8月16、17日に高知の浦戸湾で開催される、第二回アカメ釣り大会に行ってきます。
私は会場にいることが多くなると思いますので、気楽に声掛けて下さい。
天候に恵まれますように。
帰ったら報告しますね。
タックルハウスデザイナー二宮正樹がお送りします
8月16、17日に高知の浦戸湾で開催される、第二回アカメ釣り大会に行ってきます。
私は会場にいることが多くなると思いますので、気楽に声掛けて下さい。
天候に恵まれますように。
帰ったら報告しますね。
写真は携帯風速計。30秒間、風に晒してからストップすると、平均風速がm単位で計れます。
BKF誕生以前、試行錯誤中だった重心移動システムの効果を、正確に知るために必要としました。
ルアーの飛距離を計測する前に、これを聖火を掲げるように、あるいはウルトラマンが変身するときのような姿で30秒間静止して風速を計ったのです。
実際使用すると、風には息というものがあり、常に一定に吹いてはいません。方向も変化します。
ところがルアーを投げるのは一瞬のこと。今投げたルアーの飛びが、風速何mのときのものだったか、計ることは存外に難しい。ルアーを投げながら確かめると、かえって正確さが失われるのです。 結局、ひたすら風速計を持ち続け、計測器の数値を体感で覚えることにしました。人間風速計になったのです。
長時間海辺に立って、風を感じながらメーターの動きを注視していると、やがて風にも強さだけではなく、種類があることに気付きます。
息にはリズムがあり、伸びや拍の刻み方に違いがあります。
風の方向については、コチ、ナライ、ダシとか多くの名があるものですが、残念なことに風の息の様子を現した名は付けられていないようです。(あっても少なそう)
外洋のルアー師は、普通に゛今日はイイ風゛といった会話をしますから、例えば゛ヒラ風゛を定義することもできるでしょう。地域や季節海況で異なりますが、いずれにせよ逆風ならば当然、息を狙ってルアーを投入することになります。
もっとも、定義をスラスラ答えられる人は、別のカゼ、ヒラ熱に罹っているおそれがあります。インフルエンザより長引くので、くれぐれもお大事に。
我々がルアーを選択するときの理由のひとつに、サイズがあります。
90㎜とか125㎜とか、5㎜刻みの表示が多いですが、Mを発表した頃から108とか147とか、末のミリ部分を5以外の数字で表記したシリーズも各社から出始めました。
私がMで末尾8を指定したのは、例えば148という数字を耳にするだけで、ルアーが特定でき、区別分類がしやすいこと。それに外車のネーミングに328、206(車好きなら車種がわかるでしょう)とかが使われる意味を考えてのことでした。
代名詞になるまでは時間が掛かりますが、いったん定着すればアルファベット1文字か数字だけで認知されるようになる可能性があります。数字や英字一字では商標パテントが取れないのに、より成熟した車業界では、先行したメーカーの数字配列は真似されることはありません。仁義のようなものです。法よりも強い、互いの遠慮があるのです。(車業界に限られるみたい)
ところで話をルアーのほうに戻すと、各メーカーで同じ90㎜という表示でも実寸はマチマチなのが現状です。ワイヤー部分まで入れた全長であったり、K-TEN系のように本体サイズそのものであったりします。コンセプトが被る後発のライバルルアーは実寸を僅かに小さくしてくるのが通例となっています。
昔からルアーは釣れないときほど(ルアーマンの意識を辿ると)小さくか、細身が支持されてきました。魚の反応が薄いとき、大抵サイズを下げるのが普通で、サイズアップは余程の理由がないと手を出さないものです。
そこで、ルアーのサイズにボリューム(体積)という概念を加えると、サイズ表示は大きくても細くしさえすれば、購買をためらわせずに済むようです。だから市場には大きいというより長いミノーが多いのでしょう。(例えばTKLM90とM128とでは表示に開きがあってもボリュームは変わりません。むしろ90のほうが動きもありアッピールは大きいぐらいです。広い意味での大きさということでは同格になります。)
表示サイズだけでは現れないものがあるのです。
