現況、余談。

 桜満開の現在、今秋発表予定のK2☆に没頭中です。と言っても時間を掛けさえすれば良くなるような部分はとうに終え、あとは微妙な部分が残るのみなのですが。
 造形もこれ以外の形には成り得ないというところまで持って行きたいし、機能的な小さな欠点をひとつひとつ潰していかなければなりません。キツイ段階ですがもっとも楽しい時でもあります。
 
 こうした時に先に進むには昔からやってきた方法が一番。釣り以外に映画を見まくり、本を読みまくり、ゲームとパズルをすること。
 つい先日もパズルで頭の調子を確認してから車を飛ばして映画クラウドアトラスを見に行き、合間にクラークのSFと昭和を背景にしたベストセラーを読み、ついでに高校生が400ページ歩くだけの眠くなるような小説も読みました。それから対戦ゲー、レースゲーも。
 これでお分かりのようにそれぞれの内容から何かを得ようなんて望んでいません。ただ頭脳をシャッフルしたいだけ。素材をミキサーに掛けて未知なる味になるのを期待するようなものです。
 おかげで帰りの車の中で設計上の課題を一つ解決できました。
 
 それとここからは長い余談になりそうですが、その日の夕刻日課になっているメダカの観察をすると、昼中流れ込んできた情報の渦の影響からか自分がまるでカミサマ視点でメダカを見下ろしていることに気付きました。
 庭にある8つの大きな睡蓮鉢と水槽はすっかりビオトープ化して、ここ数年はほぼ放置状態です。それでも勝手に季節ごとに稚魚が生まれ育ち、何か事が起こらない限り一定数を維持していたのです。
 しかし今年は冬を越せずに全滅した鉢が三個。この時の現象だけ見れば単純に張った氷が厚すぎたからと言いたくなりますが、継続している観察からするとそれ以前の偶然な出来事のほうに原因があると思われます。
 
 全滅したのは野鳥が葦の種を運んで来て昨秋に生命体が溢れるように湧いた鉢でした。誰もが見慣れている川辺にある葦ですが、これはパスカルの言うような弱い植物ではありません。細く華奢な葉なのにその根は太く全ての水分を吸い尽くすまで増殖し続けるのです。最後には鉢を割るぐらい根を増やしました。
 そしてカエルやトンボ等を呼び過ぎるので一時的には絢爛たる生態系となり、もっともメダカが増えた鉢でした。そこからは下降一直線、成体はヤゴやカエルに食われて、稚魚は親に食われて全滅しました。もうひとつ全滅したのは晩秋の後期産卵期に元気すぎるメダカが多数いたものでした。
 
 残ったのは適度に老体と若体が混生して、はたして来年までもつか危ぶまれる数しかいなかった鉢なのでした。これ等は今春の日光を浴びて自然発生したプランクトン類を元気に追い回して早くも卵を産んでいる親がいます。
 
 メダカの生活になるべく干渉しないようにしてから、以前によく世話をしていた時より却ってたくさんの興味深い事象を目撃できるようになりました。支配しているのは残酷な偶然ですが、儚い命の輝きはいっそう増すかのようです。
 クラークのSFにはより高位の知性から見下ろされている人類の話がよく登場しますが、睡蓮鉢を一つの生態系、一つの世界とすれば、その生活場の創造主は私になります。メダカよりは知性の高いはずの私が今していることはスケールこそ違えど(違いすぎるが)似ているのかもしれません。命の明滅を見守ること、余程の事がない限りそれだけです。
 
 現実世界を見るとおそらく本物のカミサマも人類にあまり干渉することは控えているのだと思われます。メダカはメダカで、人は人で頑張らないと。

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