TKLM140G 発売予定

コロナ禍で開発途中のスケジュールに狂いが生じたものの、TKLM140Gは今月中旬から出荷開始の予定です。

映像のほうも間に合いましたのでご覧ください。

年頭の挨拶で今年は設計難易度MAXのルアーを作ると宣言しました。同じもののサイズアップ版は作りたくないこともあり、以前から温めていた構想の実現にチャレンジしたわけです。

 

TKLM140Gではセオリーであった逆オニギリ断面を捨て、水に食い込もうとするリップに相当する部分をあえて最小面積としました。この部分の面積を増やし、リップ状に張り出すほど普通のミノーに近づいていきます。

さらにこれもセオリー破りで、オモリや重心を可能な限り上部に置き、一方ラインアイは下方の引っ張り上げる位置にしてあるので、そのままだと投入後の泳ぎ出しですら危うい不安定な代物です。これを何とかして解決し、望むアクションを得るためにGシステムという新機構を導入したわけです。

テストではシステムを完全カット(写真参考、接着固定等)したものを用意して比較したりしてシステムを改善していきました。

イメージでは表層ペンシルとミノーとの中間に属するタイプで、その点TKRに近いのですが、深度変化の少ないTKRと比べてアイで引っ張り上げる分、水面に近づこうとするので、‘泳がせながら’、小魚のモジリを演出できます。わざわざ止めて浮かせるとかしないでも、波高等で変わりますが、スピード変化だけで良いのです。

また、泳ぎのアッピール能力が極めて高いという強みもありますが、反面、強弱を意識して使わないとやり過ぎとなって、せっかくのスッキリした小魚シルエットを生かせません。

 

同じ140mmクラスで使用難易度から言えば、K2F142T2が優しく、次にTKW140、K2F142T1と続き、今度のTKLM140Gの難易度は高めとなりますが、その一撃性や爆発力は上回るものがあると思います。

発売まであと少し、よろしくお願いします。

追記、製品案内には先行してGシステムの詳しい説明ページへのリンクがあります。

Gシステム詳細はこちら

 

「TKLM140G 発売予定」への10件のフィードバック

  1. 一つ質問があります。
    着水直後の巻き始めでガウス加速器が発動して、そのエネルギーがルアーの泳ぎ出しを補助するのは理解出来ます。
    ただルアーというのは常にリトリーブし続けるとは限らないので、途中で止める場面もあると思います。
    TKLMの強みの一つであるトゥイッチなんかは、アクション直後は必ずルアーが静止しますよね。
    他にも任意にストップを入れたりする場面もあると思います。
    そこからリトリーブに移る場合の泳ぎ出しの補助にガウス加速器は機能しないと思います。
    ガウス加速器はあくまで後方のウエイトが外れていたのが戻ってくる力を利用しているので、トゥイッチやただのストップで後方のウエイトが外れるとは思えませんし、ガウス加速器は発動しませんよね。
    着水時に後方ウエイトが外れていた状態からの泳ぎ出しではガウス加速器によるきっかけのエネルギーが必要で、後方ウエイトが定位置に固定された状態からの泳ぎ出しではきっかけのエネルギーはいらないということなんでしょうか。
    その辺りについて説明して頂けると幸いです。

    • Rさん、お答えします。ガウス加速器が動きの補助をできるのは、着水か引き始めだけで、その後は余韻を残しつつもルアー本体そのものが持つ性質による動きに移行していきます。
       リトリーブ中のトゥイッチでは作動しません。(作る気になればできます。)

       静水で完全に止めた後、引けば頭部を下げるだけになるのでTKLM系をよく動かすには度々引きながら、と書いてきました。こうすれば水受け面がどちらかに傾いているので動きやすいからです。(ほとんどのルアーで同じです。)

       着水直後と停止状態からではキッカケに要するものが違ってきます。着水直後はルアーの向きでさえ予測不可能なカオスな状態からですが、リトリーブストップからは、必ず重力でラインアイの下の水受け部も腹側も真下に向き比較的安定姿勢です。
       このときわずかでも揺れていれば次に動かす(引く)エネルギーが小さくて済みます。
      (自動車を静止から押しても動きませんが、少しでも動き始めていれば手で押せる。)

       そのため、K-TEN系の多数はメインウエイトを横ブレさせたり、Rユニットを設けてあります。オモリを固定するより1ミリでも本体とは別に動ければ静止からの動きにも有利です。

       さらに揺れは低重心(オモリが下)であるほど安定して早く収まります。(たいていのルアーがそうしている)TKLM140Gは重心をギリギリまで上げて(オモリが上)あり、揺れが収まりづらく、重力を上回る力が働かない限り長く続き、キッカケを掴みやすくしてあります。

       ということで、どんな場合でもキッカケは必要なので止めた後のことにも対応していますが、TKLM140Gのような極端な設定をしたものは、着水後、仮にシステムを固定すると何とも鈍いか余計な事をするルアーになることがあって、Gシステムに助けて貰っているのです。だからこそ、極端な設定に挑戦できたともいえます。

