お知らせ…博多へ

 明日、金曜日から、タックルハウスのプロモーショントレイルということで、福岡県の「フィッシングワールド博多駅前店」さんへ行ってきます。
 
 10月10日(金)は16:00~20:00。
 10月11日(土)は11:00~18:00。
 この間は、なるべく居るようにします。(^^)懐かしい顔にも会えそうなので私も楽しみです。
 近くにお住まいの方は、ご来店お待ちしています。
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 モニターさんへ…。
 K2F142の発売が近づいて来ました。今回は試験的に初めての試みとして、最終段階でネットによる一般モニター販売という形を執らせて戴きました。
 皆さんの熱いご意見や応援に触れ、たいへん励まされ、勉強になりました。
 これから皆さんのご意見を生かし、発売後も使用される方の参考になるような情報としてまとめ、このラボ内から発信していきたいと思います。
 また、発売前、もしもK2Fに想定外の不良箇所があれば、早めに焙り出して対処するつもりでしたが、今現在、水漏れ、作動不良等の報告はありません。(塗装関係で数件あり、改善を図っています。)
 でも安心するつもりはありません。不慮の事故でのリップ折れ等でも、気になった点があれば早めに遠慮無くご報告戴きますよう、お願いします。

プラパズル「ヘプタモンド」

 これ、やっぱり趣味なんだろーか?
大昔からあるテンヨー社製のプラパズル。決められた形のケースの中に、全ピースを埋めるだけの単純なパズルです。
 小学生の頃から家族で気が向くとやっていたのですが、今から思うと、私は毎年というより平均七年周期ぐらいのスパンで集中して取り組んでいたようです。
 
 ネットで調べると、今でも売られているから、とても息の長いパズルゲームです。
 その割にルービックキューブのようなブームになったことは聞いたことがありません。たぶん、キューブのように解法があって、それを知れば誰にでも出来るというものではなく(キューブはスピード競技になっている)見た目のインパクトも無いからでしょう。
 
 私が好んでやるのは、小学生の時は№24、今ではヘプタモンドと呼ばれている、プラパズルシリーズの中の最高難度のものです。
 ひとつのピースが正三角形7個の集合体で、全24種類のピースをケースに収めるだけなのですが、その入れ方、組み合わせは説明書に10万通り以上と書いてあります。これにはコツがありますが、キューブのようなマニュアルが無いので、普通にやると二度と同じ組み合わせは出来ません。
 
 中学生の時、ひとつのベースになる組み合わせを作り、その中で相似形、反転形などを駆使して、僅かに並べ替えてみるだけで数千通りになることに気付きました。これは10万通りどころか、もしかすると、とんでもない数の組み合わせパターンがあるのではないか?と薄々感じていたのです。
 
 そして年月が過ぎ、同じ疑問を持った人達がいたようです。(ネットは便利)2007年2月までに、ある大学の高性能コンピュータで、一千億通り!以上の組み合わせがあることが推定されたそうです。結局、正確な数はまだ解明されていません。
 たった24個のピースが織りなす無限に近い、星の数ほどの組み合わせ。その数はヘプタモンドが他の形式パズルを圧倒しているのです。ピースの要素が、変形を許さない最も強固な三角形であるのに不思議というしかありません。… 
 このパズルを初めて見れば、誰でも一種類ぐらい簡単に出来ると思うでしょう。 しかし、これが難しい。
 例えば生前のオヤジが完成させたのは十数種しか見たことがありません。元気なオフクロのほうは得意らしいのですが(趣味が読書とパズル!)1~2時間掛かっていました。
 私の家に泊まりに来た友人に試して貰っても(無理に勧めてはいません)完成させたのは一人だけ。20歳そこそこのママでした。理系の、頭の良さを自覚している人でもダメな人はダメなので、向き不向きがあるようです。
 私はというと、年季が違うので、早くて2分、平均15分ですが、調子の悪い時は2時間掛かっています。(難題想定ができ、それだと6時間掛けても出来ないことがある。)
 