また、BKF115(上写真手前)はミノーとして現在でも最大級のボリューム感を持ちます。実験を重ねて、これ以上太くすると魚の反応が変わるギリギリを狙いました。サイズ表示のわりに細かい釣りには向きませんが、無理なく大きめのフックが使え、大場所での一撃の強さはトップクラスです。(今後二度と作れそうにないルアーのひとつ)
そして、他に私の設計したもので言えば、140㎜以上は小さく見えるようなデザイン上の処理をしています。本当は大きく太いけれども、前後を絞って反射光を抑えたり、反射のピークを線状に、曲面を歪曲させ三分割して、一度に全体が光らないようにしているのです。130㎜以下はサイズなりの効果そのままという感じです。
例外があるとすれば、今度のK2F142になります。(上写真中央)
これは若干細身にしたこともあり、小さく見せることには配慮していません。むしろ反射光の大きさではBKF175㎜(上写真奥)を上回る一瞬があります。
それ故、気を使ったのは反射の仕方(流れ方)です。鋭い反射(平面鏡のような)と柔らかな反射(凸面鏡の端のような)とを曲面の構成を考えて、動いたときに斜め下から見て丁度良い塩梅にしたつもりです。
若いときに、海に潜って下からルアーや小魚を眺め続けたことがありました。遠くだとボーッとしか見えないそれらは、アクションや造形、射し込む光線角度等の違いによって、実寸より小さく、あるいは大きく見えたものです。
それに海は荒れるほどにルアーは感覚的に小さくなります。一面の大サラシのとき、140㎜でも100㎜ぐらいに感じるものです。
このようにルアーのサイズと言っても表示以外に様々な要素が絡むので一概に何㎜のルアーがベストかは言えないものです。
ただし、スズキ類を漁師的な目的で(飛ばすとか、大型狙いとか、好みとか、想いとかは無視)数を釣るだけなら、平均して内湾で90㎜以下、しかも沈むもの。外洋でもせいぜい120㎜といったところが適当な数字だと思います。
では何故、今更142㎜でボリューム系のルアーを作るのか?
それは、私が漁師ではなく、一匹へのアプローチ次第でその価値が変わることを幾例も見てきたから。また、千載一遇のチャンス(それは魚だけとは限らない)をルアーが原因で失いたくないし、失わせたくもないからです。
御覧の通り、K2F142は市販に向けて着々と準備が進んでいます。
量産とほぼ同じ方法で、組み立て、塗装を済ませたものが出来ました。後は最終チェックです。
明後日から順次、テスターさん、モニターさんに配送します。
始め、各テスターさんに文を添えて、内々に済ませようともしましたが、今年はせっかくこのページを作ったので、楽しみに読んでくれているという皆さんにも何をやっているのか、お知らせしたいと思います。
テスターさんへの主なお願いも、ここで書かせて戴きます。
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テスターさんへ……日頃ご意見ありがとうございます。お待たせしたK2Fの最終型について私からの質問と、お願いです。
このルアーの、飛距離、泳層、使い勝手、そして何より釣れ具合等、私なりには把握していますが、今回はあえて資料としては明示しません。
各テスターさんによっては、使う場所、狙う魚、道具が異なるので、泳層ひとつとっても我々の実験数値と体感泳層が、違う場合をよく聞くからです。
そこで、しばらくしてから、海の状況と使用ロッド、ラインと、その場合の体感泳層、体感飛距離、逆風下の使い勝手等のテスターさんなりの数値、感想を教えて下さい。結果を実験数値と合わせて参考にさせて貰います。例えば、使用リーダーの太さ長さでも泳層は変わります。
あいにく、季節的に外洋のスズキを昼間釣ることが難しい地域が多いので、魚の写真はシーズンになったらで結構です。でも、この時期、青物が釣れるところでしたら是非トライしてみて下さい。
それともうひとつ、K2Fは全スピード域で使えるように調整してあります。ウエイト類は全て曲面状の皿に乗っていることから、如何なる時も静止が有り得ないルアーです。
例えば、超々スローリトリーブ(ほっとけに近い)ような場合でも、目視は無理ですが、微かに動いています。(風呂に一緒に入って、さざ波の代わりに指でつつくと、耳を澄ませばRユニットの作動音が聞こえるはずです。)
