質問…ゴールドカラー
北陸のTさんからの質問です。
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…略…質問A(直メールにて回答)…略…北陸地方では陽が差してきたあたりからNO,7(旧ゴールド)の反応(ヒラメ)がいいように思います。また、ゴールド系のカラーは少しの違いで、釣れるゴールド、釣れないゴールドがあるような気がしています。…略…二宮さんのゴールド系カラーについて、過去のエピソードや意見をお聞かせ下さい。…略…
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Tさんの質問には普遍的なところを含んでいますので、一部ラボで回答させて頂きます。
ゴールドカラーというのは、ルアーによるシーバスフィッシング黎明期(80年代)から私にも馴染み深いものでした。 ルアー作りの参考にさせて頂いた当時のラパラのカラーバリエーションの中でも、シルバーベースに背がブルーと、ゴールドベースに背が濃いオレンジ、それとルアーらしいレッドヘッドをよく使っていました。
朝、昼間はシルバー系。夕、夜間はゴールド系。気が向くとレッドヘッドというのが典型的な使い方でした。外洋ではゴールドプレートの入ったロングAも多用していました。
カラー論議は釣り人特有の探求心のせいか、当時から賑やかだったのですが、シーバスルアーのカラーバリエーションは今とは比較にならないほど乏しく、しかもバスルアーのようにカラフルなものは少なく、背もブルーやブラックなどの単色がほとんどでした。
湖のモンスターブラウン相手に、リアルカラーとは別に何故か黒金が持て囃されたのもこの頃のことでした。
カラーだけについても、色々な場所で、色々なアングラーが、ああでもない、こうでもないと試していた時代だったのです。私もその中の一人でした。
ゴールド系は、あの時から今に至るまで生き残って来たカラーです。その理由を述べることが今回の質問に答えることになるのですが、その前にもうひとつ。 私にとってのゴールドは、ある特殊な思い出があります。ルアーを作り始めたとき、ゴールドのアルミ箔を探したのですが、金紙しかありませんでした。結局、シルバーのアルミ箔にイエローを吹くとゴールド風になることが判り(現在も同じ方法)、そのことが量産型ルアーを作る際に重要な役割を果たすことになるのです。
私は絵を描いていたせいか、当時のソルトルアーの単純な色使いが寂しく感じていました。生きている小魚は、見る角度や光の反射で、あんなにも多様な輝きを放っているというのに。
だからK-TENを発売できるようになったとき、高コストを承知で透過光を利用した深みのある色合いにすることを希望しました。それは、シルバーにイエローを吹いてゴールドになったことをヒントに、ルアーの背にまず別色を淡く吹いた後に、別の色を上乗せすることで実現しました。
そうすると、何も塗っていないサイドから背にかけて、例えば緑から紺(マリンブルー)、淡い紫から青(マリンバイオレット)というように、優しく色が移行して、2色の間に味わい深い色が現れます。
この手法は現在多数のルアーに普通に使われています。このように、私にとってゴールドカラーから派生したことは大きいのです。……
さて、Tさんの報告を吟味すると、潮色や太陽の在処まで書いてあり、説得力がありました。その現場においてひとつの真実でしょう。Tさんが釣行したときの諸条件が特定のカラー、ゴールドにはまった結果なのだと思います。それが何故なのか?
ここではゴールドの光の波長の性質とか科学的な根拠を書くつもりはないのです。(調べればネット内でも判ります。)私はもっと単純なものだと考えているからです。
濃いめのゴールド。これマズメの光の象徴みたいなものです。(プラス夕方のオレンジ、朝ピンクという解釈もあり。)
それは多くの魚にとって捕食の時合いといわれるマズメの、彼等の視覚を使った、もっとも見慣れた色合い(波長)だということが想像できます。晴れたマズメには、波頭も白い岩も魚も銀のルアーも、ゴールドに輝こうとします。さらに同系の色が重なると、増幅して見えることもあります。
たとえそれが時間のズレで昼間になったとしても、見慣れたものと、見慣れていないものとでは生物の反応に差があるというのが自然です。
ただし、ルアーによる反応は相対的に働くことが常であり、その差は良い方にも悪い方にも作用します。それはカラーに限らず、ルアーの形、動きにも言えることで、どちらが有効なのかはその時次第です。差がある、ということだけが真実なのだと思います。
例えば、絶対のカラーがあるとしても、ではそれを辺り一帯全てのアングラーが一斉に投げていたらどうなるのか?もしかすると、そのこと自体が原因となって、別の特定のカラーを投げている一人に反応が偏るかもしれません。その辺りは現場の魚に聞いてみるしかないのです。
ゴールド系は今も需要が途切れず定番カラーです。Tさんにとって、特定のゴールドが必要であるように、私を含めて何処か遠くの誰かもゴールドに思い入れがあるからこそです。
これからも納得のヒラメに出会えますように。
それと、カラー全般について、以前QアンドAで書いたことがあります。(ルアーのカラー)併せて参考にしてみて下さい。
ディスカッション
コメント一覧
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB0.0)
いうたったさん、こん◇◇は。
この記事をキッカケに思い出して貰えたのなら嬉しいですね。
たぶん、Tさんも、だと思います。
7センチバルサミノーにMHロッド、しかもベイト!
やれば何とかなる。その感じ、よくわかります。
私も似たようなことをやって、色々と覚えていきました。
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昔、ダム湖のバスやってる時、ラパラの黒金を夕マズメに使ってました。
バックラッシュしたのを治してる間に放置していたのに勝手に掛かってたの
思い出しました。
オカッパリでMHのベイトタックルで7cmのバルサのミノー。。。
よく投げれてたもんだなと、今では思いますね。
やれば、何とかなるもんです。
バスプロって贅沢ですねぇ。(笑)