 このパズルを平均七年スパンでやり込んでいると書きましたが、今回のきっかけは二台目のPS2が壊れて、ゲームが出来なくなったからでした。
 私は仕事上で難題が生じた時、あるゲームで頭の調子を自覚してから取り掛かるようにしているのです。
 大事なことは頭のスッキリしたときにやりたいので、困りました。そんな時、このパズルを思い出したのでした。気力が充実していないと解けないパズルのことを。
 
 記録用紙の日付を見ると、丁度、K2F142の構想を練っている時期になっています。
 朝に釣り、昼に海での出来事を反芻しながらのパズル。調子が良ければ、そのまま構想中のルアーのイメージ作り。悪ければ諦め、その日は別のことをするのです。 
 
 見た目の単純さからは想像も出来ない、一千億以上の組み合わせ。海岸のほぼ無形の砂粒に数では適わないかもしれないけれども、身近に宇宙すら感じることが出来る、安くてプラスチッキーな物体。 見方を変えれば、この小さなひとつのユニットが一千億の記憶を持っていることになる。1と0だけの組み合わせで、そのスピードと物量作戦で無理やり高熱を発生させて記憶させているような現代のコンピュータ。理論上可能な量子コンピュータとやらでもユニットの考え方に差があるわけでもない。どんなにスピードアップしても、人間の記憶に成り代わることはないでしょう。
 
 夢想するのは、曖昧さが無い上に(1と0と同じ意味で)24、一組のユニットで無限の分岐がある記憶装置。それが集まれば…(ヘプタモンドのケース形は回転させても同型で、かつ隙間無く隣り合わせ出来る。)たった数個で組み合わせ数は、一千億の☆乗…この世の最果てへ誘ってくれることでしょう。
 こちらのほうが、シナプスを張り巡らし、ときには切る、我々の脳内の記憶のイメージに近いような気がするのです。
 
 何だか大袈裟な話になってしまいました。たぶんその理由は、ものごころ付いた頃からは、いつもエメラルド色(写真のは新品に近い)のそれが傍らにあり、学生の時まで、一緒に暮らしていた家族との思い出が重なっているからだと思います。
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連絡事項…大阪のMさん、いつもアンケートありがとうございます。アンケートフォームからは直に返信できないので、出来れば mailmagazine@tacklehouse.co.jpのほうにメールアドレスを、送って戴きたいのです。よろしくお願いします。二宮

エルフィンからのヒント

 K2F142のボディ表面には、PSTと銘打った物理的な加工を施してあります。塗装の密着を少しでも良くしようとした工夫です。(カテゴリー~開発状況~塗装強化他。またはサイト内検索、「塗装強化他」で。)
 
 今回は、これに至った裏話を少々。
 タックルハウスにはエルフィンシリーズという、主に管理釣場用のルアー群があります。最近では海水仕様でメバル等に対応するモデルも追加しました。
 
 設計者はN君。十八年前入社して、現在三十八歳。一言でいえばユニーク。本人は嫌がりますが、まだ秋葉系という言葉すらない時代に、先駆けてその典型的なファッションで登場。実力を蓄えた後、エルフィンシリーズの設計担当になりました。
 やがて、フィッシュという4センチ余りの小さなミノーを作ります。
 
 普段から丁寧な仕事ぶりなので、コンピュータのCAD画面の前で、何日も固まっているのを誰も気にしなかったのだと思います。
 何故、時間が掛かっているのか…。
 普通、ルアーに鱗模様を付ける場合、複雑そうに見えますが、実は簡略化してナナメ線の彫り込みを入れてあるだけなのです。
 彼は、余程思いを込めたかったのでしょう。稀なる努力で極小の鱗を一枚一枚3Dで造形していたのです。気付いたときには後戻り出来ないところまで来ていました。やり遂げるしかない。… 
 その結果、僅か4センチのフィッシュのCAD上のデータ容量は、K-TEN175を凌ぐ程になっていました。
 そして、ここで本人も問題に気付きました。何と、あまりに細かいため塗装すると溝が埋まってしまい、ルーペで拡大して見ても造形の名残しか見えなくなっていたのです。普通の線だけのものと見掛け上、変わらなくなってしまいました。
 膨大な努力に対して、全くの無駄というには酷すぎます。当然、隠れた利点もありました。吹き付けた塗装が垂れ難く、密着率が上がって塗装が強かったのです。
 