使い方等は、色々試してみて下さい。苦言も含めて、ご意見頂けたらありがたいと思います。
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テスターさん以外の皆さんへ…
K2Fについては、今後も随時報告していきますので、よろしくお願いします。
下の写真のカラーは、サラシホワイト。サラシに対してのカモフラージュカラー。見付かりづらいものほど、いざ見付けたら、疑いなく飛び付くという、コンセプト。視認性アップのために浮子のような配色を頭部と、リップ上面に。真反対の夜にも使い易いです。実釣で調子良かったので、採用するかも。
TVを見ると、連日の猛暑の中、各地で集中豪雨の被害が出ている模様。どうか、お気をつけて。
免許の更新に行ってきた。奇跡が起きて、初めてゴールド免許になった。好運とGPSレーダーのおかげである。
講習会場に行ってみると、駐車場からして雰囲気がいつもとは違う。軽とファミリーカーしかない。車高を下げている下品な車は自分だけのようである。講習時間は短く、三十分。係員の慣れすぎた説明の優しさは、免許停止講習のときとは雲泥の差だった。
帰り道に、会場で隣席したオバチャンの軽自動車が四十キロに満たない速度で前を走っていた。優良ドライバーの運転とやらを何気なく見ていたら、なんと最初の赤信号に気付かず交差点に進入して、他の車のクラクションの中を強引に走り去っていった。差し掛かった車が、若者の乗るスポーツカーでなく、重いワンボックスカーだったら、制動距離が長引いて衝突しただろう。
優良免許更新の帰りに事故。初詣で事故とか、大物を釣った帰り道に一発免停(これは私)とかもあるが、いずれも笑えない話だ。
そう言えば、何度も事故を起こす人というのは、反省はするものの忘れた頃にまた起こす確率が高いように思う。
数ヶ月前、広い駐車場で五十メートルも先から大型乗用車がバックで走ってきて、そのまま私の車の左側に突っ込んで止まった。すぐさま、人の良さそうなお兄ちゃんが降りてきて謝ってくれたのだが、聞けばまだ若いのに五回目の事故だという。半年に一回のペースになる。保険会社の担当が愚痴るのも仕方のないところだろう。
後日、本人からお詫びに伺いたいなどと言ってきたが、あの運転だと今度は家に突っ込まれそうな気がして、断った。最近、地元だから彼の車を見かけたのだが、バンパーの凹みが増していた。免停にもなっていないのが不思議だ。
釣り仲間の中にも、助手席には乗りたくないなと思わせる人がいる。性格は愛すべきところがあり、共に釣りをするのには申し分ない。しかし車を買ってから五万キロもの間、オイルを換えずにエンジンをブローさせたり、釣れないからといって、目の前にいるカニにイタズラして竿先をちょん切られたりしているのを知ると、運転のほうも心配になる。
他方、助手席に乗っていて、安心出来る友人には性格に共通したものがある。それと現役はもちろん、オートバイに乗っていた経験があることも安心を増す要因だ。
彼らは、常に路面の状態を見ることを自然に身に付けている。いくら舗装路といっても、水溜まりや小さな障害物など、車の挙動を乱すものはある。オートバイなら、カーブ中の小石ひとつで吹っ飛ぶ恐れがあるので注意せざるを得ないのだ。 それと、前輪と後輪の働きが、加重の掛け具合で全く変わることを承知しているから、カーブ中、無茶な加速やブレーキングをしないものだ。
現行のほとんどの四輪の市販車は、快適ではあるがオートバイのように人車一体になってというような感覚は持てない。 振動の低減のために使われている柔らかいブッシュゴムが、ボディと足回りの間にあるせいで、例えばタイヤの摩擦力の変化などが、尻や手に伝わってこない。それゆえ、人の感覚の代わりにセンサーが働きパワーを制御してくれるトラクションコントロールとか、ブレーキ制御のABSが装備されてきた。少々荒っぽい運転をしても、とりあえず車のほうで、何とかしてくれる。大多数にとって安全を図る装置であることは疑いないが、かなりボーッとしていても走れるところが、怖い。
ところで、路面への注意が行き過ぎたり、四方八方を気にしていると、それはそれで危ない思いをすることがある。
