K2LM 132 サイクロイド 今秋発売

今秋、K2シリーズに初めてリップレスミノーが加わります。名称 K2LM132 サブネームにサイクロイドが付きます。2001年に発表したTKLM90から25年。かつてそれについて「偶然の賜物」内でシンクロとか共振とかの再現が難しく、少しだけ込めることができた、と書きました。それがついに再現できるまでになりました。またK2を名乗るゆえ空力効果を向上させて飛距離もアップしています。

以下、少々マニアックな説明になります。

TKLM90サイズでは基本オモリ球1個だけを平面に乗せ横方向に1mmブレさせてウォブンロールを制御しています。泳ぎでは周期的な同調と破調がわずかに見られます。

続く120mmではオモリ球2個になり、制御に難が出たため2個の球が乗る部分を半円にして横ブレ調整しました。

以後は今日に至るまで球の半円状の受け皿を球ごとに半径を変えたり、Rユニットで強制的に制御していました。

ただし球を横ブレさせ過ぎると当然ルアーの片側に重心が寄るため泳ぎが破綻し限界があったのです。

今作K2LM132では特に2番目の球の横ブレを6.8倍に拡大しても自動制御して自ら意思を持ったかのようにバランスします。球の受け皿にも空気や水に触れる外郭デザインにもそこかしこにサイクロイド曲線や有効な理論曲線を採用することで低速と高速とで生ずる難題を解決しました。一例としてサイクロイド曲線には、最速降下曲線という性質があります。これを応用することで球の横ブレの仕方を変えることができます。数値差はわずかですが共鳴、共振にとっては重要なのです。

 

「偶然の賜物」に書いたシンピの力、を今考えると、ウッド製K-TENは手作業によるドリルで穴開けしていたので、球の受け皿である半円が真円ではなく微妙に楕円になっていたため、たまにアタリバリができたのだと思います。K2LM132サイクロイドには能う限りシンプルな形の中に私のノウハウを凝縮しました。ぜひ体感してみてください。

 

 

Posted by nino