仮説~確信へ

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来月発売予定のTKLM140Gに繋がる話になります。

私の全経験を注ぎ込んだK2F142は発売から12年を経て、現在も一定の評価をいただいていると思います。変わらぬご支持をありがとうございます。

このルアーからテンションコンセプトという概念を導入しましたが、年月を掛けないと確証できなかったことがありました。それは古くから定説となっているマッチザベイトに関することです。ルアー選択はその時捕食しているだろう小魚のサイズに合わせることがセオリーだと言われます。それに同じルアーサイズでもファット、スリムとかあって、ルアー全体のボリュームで合わせるという考えもあります。

しかし、経験を積むに従って魚がメジャーを持って眼で測っているとは思えず、側線との複合感覚で判断していることに気付きます。小魚が水を押しのけたり、押し出したりするのを敏感に感じることができるのならば、ルアーの性質を変えてやればマッチザベイトの呪縛を解けるかもしれないと。そこでリトリーブ抵抗が極端に小さいルアーを作れば140mmあっても魚側からすれば120mmと感じてくれるはずだと信じて作ったのがT1でした。その後使い勝手重視で普通の抵抗に近づけたT2ができたことで、長い実証が始まったわけです。

長引いたのはリリースが定着して、釣った魚の胃の内容物を知る機会が減ったことと、私や仲間、ユーザ-さんの報告でたまに食用にした時の胃の内容物を調べた結果が貯まることを待ったからです。結果は仮説通りでT1(テンション低)で釣れた魚の胃の内容物は小さ目の小魚が多く、T2はサイズ也で普通といったところでした。その差は顕著で数倍違うというご意見も頂いています。

つまり、テンション、引き心地、水の押し出し、押しのけが少ないルアーはサイズより小さいルアーとして使えるということです。弊社ルアーに限らず、ルアータイプによってどんな選択をしたら良いのか、ヒントにもなるはずです。

 

さて、ここで今度のTKLM140Gに繋がります。

リップ付きで比較的安定した泳ぎのK2Fにはテンション表示してありますが、TKLM系統は一括りに表示できない理由があります。

それはテンション小~極大までの幅がありすぎ、またそれを楽しむルアーでもあるからです。元々、90mmサイズから対大物用を謳ってフックも大き目です。トゥイッチしたときの水の押し出しが強く、任意に相手に気付かせ、その後アクションを控えめにして食わせたり、パニックアクションで逃げることもできます。もちろん使い方は自由ですが、任意で最小~最大アッピールのあいだを行き来できると、それで釣れた時にはより釣った感(釣れた、ではなく)が増すのだと思います。

 

TKLM140Gはさらに一撃性をスケールアップするために様々な工夫を凝らしました。発売予定まであとひと月を切り量産の準備をしているところです。仕様等の詳細は近くお知らせしますのでよろしくお願いします。

 

Posted by nino