宇宙論 膨張加速だって

今年は新作二本を予定しています。いつも、設計を始める前にはヘプタモンドパズル等をして頭の回転具合を確かめてから取り掛かるのですが、どうも調子が悪い。
そこでこの数年抱えていたモヤっとした問題を片付けることにしました。(釣りとは関係無いです。)


宇宙モデルで遊ぶ

以前、この宇宙が生まれてから138億年とかいう数字の短さ、何かの負債額のような俗っぽさに違和感があると書いたことがあります。ごく最近までそれは続いていました。
地球ができたのは46億年前だといいます。これは身近な事だから数値はまだ納得できます。しかし、全宇宙が現在の状態になるまで僅か3倍の時間(46×3=138.偶然ピッタリというのも?)で済むとか、誰も疑わないのが不思議です。物量と領域は地球の1に対してこのページのほとんどを0で埋めるぐらいの気の遠くなる差があるのに、たったの3倍であの大規模構造まで行き着くらしい。
太陽系の成立すら諸説あってまだ結論が出ないのに・・・

この宇宙は限りなく凝縮した一点で超爆発が起こり、そこから全ての物質が生成されたという所謂ビッグバンモデルは未だに主流の理論です。学力テストで正しいモデルは?と質問があればこれを書かないと○は貰えません。
宇宙が今尚膨張しているからには時間を遡ればある一点に行き着くはず。それが138億年前の爆発の論拠になりました。星々が地球から遠ざかっているというハッブルの観測結果にも整合するので強固なモデルになったようです。

膨張はやがて物質間の重力が作用して、いづれ止まり、そこから収縮に転じて最後はまた一点に押し潰されるという説もありました。そのまま膨張し続けるという説もあります。

ただ宇宙モデルというのは、実際の観測や計算結果と符合しないと認められませんから、理論に矛盾が生じると新たにパッチ(補助理論)を当てないとならなくなります。
そしてこのパッチが凄いことになっています。インフレーション、真空エネルギー、マルチバース等々、ビッグバン理論の援護のため本体より賑やかなアイデアが次々と現れました。
近年(たぶん2011年ノーベル賞)宇宙は膨張しているどころか加速膨張しているとの観測が成されて、ますます混沌としてきました。
新たな発見は新たな謎を産みます。何で加速できるの?という問い掛けに答えるには、全宇宙にあるべき物質密度は何割も足りず、穴埋めにダークマターなる未知の物質を想定し、また138億年前から膨張し続けるエネルギーも桁違いに足りず、ダークエネルギーというこれまた未知の力の存在を仮定してまで、強引に現象(自然)と一致させようとしています。

これ、理論として破綻しかけているのでは?というのが率直な感想です。爆発による宇宙膨張モデルに拘りすぎるとこの先も苦しい展開が続きそうです。それに加速膨張にダークエネルギーなぞ持ち出したら終いに空間は光速を超えて広がり、全物質が引き裂かれてしまうのでは。

そこで、せめて生きている間はもっと美しい世界に居たいので、自分で考えることにしました。w ここから先は私の宇宙観になります。有りもしない都合のよいエネルギーと物質は排除して 現時点で証明されている観測と実験結果から、分かっているのは
○見える宇宙が成立するためにあるべき物質量が全銀河をかき集めても1割に満たず、9割以上は未知なもの。
○見える宇宙は膨張している。しかも加速中。
○見える宇宙の大規模構造はバブル状。 銀河は膜状に集まろうとし、内側に空虚な空間を形成するのは宇宙において常態であること。
○見える宇宙空間には大局での歪みが無い。
○全天から宇宙背景放射がある。遠い昔にあった爆発の名残りにしては温度に若干ムラがあるものの極めて均一。 光速を超えた膨張からは光が届かないため、減速したから届いているとか。
○銀河系の回転速度は内側と外側でほぼ同じ。ダークマターを想定するか、新たな重力理論がないと説明できない。
○真空の中からでも素粒子が生まれる。
○質量によって空間が変形(ゆがみ)することで重力が生じる。弱い力だが遠くまで届き、極大の影響を及ぼす。
もちろんもっと色々とありますが、当面これらだけでもあるイメージが沸いてきます。