 企業的なコストで考えると厳しいのですが、私はこれを気に入りました。それもスゴク。見えないけど、まさに入魂。
 
 K-TEN系ボディには鱗を付けないことがアイデンティティーのひとつですが、それ故に塗装に相当の気を使わないと、重く鋭いフックの傷から広がる剥がれが心配されます。
 これを少しでも改善したかった。塗装したら殆ど埋まり、鱗としては見えないが確実な強化が出来る。K2Fには打って付けの方法でした。
 K2Fの表面に採用したのは、さすがに3D鱗ではなく、単純化されたものです。10センチも長いので無理でした。そして、全く名残が見えなくなると、説明が難しいので、絶妙な深さの彫り込みをして、あえて僅かに見える、無機質な縦横線にしました。
 N君の努力は八年を経て、K2Fに生かされたということです。
 
 エルフィン、フィッシュ。私の家にはルアーを置かない部屋が一室あるのですが、これだけは飾ってあるのです。 
(下写真、若手?設計担当三人。左がN君。)
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K2F142モニターさんへ…アンケートの貴重なご意見、ありがとうございます。秋の深まりと共に釣果報告も増えてきました。
現在、ショアーからだけでも、スズキ、ヒラスズキ、マゴチ、尺メバル、磯マグロ、ヒラマサ、イナダ、ギンガメ等の写真をお預かりしてあります。
お渡しした一本だけで、しかも季節を考えると、予想を上回ります。
 今月下旬にはもう一本お送りできると思いますので、いましばらく不自由お掛けします。お気を付けて、モニタリング、よろしくお願いします。

Q&A…達成感について

 モニターのKさんから質問がありました。(下のヒラの写真もKさんからです。K2F142で。)
※この前のコラム「メダルに相当すること」に共感しました。人生の後輩として、質問させてください。二宮さんにとって、「ルアー作成での達成感(モノつくりにおける達成感)」と、「心に残る一匹での達成感(釣りにおける達成感)」に共通するものはありますか?それとも、両者はやはり異質な感情ですか?
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 ウーム、難しい。(^_^;)
 ある思いが適った時、という点では共通しています。これが結論ですが何だか国語の解答みたいですね。折角だからもう少し考えてみます。長い文章になりそうです。
 
 私はルアーをこれまで40種余り設計してきました。もちろんそれぞれに達成感はありました。そして、平等に魚のほうも思い出の上位40匹を頭の中で反芻してみると…。
 …気付きました。
 
 まず、ルアー作りにおける達成感が最も強かったのは、年月を掛けて漸く市販に漕ぎ着けたウッドのMKF135。そして、デカ過ぎと言われつつプラスチック化したBKF140の時。これは、何から何まで初めてだったからです。出来たときはホッとしたことも憶えています。
 それに比べ、リップレスミノーは発売当初、自信が揺らぐような批判的な意見が多く聞こえてしまい、本当の達成感を味わうことが出来たのは、数年後、評価が定まり他社からどんどん同タイプが出てきて、大き目のオリジナルが売れなくなってからです。(^^;)
 このように作った時点で、評価を聞くまでもなく、ヤッタと思えるものもあれば、ジワッと後になって来るものもあり、様々なのです。その点は魚におけるそれとは異質です。
 よく作者として、どのK-TENが好きなのか聞かれますが、それは自らの子供に順位を付けるようなもので答えようがありません。強いて達成感で順位を付けるとすれば、完成までの困難さによると思います。これは魚の場合と共通しています。
 
