千葉のMさんからの質問です。
…略…
◇はウエーディングをする中で、手返しの良さとシーバスのダメージを考えて、シングルフックを使うことが増えてきました。しかしながらトレブルフック前提のルアーにシングルフックを乗せたとき、なるべく重量を近づけても今ひとつ動きが異なるような気がします。
またそもそも市販のシングルフックが軽すぎるため餌釣りの太軸のフックに換えたりスプリットリングを足したりしていますが、しっくりきません。
…略…
特にTKLMとM128は本当に良い泳ぎなので、できれば製作者の意図に合わせた泳ぎで使いたいと考えています。
お答えいただけないでしょうか?
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お待たせしました。お答えします。
市場にシングルフックのバリエーションは少ないですね。トレブルフックぐらいの需要があれば、何番とか指定できるのですが、まだ其処までいっていないようです。
そこで、Mさんは手作りを厭わないということなので、餌釣り用のフックを利用した方法を書いてみます。
ある程度の材料と道具を必要としますが、それぞれに何故なのか付記しながら進むことにします。
会社ではフック等の重量を計るときに正確な電子ハカリを用いますが、無い場合は簡単に板で天秤を作っても計れます。
要は外したトレブルフック(リング込み)と、シングルフック全材料込み、と比較できれば良いのです。
単純に重量合わせすると、シングルは当然太くなってしまいます。これだと針掛かりが悪く、またカッコ悪いですね。 フック自体は、市販の環付きルアー用より、餌釣り用のヒラマサ、鯛、ソイ等の普通のチモトのあるもののほうが、圧倒的に選択幅が広く、かつ実用的です。
それらのフックの中からお好きなものを選んで下さい。交換するトレブルフックより極端に軽いと困りますが、後で細工するので、少々の誤差は大丈夫です。
例として今回は少し軽めのソイ針16号を使って実際作ってみます。これを選んだ理由は形を見て気に入ったからですが、ウッカリしたことにヒネリ有りでした。吟味すればもっと良い針があるはずです。…
ルアーアイとの接続は、ワイロンという黒い石鯛用ハリス等に用いられるものを使います。ここでケブラー線やPEを使う方もいますが、お勧めできません。 理由は使用時間による劣化が激しいことと、メンテナンスの問題、それとリングと違い、まとわり付き、変な抵抗があるのでルアー自体の動きを損ねます。またいつ切れるのか判りません。
ワイロンは曲がりやすい金属線なので、リング状の形状を保ちやすく、フックをフリーの状態にできます。また、一定レベルの強度を保ち続け、目視で劣化も判ります。メンテナンスも楽です。そして、大きめのフックを付けたときに悩ませられるルアーの背に針先が掛かってしまうことも防げます。
細かい注意点として、このワイロンを、餌釣り用のハリスを付けるときの基本通り、針のフトコロ側に付けなければなりません。
これをまず、ケブラーセキ糸で、フックに巻き付けますが。ルアーに対して針先が傾いて固定されないようにします。これから先は、頻繁に少量ずつ瞬間接着剤を付けながら作業します。
大事なことは、ある程度巻いたら、ワイロンを写真のように折り返すことです。3ミリも返してあれば充分です。そこを強めに巻き押さえてから余分をニッパーでカットします。
重量合わせはここからです。餌釣り用に、糸オモリというのがありますから、それを必要分、形を整えるつもりで巻き付けます。
後はセキ糸で、オモリ部分を含めて仕上げ巻きします。瞬間接着剤を付けて巻くと簡単です。
最後に乾いてから、私の場合、油性マーカーを塗っています。以上です。
慣れれば一本5分と掛からないでしょう。
Mさん、私がシングルフックを作る場合を書きました。参考にしてみて下さい。
厳密にいうと、ルアーの動きに変化があるのは仕方のないところですが、この方法は微調整が効くので発展性があります。(その気になれば地獄針も作れるので自制心が必要。)
フックユニット重量の目安ですが、TKLM、M128ならば、純海水使用では、幾分重めに。汽水域ではそのままで良いと思います。(これをやると、TKLMはますます丸飲みされやすくなりますが)
いずれフックメーカーさんに奮起してもらって、大きさ、重量を合わせた、トレブル何番相当のシングル何番とかができるといいですね。
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なお、一般的な話として、ルアーの標準仕様トレブルフックでは、細すぎて保たないと思われる魚を狙う場合(マグロ、アカメ等も)にもこの方法はお勧めできます。
フッキングが悪いというイメージさえ払拭できれば、掛けた後、ルアーやフックに余計な負担が掛からないために強度的に安心です。
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popqueen さん、お久しぶりです。
ブログを拝見したら、熱いレポートが!
仕事や体調で空いたブランクに、スズキは何というプレゼントをしてくれるんでしょう。
涙が出るほど嬉しかったと、文末に書くときは本当にそういうときですからね。
ワークスTKLMに入れたウエイトが、ソリッドラバー(ABSを侵さないもの)だと知っている人は、そうはいないですよ。何故なのかは魚に聞いてネ。
構造は、能う限り単純ですけど、それは無駄をことごとく取り除いた結果です。今後もTKLMと長い付き合いをしてやって下さい。
ではまた。
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二宮様
失礼ながら久しぶりに貴殿blog拝見させていただき、益々ご隆盛のこととお喜び申し上げます。以前僭越にも当方blog紹介させていただきましたpopqueenと申します。
相変わらずコアで雰囲気の良い内容で構成されていて、見ていて面白かったです。
仕事や体調の都合で先日3週間ぶりの鱸釣りに行きまして。まあ以前から愛用・多用してきたTKLM9ではありましたが、今回周囲を圧倒する好釣果が得られましたので当方blog更新いたしました。お暇なときにご覧下さいませ。
二宮様的には良く『禁手的な』表現をされているルアーでは有りますが、あの小さな、且つ単純構造の中に潜在する能力はすごいですね。ノーマルタイプとSinkingWorksを使い分けますが、ノーマルはワンウェイト、SWはツーウェイトにしただけではなくフロントスペースにソリッドラバーが仕込まれていて、リアヘビーになるのを防いでいるんですね?
正直、幾つもダミーのバランスウェイトルームを作っておいて、組み決めのときにウェイト位置を決める『いきあたりばったり』というのか『結果オーライ狙い』のルアーとは大きく異なりますね。
使用して魚を釣るたびに『買ってよかった』『使ってよかった』と思っています。
いまさらTKLM9のインプレですが、コンサバな当方は多分、BKRPとTKLMはいつまでも使い続けるのかなぁ・・・
いつまでも良いルアーを作り続けてくださいませ。
popqueen