自分の例でいうと、ずっと以前正面衝突事故でフロントガラスに突っ込み、失明しかけた事があった。半年後から急速に回復したのだが、弾みがついたのか測定できる視力2・0を大きく越えた期間があった。これには医者も私も驚いた。遠くしか見ていないアフリカの一部の人が5・0あるとか聞いたことがあるが、そんな状態だった。教室ぐらいの部屋の端から端の新聞が読めたのだ。
この期間は走っている車から、前方の路面に転がっている釘やビスまで見えてしまうために、いつも咄嗟の判断を迫られ非常に疲れた。また、海岸道路を走行中にスズキを発見したこともある。不意に視野の中の海面の一点が、渦を半回転巻くように動くのが見えた。スズキのモジリである。発見のタイミングが悪く、危うく車ごと海にダイブするところだった。懲りずに早速友人とルアーを投げると真っ昼間なのに三匹食ってきた。
いくら視力が良くても、やはり良い事と悪い事は等分にやって来るのだ。 現在は視力は衰え、全般に遠くしか見えなくなった。お約束の老眼だ。車中からスズキは発見出来なくなったが、何かに激突する心配は無くなったし、路上の釘や小さな生き物に気付かなくなったので疲れない。その上、景色や女性は以前より確実に綺麗に見えるようになった。十メートルも先の誰かの歯に付いた食後の食いカスなど、見えない方が幸せというものだ。
人生も半ばを過ぎてくると、友人知人の中で不運な事故に遭ったという話を聞くことが多くなってくる。フッと思うことには、どちらかと言えば、ノホホンとした人の良い人達のほうが、その反対より比率が高いように感じるのは錯覚なのだろうか。海に消えた釣友を始め、山仲間や同級生の在りし日の姿が目に浮かぶ。
その分野で経験者であったとか、知識や運動神経に優れていたとか、日頃の行いとか、まして先祖のタタリとか、そういったこととは無関係に、ある日ある時、超多面体のサイコロが無慈悲に振られ、事は起こるのだ。
注意しろと言ったところで、先の運命など判らない我々には、実感を伴わない限り自動車免許の更新講習ほどの効果しかない。
もう少し、疑い深くなったほうが良い人達がいる。 海ではウエーディングをしたり、磯に立つ時、自然に千に一回は平均波高の二倍以上の波が来る。つまり罠のように数時間に一回あることが常識だ。そして沖に巨大タンカーや潜水艦が通って波が重なったらどうなるのか。さらにその上があることも疑わなくてはならない。たまたまその時、魚が掛かっていたら自分がどうするのか、あらかじめ覚悟しておく必要もある。
潮位だって、タイドグラフをそのまま信じてはダメだ。あれは大まかに示してあるだけなので、参考にはなるが様々な外因によって相当の誤差が出る。
そして、車に関しては、こと房総の深夜であるなら、青信号だって法規どおりにそのまま進んで良いとは限らない。この十年の間に、青信号で直進中の、釣り場に急ぐ私の目前を、数回ノーブレーキで横切られた。一度は無灯火だったことさえある。考えてみると、街道沿いにいくらでもある飲み屋には、車以外のアクセス方法がないのだ。
警察の取り締まりは何故か陽気の良い日が多いから、天候不順の時、つまり昼スズキに良い日の前後ほど酔っぱらいも走っているということになる。場合によっては、青信号も疑ったほうがよいのだ。
友人達から、おまえは人がイイ、などと言われる人こそ無事でいて欲しいと願うものである。
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2004年9月に岳洋社さんの「SW」に掲載されたものです。 車の写真は十数年前、車雑誌から取材があったときのもの。日本中駆け巡ったのに愛車の写真がこれしか見当たらない。もう何処かで廃車になっているのだろうけど。
ルアーを扱うとき、一連のピックアップから投入、飛行、着水、リトリーブと流れる動作のそれぞれの一瞬間を、どうすればより良くなるのか?長年培った理論には本当に効果があるのか?それを試してみたのがK2Fです。
今回は、その一端を記してみます。
まず、ルアーを振りかぶったとき、意識しないとルアーは揺れています。大きくはロッドティップを軸とした揺れです。これが振り切る方向とずれていると、ポイントへのコントロールが悪化します。 そのこと自体はルアー側で出来ることは少ないのですが、よく見るとそれとは別にルアーも別個に小さく揺れていることが判ります。