 次に釣りにおける達成感を中心に思い起こすと、まず初めてルアーで釣ったスズキ、かと思ったら、そうでもない。これは別の感情が勝ってました。
 やはり重心移動ルアーの実用化に成功して、それを入れたルアーで初めて掛けた60に満たないヒラフッコの時が一番でした。続くのは、いつも89センチ止まりだった三匹のヒラ。サイズは劣るけどトンデモナイ、一匹のヒラ。トッププラグで狙い続けて数年後のヒラマサ。二回の退院後に釣ったワラサとマル。等々。若いとき海外遠征にもよく行っていたから、其方のほうからもと思うけれど、短期間のせいか達成感というより満足感とか敗北感とかが先にあり、この場合の順位には入らないようです。
 もちろん自分で記録物が釣れればそれなりの気持ちになることは予想できますが、今だと、例えばK2Fで私がランカーを揚げるよりも、友人や何処か遠くの誰かが釣ってくれて、その報告を聞くほうが私自身の達成感は上のような気がしています。
 そこが長くルアー作りをしてきたものの後天的に身に付いたサガなのかもしれません。
 
 私は達成感(昂揚感)を求めて、若いときは、山でも尾根筋から登るより、岩ルート、雪ルート、未知のルートを好みました。釣りでも同じようなところがありました。
 目標を高く掲げ、困難を極める程に大きな達成感を得られると信じていました。事実、体力に恵まれていた頃まではその通りでした。             しかしこの頃、加速していく時間の中で、体力も衰え、後、何本のルアーを作り、何本のイイ魚を釣ることが出来るのか考えると、もっと静かな達成感というものがあるような気がしてきました。(この辺りは歳故のこと、気にしないで)
 
 そして、冒頭の質問、共通か異質かを端的に答えると、歳を取るごとに段々異質ではなくなってきた、ということになります。… 
 ここからは、質問から少し離れて、達成感について想うところを書いておきます。
 考えてみると、年齢や経験に応じて、その時々での自らの想いが何なのか、何を願い、夢見ているのか、確認しながら進むことは大切です。
 魚のサイズであれ、ルアーであれ、もしかすると他の幾多のことについても、それは同じだと思います。
 そして、其処までやってみて、それでも状況によっては諦めざるを得ない時が来るかもしれない。でも心配しなくて大丈夫。きっとある種の貴重な感情が残るはずですから。
 また、前記の心構えをしておかないと、達成感と表裏の関係にある燃え尽き症候群が待っています。前者が大きい程これもまた強烈です。
 目標達成後の意欲の減退は、運動選手、大物を釣り上げた方、仕事と、そこかしこに見ることが出来ます。
 目標にしていたサイズのヒラを釣った後、未だに釣りを再開しない人もいます。
また、それ故にバラシや敗北は憂えるばかりではないことが解ります。
 私でも、釣りでの意欲の喪失は、ルアー作りと共倒れになる恐れがあります。(喪失していてもルアーを乱発できるところもある。モチベーションは様々。(^o^))
 
 だから私は、釣りバカの部分を維持して、ある方法をもって、ある種のヒラに逢うことを願い続けてきました。
 大事にしたい部分なので、あえてフザケタ表現をさせて貰いますが、それは明るい時間帯にムロフシコウジ(砲丸投げ)さんみたいなヒラスズキに出逢うことです。こうゆう、おそらく耳石と尾鰭の発達したヒラには昼間の荒れた海でしか逢ったことがない。それにこのタイプに超大型は稀です。このブログ内でもこの辺りのことは散りばめて書いてあります。
 
 K2F142は市販され大勢の人に使われるので、様々なことを想定し、出来るだけの配慮を尽くしてありますが、なお個人的に大切にしたい部分もあるのです。未だに会えない相手に会うための、陰りのない方法論を込めてあるのです。

祝!初定年退職

 先日、タックルハウス初の定年退職となりましたITさんの功績を讃えるために宴が催されました。
 普段入るような中華店より、料理も酒も旨いオシャレな個室でした。
 
 女性のITさんは(花を持っている。中央は社長)タックルハウス、最古参にして明るいお母さん。私にとっては唯一の先輩です。
 社長曰く、テンゴクとジゴクを一緒に見てきた同志ということです。
 
