質問 K2R112について (サスペンドとの使い分け等)
K2R112についてと、使い方、使い分け等の質問が数件あり個別にお答えしてきましたが、もっと詳しい説明をとのことなのでここに書いてみます。
K2R112の発売は2013年。当時はルアーの概念的に同様の物が無かったせいか、サイト等ではマニアックなルアーとして紹介されていました。(ラボ内に当時の製作過程をそのまま置いてあります) 作り手から使い方を限定して分かりやすくするのはこの新作ルアーの可能性を潰しかねない気がして避けてきたからでしょう。
その後のモニタリングや実釣報告を聞いていると、やはり皆さん実に様々な使い方を創出されていました。またいつのまにか動きの原理的にこのルアーに近いものがかなり出回ってもきました。
ミノー型ルアーを泳がせる場合、頭部周りのデザインは主要な役割をします。直接水を受ける面を大きく例えて分類すれば、通常のミノーのリップ面、リップレスミノーの下向き角度を付けた頭部面、リップルポッパーの上向き角度を付けた頭部面の3種になります。あとは水受け部分の角度や割合を変えたり、部分的に延長させた突起を付けて水流を調節したり、ボディを歪ませたりしてバリエーションを増やしているわけです。
ここを読んでくれる方々ならば私の志向をお気付きかと思いますが、設計者として動きの原理をはっきりさせたシンプルで原型となるものを目指してきました。K2R112の原理が前記3種と異なる点は、ラインアイから上部の頭の上面とアイから下の面で水受けさせて、その相反する力を拮抗させることで震える(泳ぐ)というところです。
もちろんこの原理で動いているルアーを作ったのは私が初めてというわけではなく、大昔から意識的にではないにせよあったと思います。私は原理を明確にした純粋なものを作りたかっただけです。
現在、当時は少なかったこの原理を応用したルアーはたくさん見掛けるようになりました。ペンシル系で望む動きをさせるには良い方法だからです。そしてそれぞれのルアーはそれぞれの使い方を説明しています。元々使い方を限定するようなルアータイプではなかったということです。
以上を念頭にするとK2R112の使い方は発売当時の説明とそう変わらないのです。皆さん自由に使っていただいて新たなメソッドを探してみてください。付け加えるとすれば、サスペンドの扱いです。私は魚のいる場所がだいたいわかっているとき、比較的に穏やかな動きなのでジックリ狙う時に使っています。あとはスピーディに探れるノーマルを使用しています。
さらにマニアックな使い方を加えるとすれば、このルアーの持つ弱みを利用することです。形状から荒れた海面ではスピードコントロールしないと飛び出しますが、飛び出ている間もこのルアーは大人しくスレさせないので任意のところでわずかに海面下に漂わせる感じで使います。既に世の中には荒れた海でも使いやすいルアーは溢れるほどあるのです。それらにできないことをさせるわけです。海面下に入ったとき荒れに強いルアーとは挙動、泳層、姿勢が全く違い、極めて自然な物体と化しますから、それが強みとなるときがあります。参考にしてみてください。
ディスカッション
コメント一覧
確かに他メーカーから、似た形のルアーがでてますが、ほとんど沈むタイプなんですよね。
この飛距離で、この動きでフローティングっていうのはまだk2Rの他に出会えてないです。
熊本のiさん、コメントありがとうございます。
一見して分かるものもありますが、デザイン上、水受け面の角をならしてあるものを含めれば青物用などけっこうありますね。このまま発展していくことを願っています。
また沈むもののほうが釣りやすいときがあるのを承知で浮くものを作りました。だから重くして飛ばすものに負けない能力をと頑張りました。
頑張って頂いたおかげで、楽しませてもらってます。
先発ピッチャーにも、抑えの切り札にもなってくれてます。