ガウス加速器を応用したルアー
今年の新作はガウス加速器(映像左下のルアーは放出パワーの確認用です)を応用したルアーになります。
磁石と球を所定の配置にすると、磁石に球が磁着した瞬間に、反対側の球が磁力に比例して加速して放出されます。
この現象自体は磁石を扱う人にとっては広く知られているはずの事です。このブログにも「禁断の重心移動システム」(書いたのは20年前)という記事の中で匂わせているぐらいです。
https://tacklehouse.co.jp/ktenlab3/2010/05/20/12/29/47/
実はあの頃、重心移動システムの完成形を夢見て実用化できないものかと何度かトライしてみたのです。しかし、原理的に一回作動させる度に強く磁着した鉄球を手動で引き離す必要がありました。ルアーに組み込んでも投入時の位置エネルギーと遠心力ぐらいでは引き離せず、かといって磁力を弱めては求めた放出力を得られず断念したのです。
ガウス加速器が周知されてきても未だに何かに応用できた例を見かけないのは、作動ごとに外部からの力がいるからだと思います。電磁石にすればレールガンという名の兵器にはなるそうですが。
今なら、できる、かもしれない。そう思えるようになったのは、長い日々の中で、かって挫折した課題が少しづつ解決していたことに気付いたからです。ガウス加速器の自動サイクル化が可能になると、ルアーには新たに三つの事ができるようになるのです。そこでまず一つ目をやってみようというわけです。
磁石と鉄球だけではできなかったことも、今では必要な知識、素材、方法、精度が揃い可能になりました。一作目は飛びに特化するより、このルアーの可能性を示したいと思います。どうやれば正攻法でお魚に好かれるのか?しばらくは海の前で立ち尽くすことが多くなりそうです。
ディスカッション
コメント一覧
島根県のわんきちと申します。
プロモーショントレイルで山陰に来て下さった折りには、過去記事の宇宙論に関する話など、二宮様の物理についての知見、知的好奇心の凄さに感動し、ついお時間をいただいて話をしたことが忘れられません。
今回の記事も、大変興味深く、かつルアーの新しい可能性を感じる事ができる内容…素晴らしいですね。本当に楽しみです。ありがとうございます。
そして、改めて見る【禁断の重心移動システム…】いろいろな事に愛(←最適な表現なのか疑問ですが、他に思いつかないので)を感じる名文ですね。
この記事に釣られて、サインをいただいた「本のK-TEN」をスコッチ片手につい開いて、やや飲み過ぎです。(^^;
わんきちさん、コメントをありがとうございます。トレイルでの事、覚えています。
何十年も無駄だったと思われた知識や経験が、ここにきて役立つとは自分でも意外でした。
本の220、284ページの欄外に小さなイタズラを仕込んでありますw
数字の意味は検索すると出ると思います。良いお酒を・・・
これは面白いですね。
このシステムについてちょっと調べてみましたが、開発者側としては相当手こずりそうですね(汗)
購入側としては「答え」となる製品版のクリアカラーをマジマジと見てみたいです(笑)(どうやって作動前の状態に戻すようにするんだろうか?と気になります)
K-TENプラグの楽しみなところは組み込まれたシステムを自己解釈できたとき…魚を釣る釣らない関係なく嬉しい瞬間です。
楽しみにしています。
ndlsさん、こん〇〇は。
どうやって?・・・まさしくこの事が、何年経っても実用品が無かった理由でしたが、ルアーにかかるありとあらゆるチカラを利用して解決しました。
クリアカラー、いつもより多めに用意しますねw
バンクマンさん、この段階でご購入の確約をありがとうございますw
期待以上のものになるように頑張ります。
何、何、何ですか?(汗) そのおはじきみたいな動きは? よく分からない(笑)けど絶対買います。