まずダークエネルギーとか不明のものを持ち出さなくても加速膨張は有り得ます。見える宇宙の外側に大質量の重力源があればよいのです。それは不完全でも球体の外皮膜のような星々の集合で、見えている宇宙はその中にあるとします。大規模構造の外側にさらに大きい大規模構造がある感じです。 ほぼ9割の物質は見えない外側にあるとしたほうが、無理やり自分たちの見える範囲に押し込めるより、自然。
つまり得体の知れないエネルギーで膨張加速しているのではなく、反対に外皮の大質量に引っ張られているとするわけです。重力源に近くなるほど引っ張る力は強くなっていきますから、こちらから見ると加速膨張しているように見えます。 時間差で外皮に集合していく物質は、地球から見れば適度な熱を発生するかもしれない。ちょうど宇宙背景放射の微かな熱程に。
ビッグバンの高熱の名残りであるとされる宇宙背景放射の観測を続ければ熱は下がり続けるはずですが、もしも上がるようなら素晴らしい。
これなら空間が光速を超えて拡張しなくても良いし、物質が光速を越えられないことを無視しなくて済むので重力源である膜の形成にも都合がいい。

また、宇宙外郭にありそうな巨大な重力源としてもうひとつ。相応の空間のゆがみがあれば物質すらいらないのかもしれません。始まりは光より速く空間が膨張したというビッグバンが、拡がる境界周辺の空間を凄まじくゆがませているとするわけです。ゆがみ、すなわち重力なので、そのスケールからすると加速膨張させるエネルギー源としては申し分ないでしょう。ビッグバンではいったん膨張が減速してからあるとき加速に転じていることからエネルギー源の切り替えがあったように見えます。爆発で押されることが終息した後は引っ張られるというわけです。

そしてダークマターを空間のゆがみで代用できれば、銀河系の外と内の回転速度問題もありふれた捻じれということに。物質があるからゆがむというのは一現象で、先にゆがんでいる場合もあって物質が集まるとしたほうが多様な謎に答え易いような気がします。重力のみが次元を超えられると聞いたとき、ではゆがみも?と思いました。

さらにもうひとつの可能性として、宇宙自体が自転していれば、足りない力を補えるかもしれません。回転と渦は宇宙において繰り返されている現象です。大小、原子も銀河系も回転を伴うのに、それらを包むものだけが回転してない、と言い切れるのかしら。
そして膨張が加速しているのなら、過去の 星々はもっとゆっくり動いていたと考えるのが自然でしょう。ということは宇宙が生まれてからの年齢は138億年より伸びることになります。それもかなり。スピンしているスローバース・・・
これは美しいモデルだと思います。少なくとも以前の違和感はなくなりました。スッキリ、これで新しいルアーの設計に取り掛かることができそうです。

追記 現在、加速膨張の度合いを全天で観測しているとのこと。数年から遅くとも十年ぐらいで結果がでるそうなので宇宙論の新たな展開があるはずです。楽しみ。

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再度追記。 上を書いてから3年と少し経ち、2020年5月にアメリカの大学から「宇宙自体が自転している(いた)根拠が見つかった。」という論文が発表されたようです。遅れてでも宇宙の自転の可能性に着目していた研究者がいてくれたことが嬉しい。まずテーマを想定してから精緻な観測をしないとわからない事なので遠くから拍手を送りたいです。それにこれが正しいとなると、次は・・・と期待しちゃいますw

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再々度追記。 さらに3年と少しが過ぎ、最新のジェイムスウェッブ宇宙望遠鏡から続々と深宇宙の観測結果が届くようになりました。その一端を私たち一般人にも見せてくれるのはありがたい。それによると通説の宇宙年齢138億歳ではあり得ない成熟した銀河が最果てで見えてしまい、年齢は現説よりかなり伸びそうな模様です。当分は専門家の分析を待つことになりますが、今回の発見で誰もが早まった具体的な年齢の見解を述べるのは躊躇するはずです。しばらく結論はお預けになりそうですが、こんなに早く例の違和感が解消され、自分のイメージに近づいていくのは確かなようで秘かに喜んでいます。でも新たな謎が・・・

Posted by nino