灰皿
スモーカーには生きづらい世の中になりました。各交通機関での禁煙はまだしも、都市部では外でも吸えない所が増えてきました。
百害あって一利無しとか、副流煙の被害などマイナス要因をさんざん聞かされてきたので、マナーには留意していても肩身は狭くなる一方です。
喫煙歴三十余年。軽く見積もっても50万本以上。一千万円を煙にしていることになります。その内、税金は六割だから六百万円。これから先のある若い人に戒めとして、この数字を残しておきます。
以前は部屋の壁にベンツ一台がヤニになって張り付いていると思うと気が遠くなったものですが、一方で、一生掛かってもフェラーリ一台、煙に出来ないとはクヤシイ気持ちも涌いてきます。
我が家の仕事部屋の西側の、元、白い壁には、全面にルアーを掛けているのですが、当然のごとく全部ヤニまみれです。
先日地震があった時に、ルアーがガサガサと揺れていたのですが、その光景に妙に感心してしまいました。ルアーの影になる部分にはヤニが付いていないので、壁の未だ白い部分が揺れで覗き、一斉に明滅しているのでした。綺麗。
そんな我が家ですから、タバコを吸わない人にとっては不要品が山と在ります。 百円ライターはワンカートン(12箱)買うとオマケにくれるので、もしも火事になったら家が爆発しそうです。
灰皿だって、携帯用も数えれば50個はあるはずです。写真は、その中でも愛用の四点。流紋焼き二種、片方は茶器を改造したもので大容量が気に入っています。
真鍮と木で造られた灰皿はインドで買った物。辺地でタバコを捜すと、たいていハッシッシを勧めてくるので困ったものです。
信楽焼の茶器は立派な箱付きの銘入りながら、飾るより実用とばかりに思い切って灰皿として使っています。以前、酔った友人の奥様が落としてバラバラになり、私だけが茫然としたことがありましたが、今は復活しています。落とした本人はただの脆い安物灰皿と思っています。
復活できたのは、破片を捨てようとゴミの日を待っていたとき、偶然、チャンツィイー主演の映画、「初恋のきた道」を見たからです。その中で、壊れた陶食器を金具を使って器用に直すシーンがありました。そのエピソードからはチャンイーモウ監督(北京五輪開会、閉会式を演出した人)がわざわざ入れただけあって、とても心地良い感じを受けました。
そこで私もバラバラになった器を直すことにしたのです。ただしアロンアルファで。
オークション的な価値はゼロになりましたが、釣り仲間との語らいを数百も共にした思い出いっぱいの品物です。
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