K2F142T:1とT:2超基本。

南関東、近畿エリア営業担当兼、WEB広報の古賀です。

今回はK2F142のノーマルリップ(T:1)とT:2の特徴の違いを簡単にですがおさらいします。
(T1は通常省略してK2F142と呼ぶことも多い)

名称未設定 2のコピー

と言うのも、現在新製品「K2F142 T1&T2ファクトリーモデル」の受注と出荷作業を順次行っているところですが、小売店の担当者様から「T:1とT:2どう違うんでしたっけ?」「どっち注文したらいいですか?」など根本的なご質問がまだまだ多いという理由からです。
それもそのはず、K2F142も早いもので発売から10年が経過し、釣具屋の店員さんも世代交代が進んでいたり、そもそもK-TENシリーズ特有の記号の様な名称は、余程思い入れの無い方にとっては特徴を把握し辛い、覚え辛い部分もあると思います。
小売店の方がそうなら、一般の方はもっとあやふやになっている方も多いと思います。
噛めば噛むほど味の出るK2Fシリーズですが、今回は初心者向けにT:1とT:2の基本の部分を、K-TEN Lab内の過去の記事からの抜粋を織り交ぜながらおさらいします。

【外観】

T:1とT:2(頭部を除く)ボディは共通で、リップ形状、角度が違います。
(こういう場合、通常リップだけを取り替えますが、K2Fは必要な強度と精度を得るため、頭部ごと交換する方式です)
T:2は、T:1に比べてリップを立ち気味にしています。
角度を立てたことによる強度面の不安を解消するために、かなり厚めのリップになっています。
リップを厚くした分アクションのキレは若干落ちていますが、最低限にとどめています。
リップの角度は図に示してある通り

T1 T2

T:1=21.76°
T:2=36.46°
正面から見た全面投影面積は
T:1=343.4m㎡
T:2=383.7m㎡

夜間等でも手探りで識別できるようT:2にはリップに刻印が施してあります。
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【飛距離】

立ち気味のリップを採用したT:2は逆風下での伸びが、T:1に比べ幾分ダウンします。

【使用感】

そもそもT=tension(テンション)の略で、簡単に言うと、テンション=手元に伝わるリトリーブ抵抗ということです。
T:1はリトリーブ抵抗レベル1。
T:2はリトリーブ抵抗レベルがT:1の倍の2ということを表しています。
(T:2も一般的な14cmクラスのミノーに比べリトリーブ抵抗は軽い部類だと思います。)

ロッド即ち手元に感じる力と、ルアー自体に掛かる力は比例しますので、同一ボディでもT:1とT:2は水中での挙動や性質が異なります。
リトリーブ抵抗の高いT:2は着水直後の泳ぎ出しもT:1に比べ幾分早く、スローリトリーブでの泳ぎも安定しています。
ほど良い引き抵抗による操作性の高さから、T:2の方が多くの場面で扱いやすい、と感じている一般ユーザー様も多いように感じます。
後述する泳層の違いも勿論あります。

リトリーブ抵抗が外観のイメージからすると異様に軽いT:1。
青物狙いで多用する高速リトリーブ域でも泳ぎが暴れ過ぎず安定している、そして疲れ辛い、などの分かりやすい特徴の他に、
開発者の二宮がT:1について話す時「センサー」という単語をよく口にします。
「引き抵抗が軽いからこそロッドを通して手元に伝わる情報の量が格段に多い水中センサーのようなルアー。」
「潮の流れ、川の流れ、海水密度、さらしの切れ目、払い出し、澱み、圧力といったことが、まるで糸電話のように鮮やかに手元に伝わってくる。」
(使い手の使用状況や癖によっては、T:2の方が、もしくは昨年リリースしたK2F142WL T2.2の方が情報が伝わりやすく感じる場合もあるとは思いますが。。)
この事が一般的に多く語られているのをあまり目にしませんが、T:1の最も大きな特徴の一つかもしれません。
ルアーが大きくリップ付きのメリットを持ちながら、辺りの水に与える影響は(側線刺激等に関わる)一回り小さいルアーと同じなのです。
長年T1とT2を交互に使用していると、釣れた魚の胃の内容物(小魚)はT1のほうが小さいことが多く、二宮いわくマッチザベイトの呪縛を解くルアーだということです。ベイトがルアーより明らかに小さいときはT1をお勧めします。

是非この辺りを意識して使ってみてください。

またリトリーブ抵抗が軽いことのメリットとして
・硬いロッドティップでもラインは緩んでいるのでPEでもナイロンでも食い込みが良い。
・性質として遠方での挙動が安定する。(意志に反して急潜行なんてことがない。)
・魚の死角からルアーが近づいても驚かせることが少ない。
・複雑な流れの中ではルアートレース(コース取り)が高抵抗タイプとは泳層を含めた三次元で変わる。今まで微妙に通っていなかったところを通る。
・デッドスローや、漂わせて探るときの挙動が変わる。
・着水させた瞬間に空中に残っているラインと風を利用して、コース取りを工夫出来る。(普段はサイドライナーキャストでその影響を最小限に留めるべき)
・長時間引いても疲れず、ラインの消耗が少ない。根掛かり回避性に優れる。など

デメリット
・(慣れるまで)ラインが緩んでいるので魚のアタリが掴み難い。向こうアワセが多い。
・PEだと、その扱いに慣れているか、PE向きのリールを使わないと、巻きのテンションも緩いので次回投げる時、ナイロンよりトラブる心配がある。
・(慣れるまで)ルアーのブルブル感が薄く、夜のルアーの在処が掴みづらい。
・荒れたサーフでの寄せ波の扱いに慣れが必要。
・フローティングルアーだと、泳層の幅に限度がある。など
いくつかのデメリットを解消する存在としてT:2がありますが、代わりにいくつかのメリットも失っているということです。

引き抵抗に関しては以下のページもご参考にしてください。
テンションコンセプト
K2F142 WL 発売開始

【潜航深度】

ホームページ内の製品スペック欄にも記載していますが、潜航深度は使用するタックル,淡水or海水、足場の高さ、などの諸条件で大きく変わる為、表記にはかなり幅を持たせています。
T:1=20〜120cm
T:2=30〜150cm
T:2は足場の高い場所ではT:1に比べ扱いやすくなっています。
一般的な例えでは、サーフや(関東なら)房総の磯のように足場低い釣り場ではT:1。
堤防や、(関東なら)伊豆の磯のように足場の高い釣り場ではT:2。といった使い分けも良く聞きます。

【累計出荷数】

具体的な数字は伏せますが、累計では、やはりファーストモデルのT:1が上回っていますが、
T:2発売後の推移はさほど変わりなく、どちらも同じぐらい人気があります。

以上、簡単にT:1とT:2の特徴の違いを書いてみました。
昨年から新たにK2F142WL T:2.2もシリーズに加わっていますが、K2Fシリーズのテンションコンセプトがある程度理解できていれば、
他のモデルとの使い分けは自然と分かってくるのではないかと思います。
ご自身の通うフィールドや、釣りのスタイルに合わせて使い分けて頂ければと思います。

今月の新製品となる「K2F142 T1&T2ファクトリーモデル」は既に全国の小売店様で発売中です。
よろしくお願い致します。

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7月の新製品「K2F142 T1&T2ファクトリーモデル」

K-TEN SECOND GENERATION K2Fシリーズ製品ページはこちら

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