質問…潮色、ニゴリについて

 千葉のUさんから質問です。
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 略…房総でのヒラ、マルスズキにおける潮色やニゴリとの関係や、対処法をラボに…略…
 
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 お待たせしました。お答えします。
 
 
 まず、こうした確定の難しい事は、始めに簡単にお答えしてから先に進めることにしています。
 
 一般には青い潮色は暖かく、緑色は冷たいといわれています。
 我々が岸から(海岸ライン)釣りをするとき、手前と沖側で潮色に差がある場合がほとんどですが、たまに沖の潮の色が手前まで一様になっていることがあります。それは沖の潮が差し込んでいるということですから、磯スズキには良い兆候になります。
 その逆で、はっきり二分されているときは、何かしらのマイナス要因が絡んでいることが多いです。
 
 もちろん例外もあり、その色の付き方が、プランクトンのせいなのか、淡水のせいなのか、ドロのような浮遊物のせいなのか等で、それぞれ別の判断を迫られることになります。
 
 ところで、潮色を表現するときに使われる、青、黒、緑、赤、白、及びニゴリ等は、漠然としていて、常時、海を見ている人でない限り、伝わりにくいでしょう。
 青、なんて最も海らしい色表現でありながら、内湾のヘドロが生んだ溶存酸素量の少ない潮のことも、そう呼ばれています。
 
 さらに元々、ほぼ透明な液体の見かけ上の色は、光の差し具合、つまり天気や太陽の角度で、千変万化します。
 
 これでは何色と言ったところで不毛な答えになってしまいそうです。そこで私がやってきたことで有効と思われたことを書きます。
 
 それは現場で釣れたときの、ニゴリや色を含めた潮の状態を、よく覚えておくことに勝ることはない、ということです。
 そしてたった数度の経験から結論を急がずに、とりあえず判断保留のまま、数を重ねていくことをお勧めします。
 これぐらいアバウトに構えて釣りをしていかないと、稀にみる好機を逃すことになりかねません。
 
 スズキ自体が、内湾の生活排水が入る淀んだ所から、純淡水、外洋まで生息していて、しかも年中釣れることから、かなりの適応力がある魚だと思います。
 事実、房総の河口で台風後の泥ニゴリの中でランカーが出る所もあり(海中に大きな浮遊物が少ないことが条件だが。)反対に、少々のニゴリでも沈黙するポイントがあったりします。また、餌釣りが嫌う澄み潮でもサラシさえあれば、大丈夫といったように、一種類の魚とは思えない多様な姿を見せます。
 
 それは、それぞれの場所の一匹のスズキの生息圏や行動形態が、何を指して常態なのかで、好機もまた変わるということになります。その生息環境に慣れているようなら、少々のニゴリの違いは無視してもいいぐらいです。
 彼等の食欲を左右する他の要素が勝れば良いわけです。
 
 確かにニゴリにもそのポイントでベストなときがあるはずですが、その濃淡のグラフには水温や潮位の上下グラフも重なるのです。
 潮色による判断をするのなら、まずそこへ通い、自身にとっての許容範囲を知ることこそ、より実践的な知識になると思います。
 
 
 追記…私は過去に房総で十五年程、シーバスパーティの世話役をやったことがありますが、変更の効かないその当日の条件は様々。潮色も様々。
 台風や季節風で全てのテントが吹き飛ばされた日も、超ベタ凪の日もありましたが、会としてアブレた日はありませんでした。人数が多かったせいもあるでしょうが、私が絶対無理だろうと判断したときも、誰かが釣って来ました。
 許容範囲は、たいていスズキよりも人間のほうが狭いです。

Posted by nino