 八十二年、名作トラウト用ツインクルから始まった会社は、翌年、国産第一号のスズキ用ミノー、ツインクルサーファーをリリースしていました。
 その頃、趣味でルアーを作っていた私は、それを見たことによって、海に理解がある唯一のハンドメイドルアーメーカーと知りました。同時にK-TENを市販化出来るのはここだけだろうと思いました。
 
 ITさんは二十六年間、これらの経緯から今に至るまで全て現場製作の立場で関わってきたのです。
 
 夜の盛り場を二次会場を捜しながら彼女と歩いていると、現社員達の入社時の話になりました。初々しい二十代だった者は、今は四十代。とても一言では表せません。(^o^)
 ITさん、ご苦労様でした。     多くの人達が関わり、現タックルハウスがある。そしてこれからも…。
 
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 追記―ITさんはめでたく定年退職されましたが…結局、本人もまだ続けたいそうで、我々も居て貰いたいわけで、双方合意!すぐにも現場復帰されるそうです。(祝!)
 またしばらく一緒に良いルアーを作りましょう。 

募集…あなたの思い出の一匹‐10

 井出さんより、将来必ず良き思い出になる一匹を、送って戴きました。
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 今日は思い出に残る1枚ということで、思い出には程遠い最近の1枚なのですが僕には大変価値のある魚と出会えましたので送らせていただきます。
 まだ二宮さんの記憶にも新しい今年の8月17日アカメ釣り大会での出来事・・・。始めてヒットしたミノウオクラスのアカメを全く成す術もなくバラシてしまいました。僕の手元に残った物はフックを前後とも伸ばされワイヤーまで引き出されたBKF140と激しいドラグ音の残響でした。以来、気が付けば頭の中でドラグが鳴っている状態で、何もできなかった悔しさと未知なる大物に出会えた喜びに突き動かされてロッドを振る日々が続いていました。ただ、あの時の魚にもう一度会いたい!という一心で・・・。
 
 それから3週間後の9月7日午後10時半。ポイントを1箇所に絞って通いつめたおかげで自分なりの攻め方ができあがってきた頃でした。再びドラグを勢いよく鳴らす相手に出会えたのです。ヒットと同時にラインが引き出されました。止めることは出来ません。止まってくれと祈りながらも前回の魚よりは小さい相手と分かり、立ち位置やロッドワークで応戦できました。途中の激しい抵抗も今までの経験が勇気付けてくれます。これを獲らなくては始まらない!フックが1つ外れヒヤッとする場面もありましたが、約10分のファイトの末、足元まで寄ってきた魚は92センチ、8.5キロ。アカメとしては中型だと思いますが僕にとっては狙って仕留めた貴重な魚です。思い出というよりは始まりの1枚ですね!ルアーはBKF115。案の定フロントのフックは完全に伸びていました。
                                  井出               
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 大会中に聞いたオオバラシの話から、三週間。ドラマが待っていましたね。バラシの経験も生かされているから、あのフックを伸ばしたアカメも井出さんの中で生きているということですね。
 この魚の思い出は、三週間という時間とセットで記憶されて、数十年たっても色褪せないと思います。 二宮

モニターアンケートフォーム復旧のお知らせ

 K2F142モニターさんへ、お待たせしました。
 9月24日、11時。アンケートフォームのトラブルが解決しました。ただ今より送信できます。
 ご不便のあったこと、お詫びします。
 なお当方の不手際による通信エラーで、ご迷惑を掛けたモニターさんがおられるか確認するために順次メールを発信させて戴いているところです。
 
