開かずの引き出しを開けたら…自選エッセイ集より【25】
必要あって、家具の配置換えをすることになった。タンスがヤケに重く、ひさしぶりに開けた引き出しの中から、なつかしい釣り雑誌が出てきた。
何でタンスの中に、と思われるかもしれないが、それは、頻繁に引越していた時期があり、面倒なので ...
餌釣り師とロッド…自選エッセイ集より【24】
ルアーマンも方々に出かければ、先々で多様なジャンルの餌師と肩を並べて釣りする機会が多くなる。私もたまに餌釣りをするし、ルアーをやらない釣り仲間もいるから、餌釣り師がルアーマンに対してもつ気持ちも解る。
ルアーが一般化して見慣れ ...
リリースと食べること…自選エッセイ集より【19】
近頃ではリリース談議が落ち着いた感があるが、あえてここで取り上げてみたい。
釣った魚をどうするかは、大きく分けて三つの方法がある。①全部リリース。②全部キープ③リリースもするが、食べることもある。あなたはどれだろう?
流体の非科学…自選エッセイ集より【18】
購入したルアーの動きを、まず自宅の風呂場で確かめた人も多いだろう。これが自分でルアー製作までする人であれば、プラグと一緒に風呂に入って小一時間過ごしたことも一度ならずあるはずだ。
大人がオモチャに興じるようにルアーと入浴してい ...
リスクについて…自選エッセイ集より【17】
「スポーツは健康を害する」とかいう説を唱える学者の意見がマスコミを賑わしたことがあった。曰く、スポーツを日常的に行う者の平均寿命は、そうでない者と比較して短い云々、とかいうものだった。
統計を取れば、そうなるらしい。スポーツ選 ...
6月18日…自選エッセイ集より【20】
私は新宿で生まれてから、渋谷に住み着く間に、神奈川県の稲田堤という多摩川の畔に居たことがある。幼稚園と小学一、二年までの数年間なのだが、その頃の記憶が近頃は妙に蘇る。
長らく、他人の人生を眺めているような気持ちになる期間だっ ...
ヒラスズキありのまま…自選エッセイ集より【16】
四年前(95年)、魚が好きで堪らないといった感じの海洋生物の研究者と会う機会があった。彼に、あるヒラスズキの事を話したら、笑われたことがある。
話が佳境に入り、私はつい、同魚種でもたまに性質どころか性格が異なるものがいる、と ...