Q&A Rユニットについて(TKW140)

TさんよりRユニットについてご質問があり、皆さんにも共有していただきたい内容なのでここでもお答えすることにしました。

質問(略)・・・TKWのページでRユニットが「超スローリトリーブでも微細な力で生命感ある動きへ変える」とありまして、ここからはRユニットはルアーが動くためのものと思いましたが、ユーチューブなどではルアーが動かないためのRユニットとして動画があがっていました。
Rユニットはルアーが動くためのものですか、動かないためのものですか?

お答えします。結論から言うとRユニットは動くためにでもあり、動かせないためにでもあるのです。動かすほうでは主に低速域で分かりやすく、TKWをお風呂で浮かべてみますと、僅かな水面の揺れで作動音が聞こえるはずです。またTKWの設置角度は水平方向に近づけてあり、微妙に角度を変えたユニットが二つ、しかもバランスを崩しやすい上部にあるため動きやすさに振ったRユニットになります。そしてTKW140のRユニットには前後共磁着タングステン球を採用してあり、特に前部の球は磁石に近くわずかに磁界の影響を受けていて単純な回転ではないです。

また動きを抑えるほうでは、Rユニットを泳ぎに対抗させる角度で設置した機種としてK2FとかK2Rがあります。高速引きのときのジャイロ効果(遠心力によって回転軸の垂直方向に働き、外力に対して元の位置に戻ろうとする力)を狙っていますが、低速ではむしろ動かせるための単なる振り子になっている場合もあるので厳密にではありません。TKWもタイミングはランダム(二つが干渉し合うため)ですが高速でジャイロ効果の働くときがあります。Rユニットはその設置位置や角度や回転体の重さで制御内容を変化させることができるので私の設計では入れることができるときは必ず採用するようにしました。試していただければ嬉しいです。

 

続いてSさんからこれに関連したご質問がありました。略して「5mmぐらいの鉄球でそんな効果があるとは思えないのですが?」とのことです。少し理屈っぽくなってしまいますが、ここでお答えします。

物理では質量(重さ)が2倍になるとエネルギーも2倍になり、速度が増えるとエネルギーはその2乗に比例して増えます。つまり速度が2倍になるとエネルギーは4倍になります。

例えば5mmの鉄球は約0.5g、それが時速4㎞のときのエネルギーはわずかなものですが、時速20㎞にするだけで10gの物体を重力に打ち勝って約80mm持ち上げる力になります。100㎞を想像してみると危険な領域になるでしょう。また携帯電話のブルブルも小さな偏心した錘を高速回転させているだけです。筋力を使ってリールを巻いたり、ロッドをあおったりするとルアーはウォブリングやローリングして、それがRユニットの動力源になります。

これらを考慮してRユニットでは効果の過剰なものは軽いアルミ球等にしているものもあります。(TKW140はタングステン球)現物をお持ちでないとイメージし辛いとは思いますがご理解のほどよろしくお願いします。

 

追記 弊社ではRユニットをフィードポッパーの135mm以上とブリットの120mm以上にも採用してあります。こちらはリップ付きルアーのような泳ぎではないのでジャイロというより変化に富んだアクションを求めて、かなり重い球を打撃音無しで回転させています。

 

サイト内検索で Rユニット を調べればいくつか参考にできるページが見つかります。よろしくお願いします。

Posted by nino