 御面倒をお掛けしますが、よろしくお願いします。

募集…あなたの思い出の一匹‐9

 高知の岡田勝さんから思い出の一匹、送っていただきました。
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 私の思い出の写真、宝物になったルアーの写真を送ります。 
 K-TEN BLUEOCEAN S90をセットし、自分が思ったコースをリトリーブ、四回目に強烈な引きが。それからは引っ張り合いの始まりです。障害物をさけ、自分も動きながら何とか取り込めました。ボガグリップではさむ瞬間、手が震えました。
 昼間だったので、取れたと思います。その後は桂浜水族館の方が、取りに来てくれました。今も元気に泳いでいます。 
 いつまでも、アカメなど沢山の生き物が生息できる、浦戸湾を大切にし守って行きたいです。
 釣れた日 今年 五月 四日 午後四時
 115センチ 24キロ
   岡田 勝。
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 大会の時、裏方に徹していた岡田さんのこと、忘れません。こんなアカメを釣り上げた後の余裕と、同じ思いを仲間にも、というお気持ちだったんですね。
 手が震えた…。よ~く解ります。
 それにしても、この立派なアカメが今も水族館に生きていることが素晴らしいです。
 投稿、ありがとうございました。
                      二宮

K2Fモニター、アンケートフォームの不具合

 モニターさんへ…お世話様です。
 
 本日判明したのですが、ネットからのアンケートフォームに不具合があります。
 送信しても、当方で受信できない場合があるようです。確認がとれるまでしばらくネットからの送信を控えて戴きたいのです。すみません。
 ご迷惑お掛けしますが、システム管理者がサイトにアクセス出来ないところにいますので、しばらくお待ち戴くよう、お願いします。
 
 FAX、メールは通常どおり受け付けています。よろしくお願いします。

テンションコンセプト

 K2Fのテスターさん達には、一通り説明してからルアーをお渡しした方と、ほとんど説明をせずにルアーを使って貰っている方がいます。まず、双方の率直な感想を聞きたかったからです。
 
 元来私は、雑誌等で、このルアーはこう使え、というような言い方は努めて避けてきました。聞かれれば自分はこう使うといった程度です。なるべく先入観を植え付けたくなかったことと、基本的にはルアーの使い方は自由という考えでした。付き合いのあるテスター、モニターさんはベテランなので、任せっきりが許されたということもあります。
 後で、使い方を聞くと、ユニークな使用法があったりして楽しみでもあります。
 
 しかし、K2Fのような見掛けはともかく中身を一新したルアーの性質についての説明は、余計なお世話と知りつつ、話しておくべきとも考えます。
 漸くスズキ(青物)の季節が巡ってきた昨今、K2F142のアクション面での主コンセプトを明らかにしておきます。
 
 既にテストでK2Fを投げた方は、リトリーブ抵抗が外観のイメージからすると異様に軽いことを感じられていることでしょう。集まりつつあるアンケートにもBKF115並みの抵抗感、リップ付きなのにリップレスを引いているみたい、慣れれば快適、とかの声があります。
 つまり、K2Fは意識してルアーのテンション(リトリーブ抵抗)を低く設定してあります。
 
 力学の法則から、ロッド即ち手元に感じる力と、ルアー自体に掛かる力は比例します。引いたとき重く感じるルアーは当然ラインが張ります。(図)反対に抵抗が軽いルアーはラインが緩んでいることになります。
 抵抗感が重いか軽いかは、ルアーの大小、太細、泳ぎの大小、表面デザイン、リップの角度、面積等(ひとつだけヒミツ)で決まってきます。だから、経験者はルアーを見ただけで大体は予想出来るはずです。
 K2Fはそのあたりを突き詰めた結果、ルアーが大きくリップ付きのメリットを持ちながら、辺りの水に与える影響は(側線刺激等に関わる)一回り小さいルアーと同じになったのです。
 大きくて小さい。これが何を求めてなのか、あるいは何が変わるのか?
 