       ちなみにイメージでは磁石に球が引き付けられているように見えますが、物理では全く同じ力で磁石を固定したルアーシェルも、球に、引っ張られて一瞬逆進しようとしています。これは動きのキッカケにも抑止にも成り得ることです。(パワーは重力以上)Gシステムはこのときの一部の力を可視化し、力の分配調整もしています。

      • 二宮さん

        ご回答ありがとうございます。
        ウエイトが定位置にある状態での静止状態からの泳ぎ出しのきっかけは、高重心化の恩恵によりトゥイッチ後に減衰しきらない本体の揺れを主としており、それの補助でウエイトの横ブレなどを利用しているのですね。
        ガウス加速器により射出されたウエイトが投入時からピックアップまでずっとパワートランスファールームに留まってRユニットとして機能するかはランダムと書かれてあったので、今作においてはTKRのように高速になるにつれてRユニットがアクションの過剰化を抑えるという効果はあまり期待しないほうが良いのでしょうか。
        最後にもう一つ聞きたいのですが、私の場合重心移動システムの入ったルアーは着水後必ず2回ほどトゥイッチしてウエイトを元に戻してからリトリーブに移るという癖があるのですが、その場合は今作のガウス加速器はどのように機能しますでしょうか。
        質問が多くて申し訳ないですが、お答え頂けると幸いです。

        • Rさん、ご理解ありがとうございます。
          Rユニットは設置位置、作動角度、部品重量等でご指摘のような抑制に加えて促進させることもできます。抑制のほうはTKR130リップ付きで大きなリップで泳ごうとする力を帳消しにできることを確認して自由自在を得ました。(簡単ではないですが)

          しかし、今作では短い距離、重いシェルでもアッピール度最大を目指したので、Rユニット風の効果は小さいです。(どちらかといえば促進のほう)部品重量に比べシェルそのものが重めということもあります。

          また、Rさんのクセは長年の経験から確実に重心移動させるために身についたことと推察します。たしかにルアーも様々で戻りやすいもの、戻りにくいものがありますね。
          今作のシステム作動は投入ごとに2個のメインウエイト(材質は異なる)が尾方向に移動できる強さで振ったときのみの1回作動となります。戻りは良いので2回トゥイッチしても問題ないと思います。
          そして、軽く振ったとき(チョイ投げ)メインウエイトが1個だけ尾部にいっただけでは作動しないのですが、この場合は着水後の姿勢復帰が速く、リトリーブストップからの泳ぎ出しに近くなるのでご安心ください。

          やはり問題は遠くに投げて入水時のショックが最大になるときで、水中でルアーが止まるまで主に水圧と慣性力で固まる時間が(こちらからのコントロールが効かないという意味で)あります。
          ルアーの形とか重さで真っすぐだったり、曲線を描いたりして入水しますが、実験すると挙動も深度も様々、まさにカオスでした。姿勢の復帰にもタイムラグがあるのです。(お風呂で実験すると底に当たるので注意です)

          そこで、システムにあらゆる姿勢角度と深度に対応できるよう作動後に分岐を設けたわけです。例えば最悪を想定すると、入水後、深い所でルアーの向きが真上、しかも背中が手前という状況で引き始めたとき、ルアーの軌道はリーダーに沿いつつ、作動します。引き方によっては上向きでも射出、分岐を経てキッカケ(弾み)を得ます。

  2. 待っていました!
    いよいよ発売ですね。
    待ち遠し過ぎました(笑)
    今年の秋~冬は相棒になれるように投げ倒しますよ。
    良い魚に出会えるように願いを込めながら。
    すてきなルアーをありがとうございます。

    • しんさん、お名前から察すると以前TKLMのサイズアップについてご質問いただいた方ですね? 
      あのときはまだトライ中だったので即答できませんでしたが、お待たせしました、ようやくできました。ルアーの活躍を願っています。

  3. 待っていました!
    発売を凄く楽しみにしています!
    120みたいに大人しくなっていなくて自分としては嬉しいです。
    これで、アピールが足りなくて食わせられなかったあのボイルを〜なんて妄想したり
    アピール極大から極小まで使いこなせる様に今からイメージトレーニングしたりしてます。

    • I さん、お待たせしました。
      TKLM兄弟は、形は似ていますがどれも個性的です。120とは一気に重量2倍。大きくなるなら、それにふさわしく遠慮するのをやめました。w
      いい魚に巡り合えるように躾けてやってください。

  4. 待っていました!
    スイム動画もしっかりあって想像が膨らみました。今回はリップ断面形状も変えているのですね(なんとなくですがLMよりLカットBKFライクなイメージです)
    発売楽しみにしております。

    • ndlsさん、さっそくのコメントをありがとうございます。
      ルアー断面はアクションへの影響が大きいので悩みました。LMが▲だとすると、BKFが▼で、今作は●に近いです。▼で同じようなことをやると、高速が持ちませんでした。
      スイム動画は社員の手作りながら、今後も力を入れていこうと話し合っているところです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です