揺れの頂点で投げるとルアーが前後回転してしまう一原因となります。それを強引に解消するために重心移動システムが出来たようなものです。しかし、今回はもう一歩先まで踏み込むことにしました。
実のところルアーが泳ぎやすい重心位置は最もブレ易いということでもありますから、ウエイトが尾部に移動した瞬間もブレが残っていると、ラインからの力が一直線に伝わらないことがあります。
K2Fは構えたときには二つのウエイトが頭部側と尾部側とに分かれているため、この微細なブレを抑えることが出来ます。(最も泳ぎにくいウエイト配置になっているから①)投げる瞬間に静止し、その後ルアーが反転するまでの軌道を安定させることになります。
当初、耐久性のために採用した機構ですが、僅かながらこんな効果も確認されました。
次に、投入動作に移行すると、ルアーには瞬間大きな力が加わり、ウエイトは慣性で尾部へ。ラインに引かれた本体には強大な遠心力が働きます。その0、0何秒の間に頭部と尾部が反転します②~⑥。
この時、リップ付きの泳ぎやすいルアーは、空気中でもその極端な速度のために泳ごうとしています。(ほとんど重心移動システムが打ち消しますが②~③)圧力の加わった空気には水と同様の物理作用があるからです。
この瞬間に注目すると、リップの形状、取り付け位置によってはルアーのスムースな反転を助けることが出来ます。この瞬間、ルアーはリップ角度の延長上へ頭を振ろうとします②~④。水中で潜ろうとすることと一緒です。ラインと遠心力に阻まれるため、動きとしては僅かなものですが、あの強大な遠心力に打ち勝ち、反転のキッカケになります。
K2Fのリップは水中のアクションと飛行中の抵抗減だけを目的に現在の姿になったわけではないのです。
また、リップは常に振り切る回転の内側にあるとは限りません。外側になった場合でも遠心力から逃げようとして身を捩ろうとする力も働きます②。これは都合が良い。 ルアーの上下(背腹)からすると、反転後、水中時と同じ正位置を取ろうとしますから(重心は下だから)、ある程度捻れ方向の回転力は残しておいたほうが、いち早く安定を図れます。
ただ、この際、捻れ回転軸がブレると、せっかく慣性で尾部に仮固定されたウエイトが転がり、戻り易くなってしまいます。K2Fのウエイトルームの後部を横から見たとき(写真)、微妙にカーブしているのはこの点を解析して、飛行中、背腹が回転しても飛行軌道線から重心が離れないような位置にウエイトをセットするためのものです。
注―重心移動システムを使ったルアーは、飛行中、段付きが起きるようなサミング(ラインの引っ掛かり等)をすると、ショックでウエイトが戻ってしまい失速してしまう場合があります。
また、ルアーが反転するとき、フックも反転しています。K2Fは独特のワイヤー形状と微妙な位置によって、一連の流れの中のフックの挙動もコントロールしています。
投入直後はフックより本体が先行しています⑥。そしてボディに張り付いていますが、張り付き方にもノウハウがあります。着水近く、失速してくるとフックが先行し⑦、着水後は水中なので、再度フックがボディに遅れます⑧。(この時、例のフックマークが付いてしまいます。K2Fは泳いでいる間は針先はボディに触れません。ルアーによってはフックの重さで飛ばしているタイプもあり、フックの挙動は様々です。)
そして、着水後のショックか、浮き上がりの惰性とリトリーブで、ウエイトはほぼ戻りますが、近距離とかラインの張り具合によっては若干遅れます。
ウエイトが戻る瞬間も、ルアーの捻れ方向の動きも考慮して⑨、ウエイトルームの絶妙なスロープがスムースな移動を促しています。ナナメ保持のマグネットは一個目のウエイトの戻りのショックを逃がし、磁石の割れに対処するためでもあります。
このようにK2Fは、ルアーマンの投入動作を再考し、吟味して、大きな仕様変更の他に小さな工夫も重ねました。それぞれの効果は無いよりマシ程度のものかもしれません。しかし、徹底して幾つも重ねた結果、貴重なものを手に入れました。
それは、飛ばすための特別な格好をさせなくても、魚形のままで得た、比類のない対逆風性能と、作動の確実性です。
一オンスに充たないフローティングミノーをストレス無く風に向かって投げられる気持ちよさは、私がかって初めて重心移動システムを組み込んだルアーを投げた時の感動を思い出させてくれました。