 メリットとしては、例えば硬いロッドティップでもラインは緩んでいるのでPEでもナイロンでも食い込みが良い。性質として遠方での挙動が安定する。(意志に反して急潜行なんてことがない。)また、魚の死角からルアーが近づいても驚かせることが少ない。
 複雑な流れの中ではルアートレース(コース取り)が高抵抗タイプとは泳層を含めた三次元で変わる。今まで微妙に通っていなかったところを通る。
 デッドスローや、漂わせて探るときの挙動が変わる。
 着水させた瞬間に空中に残っているラインと風を利用して、コース取りを工夫出来る。(普段はサイドライナーキャストでその影響を最小限に留めるべき)
 長時間引いても疲れず、ラインの消耗が少ない。根掛かり回避性に優れる。などがあります。
 すべて、より積極的に、果敢に攻めることを可能にするための性質です。…
 そしてもちろん、ここは広告ではなくラボなので、デメリットも挙げておきましょう。
 まず、ラインが緩んでいるので魚のアタリが掴み難い。向こうアワセが多い。
 PEだと、その扱いに慣れているか、PE向きのリールを使わないと、巻きのテンションも緩いので次回投げる時、ナイロンよりトラブる心配がある。
 ルアーのブルブル感が薄く、夜のルアーの在処が掴みづらい。
 荒れたサーフでの寄せ波の扱いに慣れが必要。
 フローティングルアーだと、泳層の幅に限度がある。などがあります。(これらのデメリットは09年9月発売のT:2によってかなり解消されます。)
 
 実はこれらのデメリットは、二十年前、高抵抗タイプのBKFと交互に発表した低抵抗タイプのリップレスが、釣りのシーンに定着するまで五年も要した理由でもあります。 しかし、この十年で低抵抗タイプのリップレスやペンシル系のルアーはすっかりジャンルとして定位置をキープして、その使用感に慣れた方が多くなりました。それに最近はリップ付きミノーとリップレスの中間デザインもあります。だから特殊な使用感を持つK2Fが今なら受け入れて貰えると判断しました。それに、慣れれば解決出来るデメリットです。
 望んだのは、リップ付きのメリット(調整の自由度、海面への食い込み等)を守り、中途半端なことをせずにリップレスのメリットを融合することでした。(ボディ断面はK-TENリップレス伝統ともいえるオニギリ形状、浮力の集中帯をウエイト位置と重ねて、外力に対して敏感になっている。)
 
 これが出来れば、(デキタ(^o^))次の構想が可能になるのです。
 それは、ルアーの分類を別の視点から組み直すこと。現在、プラグルアーはサイズ別、泳層別、を主に対象魚別(強度含む)などで分類されています。
 これをテンション別で配置し直すとどうなるのか? 従来の逆ピラミッド型の配置が、実戦に則した有機的な形に変化します。
 例えばK2F142とBKF115は同じT1。TKLM90、M128ならT0.5。BKF175ならT3とかの記号を用いて表示すると、一見サイズが無視されて入り乱れるように感じますが、ルアーの性質の把握を助けてくれます。必要ならジグにでも重量込みで45グラム、T2とかいけそうです。
 何十年もテンションを意識してルアーを投げ続けてきた私ですが、実釣においてのルアーコントロール、釣れ方、アワセ方、使う者との相性、ロッド選択の目安等に関わることであり、機会あればシリーズに応用したい概念でした。
 
 この先順調にK2Fを展開出来れば、より正確なテンション計測をして、一目でルアーの使用感までもイメージ出来るようにします。
 計画では現在のK2F142にも別のタイプのリップが付けられるように設計に織り込み済みです。でも、それはまだ先の予定です。幾分尖った性質を持つ現行のT1タイプを充分味わって戴いた後、再度テスターさん、モニターさんと意見交換してから作りたいのです。
 それが、はたしてT1・5になるのか、T2になるのか、それともT3なのか、私も楽しみにしています。
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今回の内容の参考になるはずなので、バキュームキッス…自選エッセイ集より【26】を読んでみて下さい。
 それと、モニターさんへ…天候不順の地域もある様子、まだ締め切りまで余裕があるので無理をしないで気楽にお願いします。
既に回答戴いたアンケートには貴重なご意見が多く、大いに参考になります。ありがとうございます。