一本チャレンジャー…自選エッセイ集【30】
それは昨今の干潟ブームが興る以前、まだ、会う人は知り合いばかりという、静かな夜の海での出来事だった。
ルアーを投げる度に、潮に乗って流れてくる千切れた海苔がフックに絡んで閉口するが、それさえ無ければ、毎回のようにアタリがある。 ...
シーバシング・ハイ…リクエスト【22】
掲載する前に、少しお話を…。
アンケート募集の際、モニターのTHさんから、昔、私の書いた一文「シーバシング・ハイ」をメールで送って、とリクエストがありました。
題名まで覚えていてくれたのは嬉しいものです。そこで捜すこと ...
無事を願って…自選エッセイ集より【21】
免許の更新に行ってきた。奇跡が起きて、初めてゴールド免許になった。好運とGPSレーダーのおかげである。
講習会場に行ってみると、駐車場からして雰囲気がいつもとは違う。軽とファミリーカーしかない。車高を下げている下品な車は自分だ ...
犬になり鮭になった話…自選エッセイ集【27】
先日、長年馴染んだ鼻ヒゲを剃った。ついでに髪も短くしたが、まあ、こちらの方はあまり変わりないようだ。
おかげで翌日、近所の近視のオバサンに挨拶しても、素通りされてしまった。後で聞くと、そのときは坊さんにも、ヤクザにも見えたそう ...
バキュームキッス…自選エッセイ集より【20】
ルアーマンは、フッキングの瞬間に声をあげるときがある。思いつく所では、ヒットォー、ヨシッ、クッタァーとか、人それぞれだ。バス釣り育ちだと、フィーッシュとかフィッシュオンとかも加わる。
中には、いきなりバレナイデーと叫んだりする ...
開かずの引き出しを開けたら…自選エッセイ集より【25】
必要あって、家具の配置換えをすることになった。タンスがヤケに重く、ひさしぶりに開けた引き出しの中から、なつかしい釣り雑誌が出てきた。
何でタンスの中に、と思われるかもしれないが、それは、頻繁に引越していた時期があり、面倒なので ...
餌釣り師とロッド…自選エッセイ集より【24】
ルアーマンも方々に出かければ、先々で多様なジャンルの餌師と肩を並べて釣りする機会が多くなる。私もたまに餌釣りをするし、ルアーをやらない釣り仲間もいるから、餌釣り師がルアーマンに対してもつ気持ちも解る。
ルアーが一般化して見慣れ ...