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一人のテスターさんの質問に答えた内容を、取り出してまとめてみました。
この連休中、暑かったけど皆さんはイイ釣りできたのかしら、それとも家族サービス?私は足の日焼けがイタイです。
shimizuさんより 思い出の1匹、いただきました。
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今は、たぶん人生の折り返しを過ぎて情熱ってエネルギーが減少していると思いますが、自分にも若かりし頃があったし、シーバスに熱中していた時代もありました。 そんな熱中時代の1980~90年代 地元の有名ルアーショップ(ケンモチ釣具店)でシーバスダービーを開催するとの事で、躊躇無くエントリーをすませて平日・休日見境無くシーバスを求めて右往左往しておりました。 今思うと「優勝してやる!」光線がギラギラだったんだと思います。
初年度は、BKF140レッドヘッドにて82cm?(記憶が定かではありません)を釣って4位と上位入賞しまして、貰った賞品がな~んと『K-TENジャンパー』それも蛍光黄色の超ハデハデです(笑) 今着てると「そこのアナタ 歳いくつ!?」と後ろ指を指されてしまいますが(笑)、貰った当初は超嬉しかったし、たぶん所構わず皆に見せびらかしていた(汗)と思います。けど、自分の上には大きいのを釣った人が居る事実に来年は絶対に取ってやると思っていた事でしょう。 そして第2回目の1990年に、93.5cmを釣り揚げてしまってまさかの優勝に輝いてしまいました。シーバスを釣るために大物を釣るために、勉強して色々な場所に通って沢山の経験を積んだ御褒美が『優勝』と言う言葉として具現化したのかもしれません? そして、その時には昨年貰ったK-TENジャンパーとBKF115レッドヘッドが自分の良き友として、思い出を作ってくれました。 その思い出のルアーは当時のままの状態で心の中の記憶と宝物として大事に保管してあります。 貴社には今後も「思い出が」残る良いルアーを作って欲しいし、沢山の人に使って頂きたいと願っております。 (一番釣れるであろう?地元の2級河川の満潮から下げに入って流れが出だす時を狙ってポイントに入り、暫くした時点で巻いていたBKF115が止まってしまい動かない状態で、最初は「オヤッ!?」って感じでしたし、鰓洗いしなくてトルクのみで泳いでいたのでボラのスレ掛かり?とも思いましたが、何故か?鱸サイズのデカイのとも思いました。 今、そんなサイズを釣ると慌てふためいてへっぴり腰になりそうですが、不思議とそんなに慌てる事もなく落ち着いてファイト出来てたように思いました。)
shimizu
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自分だけの思い出の一匹に、まさかの優勝が加われば、それは忘れられませんね。一生ものです。18年たちましたが、言わせて下さい。おめでとうございます。
これからも釣った後に、何年たっても当時の思い出が蘇るように保管出来るルアー(完全ハードルアー)だけを作り続けていこうと思っています。M.N
5年と少々前に購入したブラウン管HVTVが壊れました。買ったとき、5年の長期保証を付けたのに期限切れ後。運悪い。
現時点では、まだ最新の液晶TVより画質が優れていたので、まず修理をお願いしました。欠点は大きく重いだけだったからです。
しかし、係の人は主要部品の交換になり、結構な費用を提示してきます。半世紀も歴史があるブラウン管のひとつの到達点である愛機でしたが、諦めました。手頃な価格になった液晶に買い換えです。ウーン、絵は前のほうが綺麗(-_-;)
思えば、電気製品というのは寿命にアタリハズレがあり、また、規格の変更に翻弄されてきました。時代の流れでいうと、私の世代が(特に多く)そういうことを味わったことになります。
TVならば白黒からカラー、フラット横広がり画面、デジタル放送、ハイビジョン、プラズマ、液晶、これから先は有機ELですか。
