釣果報告 宮崎県 オオニベ。2020/2

千葉県の釣竿工房 月 平野様より釣果写真とメッセージを頂いておりましたのでご紹介します。

釣行データ

釣行日:2020年2月
釣行エリア:宮崎 日向灘エリア
情報提供者:釣竿工房 月様
釣果:オオニベ(mulloway)127㎝
使用タックル
Lure:K-TEN SECOND GENERATION <K2F 142 T:2>Factoryモデル #116カタクチイワシ
Rod:MOON(月竿) 1062-F1P 10-16Lb class
Line:PE1.5=30Lb
Leader:10号=40Lb

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【査定】 DSCF1725

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コメント

「2月半ばのことになりますが、宮崎で釣りをしてきました。
若い頃(報告者)とは違って、もうとっくに全盛期を過ぎて、昔のようにキレやスピードはありません。(自分比)
宮崎は、とても暖かいイメージでしたが、その天候にはあまり恵まれませんでした。

初日
まず手始めは、M168からのスタートです。
ルアーはきっちりと仕事をこなしてくれてはいますが、気配は感じられません。
初日は、なんとかギリギリ釣りになりましたが外道のツバクロエイ以外のアタリはありません。それでも少し魚とのやり取りがあっただけでも良し、としました。
簡単に釣れるとは思っていませんでしたが多分に漏れず、やはり甘くはないようです。

2日目
この日は、風強に心折れそうな、いや折れかかっていました。
ルアーを投げることすらままならない状況でした。流石のK-TENも打つ手なしといったところでしょうか。
ジグなら辛うじて成立する感じではありました。
それでも限られた日程では、やはり貴重な時間には変わりません。
可能な限り投げ続けました。
とても辛い修行みたいでしたが、同行者と相談し早めに上がり、明日に備えることにしました。
いつもながら、無反応な時は、余計に身に沁みます。それも承知の筈なのですが・・・やはり辛いことには変わりないようです。釣りにはつきものですが、辛いものは辛いです。
週間予定ですと、かなり荒れる予報でした。このまま帰る事になりそうですが、遠征や旅に不安はつきものです。
半分諦めて就寝しましたが、良く休もうと思えば思う程その夜も寝られないのは変わりなくというところでしょうか。

3日目
朝3時に目が覚めて、気象情報を確認してみました。なんと、3日目は予報に反して凪となっていました。
最終日なので、悔いの残らぬ(いや結局残るのか)ように投げ倒す事にしました。
現場に着くと早朝からその灘は、魚の活性もあり、海は少しながらざわついています。悪くない雰囲気でした。
 それから午前中、午後と力の限り投げ続けました。
そのかいがあってかどうなのかは判りませんが、朝方、K2162にヒラメがアタックしてきました。
波打ち際で外れましたが、悔しさはありません。
外道は外道です。(といっても少しは、悔しいか)
その後、またヒラメのアタリがあり、50㎝くらいのヒラメが釣れました。
そこは、何もないより、あった方が良いみたいです。
そこで既に午後。一旦上がることにしました。

それからとても遅い昼食を簡単に済ませて、しばしの休息後(潮止まり)の後、再度支度をします。
しかしながら、もう夕方前です。泣いても笑ってもラストと言う事で、再び準備に入ります。
午後3時過ぎ最終ラウンドの戦いになりました。
半ば、諦めという思いは、いつもながらふつふつと湧き上がってきます。
1投目、そのままルアーは帰ってきます。
それから2投目、3投目、4投目、かすりもしません。
ある面、予想通りということでしょうか。
5投目、少し角度を変えてその先へキャスト。

まさかの・・・・・・ヒット・・です。
“がっ・・と止まるような、押さえ込むようなアタリがありますよ。”
という友人のアドバイスが思い出されました。
大きく竿を何度が竿元まで叩くほどの大きい撓りの後、動きがありました。
ドラグテンションは2㎏強設定です。
最初30mほど走られましたが、一進一退の攻防から10分前程度で、少しずつその走りに力が抜けてくる感じでした。
その後、それからのポンピングによる寄せは、ゆっくりと寄ってくる感じで、楽になってきました。
そんなやりとりを更にしていると、波間に最初の勢いを失いながらも尾鰭を動かしているのが見え隠れしました。
それから数分もすると、力無くひっくり返って腹を見せている魚の姿が目視できました。
それはまさに、本命でした。
結局14分でランディングできました。
勿論同行者である、友人のサポートがあってのことです。

この竿の元になっているブランクは、私の師匠の古いアナログ設計のものです。初期型は、1992年以前になりWeakfishというニベ科の魚やライトラインでのSTRIPER(ストライパー=ストラプドバス)をサーフや磯から釣るのに適したものが元々のベースです。(weakの由来は、魚そのものが弱い訳ではなく、その口が柔らかく針が外れやすいところからきたと言われています)
その後、それをベースに日本向けに改良したものです。(M1062-F1p)
適正ルアーは、50g程度までです。

私は、その昔ニベ科最大と言われるBLACK DRUM(ブラックドラム)をキャッチした事がありますが、このウィークとレッドドラムは釣った事がまだありません。ウィークの方は、何度も狙いましたが、掛かりませんでした。
 その後、調べてみるとおそらく最大種は、オオニベと言う事が解り、少しそれはびっくりしました。下記の開腹という下りに少しばかり記載しております。

