引き出され、ジャンプされて、漸く魚を近くに自分の目で確認。さらに、ブリットのST66-2/0フックがしっかりとフックアップしていることが確認でき、なおかつリーダーも絡んでいないことも確認できました。
確認後直ぐにドラグを少し締め込みました。(後の計測確認では手元で6㎏)しかし、ドラグを締め込んでも、そんなテンションはものともせず、ビルを突き出した魚は、糸を引き出します。
ファイト開始から20分ほどで船のすぐ横舷まで一旦寄せましたが、しかしあとひと浮かせができない状態。一進一退が続きます。
リーダーがショートのため、強引に寄せてモリも打つ事が出来ず、寄せてはまた少し走られの膠着状態。少し焦りも生じます。
船長の素晴らしい操船アシストして頂き息も合って来たところでした。
船長は、危機を何度も回避してくれ、皆さんにも何度も助けられましたところ、なかなか詰めが甘い事に業を煮やした船長が、素早くミヨシで銛を構えて狙いを澄ませます。
我々素人ではとても無理な距離でも船長にとっては射程距離でした。
しっかりカジキのドテッパラを打ち抜き、約30分の戦いに終止符を打ってくれました。
二人がかりで引き上げると当初の目測よりも大きく推定40kg程度と言うところでした。
ルアーの状態は、塗装がはげボロボでしたが割れやヒビ等なども無く、全く機能には問題ない感じでそのポテンシャルの高さに感動しました。
リーダー80Lbは、ビルでかなりボロボロに傷つき、ルアーとの結束部も今にも切れそうなギリギリの状態でした。
66フックは、一番良いところとされている上下顎のかんぬきの奥に、腹フックががっちりと見事に抜けており、テイルフックはまたこれ幸いに下顎の柔らかい部分にその1本が刺さっていました。
今回は、ライトタックルにショートリーダーそしてトレブルフックととても厳しい戦いでしたが幸運にもこの釣りを達成することができました。
船長、そして仲間のサポート、タックルとすべての要素が少しでも欠けていたならば、決して出せない結果と確信しております。
船長、仲間との一体のチームプレーで手にした貴重で思い出に残る幸運な一匹でした。
終わりになりましたが キャスティングでマーリンという、難関なゲームを敢えてトライさせて頂きました。
かなり厳しい条件の中、船長を始め仲間のサポートに助けられました。また、すべてのタックルのポテンシャルに助けられ達成できることができ、私の釣り人生にとって、忘れることのできない一日と一匹になりました。
偶然が重なり、いやそう言うにはあまりにも幸運が重なったといいましょうか、たまたま達成できたことではありますが、自分の釣り人生においてひとつのターニングポイントになったと痛感しております。
船長、仲間の皆様、メーカーの皆様とりわけ、今回もタックルハウス社のブリットにはそのアクションもさることながら強度も信頼できるとても良い製品であり相棒です。
今回またさらにそれを痛感いたしました。
MOON RODのポテンシャルとラッキーさにそしてこんな素晴らしい魚を育んでくれた自然、とりわけ房総の海と全てに感謝いたします。
2013年7月吉日
左から、同船の佐藤信哉さん、見事マーリンを釣り上げた磯野雄大さん、同船の君塚雄介さん]]>