ビデオならば、もう若い人は知らないベータと、機能とは関係のない理由で勝ち残ったVHS、それもDVDが取って代わったと思えば、次はブルーレイがのしてきそうです。
音のほうもレコード、テープからMD、CD、今は機器へのダウンロードが加わりました。
コンピュータはもっと目まぐるしく変化したのは周知のことですね。
私が初購入した当時の最新機種には、スカジー接続の他にUSBが標準化される前に装備されていました。でも、いざUSB接続機器が発売されたら使えないではありませんか。ナンチャッテUSBであることが判明しました。スロットは見かけだけでした。
カタログや店員が、今後便利になると謳っていたのに。だから買ったのに(T_T)ダマサレチャイマシタ。
自分に責任の及ばない約束って、都合いいですね。
そういえば、カメラフィルムのプリントにも100年プリントなんてものがあり、当時も疑っていたのを覚えていますが、案の定わずか20年足らずで色褪せて消えかかっている。今は、全く別の形で、劣化の有り得ない記録のデジタル化で実現されましたが。
ここまで嘆きを書いてくると、案外―別の形で実現―というのは重要な事と気付きました。
つい先日の環境サミットも42年後の約束をしていましたね。約束した当人達は期限まで生きているつもりなのかしら?今の延長上に2050年を迎えられるのかしら?実現は別の形によって成されるような予感がします。
電気製品のように約束事が規格変更の度にリセットされるのは、迷惑なものですが、どうも全体的な改善には必要なことのようです。
セイジもそろそろ規格変更しないと、お先が…。
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写真は奮闘する修理人。頑張ってくれたので文句は言えません。
それと、配線基盤。オブジェとしても面白い。
このページを見て戴いている皆さんに、早めにソッと報告します。
K2Fの本型に例の言葉を入れることが出来ました。今までとは少し変えました。というのも、彫り込み加工できるスペースがほとんど無く、短い言葉しか入らなかったのです。考えた末、選んだ言葉です。
しかも、ここにあると知っていなければ、小さくて傷に見えてしまいます。眼鏡がないと自分でも読めないッス。(^o^)でも、気持ちを込めて、入れさせて貰いました。
K2Fは、これからテスターさん達との打ち合わせをした後も、量産化に際しての問題、カラーリングの問題と、解決すべき事が控えています。また、社の生産体制の調整もあります。
でも、このまま何事もなければ、予定通りの時期に発売できるはずです。もう少し待ってやって下さい。
日課のメダカの餌やりをしていると、睡蓮鉢のひとつでシオカラ?トンボが、ヤゴから羽化していました。
小さなヤゴの体から出た後は見る間に大きくなります。何処に入っていたんだろうというぐらいに。
このままにしておくと、数日前のように野鳥にやられそうなので、今日は安全地帯に引っ越し。羽をばたつかせて乾かしています。
睡蓮鉢の中には、外飼いの上、放置ぎみなので様々な水棲生物が住み着いています。(メダカ、ヤゴ、ミズスマシ、モエビ、オタマ、アメンボ、貝類等)それに、水を求めてカエル、沢ガニ、ハチ、小虫に加え、彼等にとっての外敵、猫、鳥、とかげ、と賑やかです。
メダカの稚魚が生まれても、いつもはそのままにして自然に任せていました。それでも隠れるところが多いので、適正な数を維持していたのです。
しかし、今年は成魚が多すぎるのか、生まれる端から親に食べられて、一匹も残りません。仕方なく稚魚も隔離しました。メダカも超小型のルアー、フライがあれば釣れちゃいますね。
鉢の他に一カ所、コンクリ攪拌用の箱を利用した大きめの水槽もあるのですが、ビオトープ化した其処は生存競争が厳しすぎて、癒しの空間なんてものじゃありません。
まず、メダカと同体長ながら、ヨシノボリが強く、メダカの尾を食いちぎってしまいます。弱ったメダカにはエビが…。 さすがに残った少数のメダカは、攻撃をかわす術を知っていて、尾も再生してきます。例年だと、全滅するんじゃないか?と心配するころから急に稚魚が残り始めます。
水質等の環境は良いので、病気に罹ることはありませんが、ノンビリした世界ではありません。
小魚に癒しを求めるなら、ベランダか室内飼いのほうが無難だと思います。