【鱗】画像参照
鱗を後輩に査定してもらいました。
10歳前後という事で東北震災生まれ前後となるようです。
2016年熊本の震災の年は、成長が少し少ないです。
ストレスでもあったのでしょうかね。(後輩談)
 耳石も、調べたくもなりましたが、それを調べていくうちに、JEWFISHのJEWは宝石から来ていると言う由来の言葉であったことが判りました。機会があればみなさんもその耳石をとってみて記念にしてはと思います。

【開腹】画像参照
餌は、ニベ=グチと思われる、30㎝程度の魚が入っていました。
地元の彼らの話では、アカエイ(エイ)や、アジ、イワシも入っているそうです。
動画や、SNS上の伝説は、やはり精査する必要があるように感じます。
勿論最大2m以上のニベ科でも最大種に入るとおもいますので、2m超えれば50㎏はあるかもしれません。
 私が調べた範囲では、オオニベ(Argyrosomus japonicus)IGFA公式レコードの最大は、南アフリカでの65.75㎏でした。しかも8Lbという細ラインでの記録です。圧巻の大きさとラインの細さです。その年代から推定するとナイロンライン約2号と思われます。
 現在のPEラインででは0.3号~0.6号以下程度で戦うことになろうかとおもいます。恐らくこの記録を日本で破ることはほぼ不可能のように感じます。
世界はとても広いもので、“井の中の蛙大海を知らず”とはよく言ったものです。

【K-TEN】
私のK-TENユーザー歴は、四半世紀とプラス程度になりますが、それ以前の30年以上も前は、ほぼ欧米製の名品と呼ばれたミノープラグを使っていました。
勿論そのほぼ殆どは、飛距離を意識したものは存在しなかったとおもいます。
K-TENの存在を知って使い始めてからの期間(1992年頃から)、そのメインは、タックルハウス社の異なったシリーズがメインだった期間もあります。
中でもTKR130H、BKLM140 やCONTACT 系FEED POPPERやSHIBUKIは好きなルアーですが、なんといっても最初のエントリーは、K-TEN BKF115からでした。
それから待望の175が出るまでその主力でありました。
以来、その驚異的な飛距離とアクションに魅了されてから、私のこのルアーへの信頼は、今も変わっていません。
“変わって良い事と変わってはいけないこと”
“その変わってはいけないこと”が、変わっていないと思える製品だからです。
今回の選択肢としても、やはり若き頃からの確信にも似た信頼にもあると思います。
その間も御社は、ものづくりに対しての取り組みが変わることがない=変わらないことが、更なる信頼へとつながっていました。
K2が出始めた当時は、その釣りの主力をオフショアに切り替えたこともあり、その活躍の場があまりありませんでしたが、今度その機会が訪れ、ショア、サーフ等でミノーを使用して狙うのであれば、K-TEN K2等とある程度決めていたことです。
やはり、自分が安心して使用できるということは、それが優れた武器になりうるということにも直結しているようにも思えます。
信頼や信用は、今日明日に買えるものではないことをその短い人生の中で実感します。

ルアー選択の重要なのは、やはりその対象魚の餌となるもの(ベイト)の種類とサイズであることは、ある程度のアングラーであればそれが基本と思われるのは当然のことと思います。
今回の決め手となったのは、この釣りに経験値の高いローカルアングラーでもあり友人のアドバイスが、あったことです。(過去ヒットしたルアー等)
彼が今までに開腹したオオニベのお腹からは、恐らく誰も想像もつかなかった言葉が出てきました。
それは「エイ」でした。
多く言われている、グチ=ニベやシログチは想像つきましたが、エイはノーマークでした。
となると、魚体やそのベイト(餌)から推測するには、ルアーはイシモチの大きさで大きいほど良いとおもわれますが、一日投げ続ける道具と体力が必要不可欠なので、それらを総合的にすり合わせするとK-TEN 142~175あたりかと思いました。
今回主力とした竿がライトな事もあり、50gくらいが限界なので、使うルアーも限られてしまいます。
また、その餌はいくつか挙げられていますが、その中でもイシモチや、エイとなると底のイメージも情報としては、かなりウエイト置かれると思います。
ルアーの引くスピードやその環境は、そのイメージに大切かと思っております。

最後になりましたが、良い釣りをするには、その現状を含めすべての環境が整っていなければならないのは誰しも思うことだと思います。
その環境は、良き道具達に恵まれることはもちろんですが、良き環境、情勢は勿論のこと、人間関係、良き自然環境が前提となるかと思います。
自然環境も温暖化に向かっている昨今ですが、より共存できる釣人が多くでてくださることを切に望みながら、真に単純で短い報告ではありますが、終わりたいと思います。
簡単で恐縮ではありますが、すべてに感謝しつつ、このような機会を与えてくださったタックルハウス社の皆様方とすべての関係者のお蔭です。
ありがとうございました。
ご報告とお礼とさせて頂きます。
皆様も良き釣りができますように心より祈念致します。」

平野様、釣果情報ありがとうございました!

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