ベイトの群れに着いたタイは、その群れの潮下にジグを通して狙う!

野田信也さんの「タイジグ」ゲーム

写真/文 松井謙二

キャスティングでのナブラ狙いはベイトの群れの進行方向に投げるのが定番だが、ジギングでベイトの群れに付いたタイを狙う場合には、ベイトの群れの潮下にジグを入れてタイを誘う。ベイトが魚探で見て、青物に追われてバラバラに散っている時はどこにジグを入れても魚は喰ってくる。

前回の5月19日 明石海峡での春のパターンの「タイジグ」の取材から約1ヶ月あまり。

今回も「タイジグ」を使っての取材で6月24日に和歌山市西浜から出船する「海信丸」に野田信也氏と共に乗り込んだ。
余談になるが、「海信丸」の谷口宏信船長と私達は昔からSWフィッシング仲間で、当時私達は有志のSWクラブによる「シーバスパーティー」を毎年、冬の淡路島で行なっていた。 その頃はSWクラブもまだ少なくて、大阪、和歌山、兵庫、徳島、高知の各地からSWクラブのメンバーが集まり、一泊二日のキャンプとシーバス釣りを楽しんでいた。 パーティーを毎年続けているうちに他府県のクラブとも交流が深まって、情報の交換をしたり、一緒に釣りに行ったりして親睦は深くなっていった。
和歌山県では「マッドネス」「パープルライズ」のメンバー達とは30年近く経った今でも一緒に釣りを楽しんでいる。
今回も取材の助っ人として「パープルライズ」の島氏、金岡氏も参加してくれたのだ。 野田氐も久々の仲間との再会に嬉しそうだ。 今はフェイスブックやインスタなどで各地の釣り人とも友達になれるが、私達の時代はリアル「シーバスパーティ」だったのだ。
情報を共有する事だけでは無く、やはり一緒に行動する事が大切ですね! 大変前置きが長くなりましたがー。

今回は「タイジグ」を使ってのイワシ付きのタイを狙う。
実は明石海峡の取材の前から谷口船長と連絡をとり「ジグでタイを狙える様になったら声をかけてください!」と頼んでいたのだった。
例年、和歌山や徳島では夏になり水温が上がってきたらイワシや小サバの大きな群れが至るとこで発生する。 その群れに付いたタイを「タイジグ」で狙うのだ。

午前、5時30分に出船した「海信丸」は和歌山南港を出て北西方向の紀淡海峡には向かわず南東方向の中紀に向かった。
「今は中紀方面、有田川河口沖の南側の島周りにイワシや小サバの群れが結構あるんよ!そこでタイ狙うか!」と谷口船長。 最初のポイント、宮崎の鼻には約40分で着いた。 水面にはベイトの群れがざわついていて、魚探を見れば水深35メートルの底から水面にかけて幅広く真っ赤に写っている。
しかし、こんなにベイトの群れがあるのに青物のボイルは無い。
野田氐は今回はタチウオ用の6フィートのスピニングタックルを用意した。


水深が15〜40メートルと浅いのと船がドテラでポイントに入る場合にはベイトタックルでバーチカルに攻めるよりも、少しジグをキヤストして斜めにジグを引いて魚にアピールしたいからだ。
また、青物のボイルが出たらキャスティングは不可欠だ。スピニングタックルとあって、今回は「タイジグスリム」の60グラムを多用した。また、ジグに装着するフックについては前回と同じくタイラバ用のフックでテールにはシルバーのブレードを取り付けている。
助っ人として来てもらった島、金岡の両氏にも「タイジグ」をタイラバタックルに取り付けてタイを狙ってもらった。
ひと流し目、谷口船長は魚探を見ながらベイトの群れの動きと潮の流れを考えて船を立てた。 「やって!」と声が飛ぶ。
ベイトがこれだけいるのだからタイは釣れそうだ。しかし、ひと流し目は大きなエソ1匹に終わった。 もう一度、船長は船を立て直す。
野田氐がじっと魚探を見つめている。船長の「やって!」の声が再び飛ぶと、野田氐はジグを20メートルほどキャストしてジグを底まで沈めて一定のリズムで斜めに引いていると「ドスン!」とヒットした。
中々のトルクのある引きを見せるが、タイ特有の竿先を叩く引きが無い。
「青物?」と思わせたが船長の差し出すタモに入ったのは62センチの立派なタイだった。
ふた流し目からタイが釣れて幸先のいいスタートになった。 そして、次の流しで今度は野田氐と反対側の左舷で「タイジグ」を泳がせていた金岡氏に42センチのタイ。その後彼は小型のタイを追加して「タイジグ」の実力に満足していた。

「いったい今日は何匹釣れるやろ?」と思ったのも束の間で、開始から2時間後には全く潮が止まってしまった。
おまけに風も止まり船も流れないので外道のエソやフグも釣れなくなってしまった。
谷口船長は午後2時30までベイトがいるポイントを何度も変えてくれたがタイのアタリは無かった。
夏の大潮周りは昼の潮は動かないのだ。

野田氐はタイをヒットさせる数秒前に魚探を見て、「イメージとしてベイトの群れとベイトの群れの切れ目に「タイジグ」を通してヒットに繋がった!」と言っていた。
谷口船長曰く「ベイトの群れに付くタイの狙い方はベイトの群れのど真ん中にジグを入れずに、出来ればベイトの群れが切れる位置にジグを通すのが一番釣れる」と言っていた。

マグロや青物はベイトの群れに猛スピードで飛び込み、自分の身体にイワシなどのベイトをバンバンぶつけて、弱ってクルクルと回っているもの、死にかけてふわふわと水中に漂っているものを捕食していく。
そんな状況の時は青物が弱らせた食べやすいベイトをタイは待っているのだろう。
青物がいない場合はその潮下にいて群れから飛び出た魚、弱った魚を狙っているのだ。
はっきりと言えるのはベイト付きの魚をジグで狙う時は魚探を見てその状況を把握して釣りを組み立てる事だ。