質問…房総でショアーから青物を

房総のUさんからの質問です。
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房総のショアーからヒラマサを狙い続けて三年目になるのですが、平鱸タックルの延長ではなく、専用タックルで狙い続けて一年に一本しか獲れてません。
…略…心が折れ始めています。
房総ではコンスタントに獲るのは難しいのでしょうか?…略…

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三年に渡り努力されてきたUさんに、ガンバレば釣れますヨ、なんて一言では済まされないので、以下私の考えを述べてみます。

房総でショアーからヒラマサを、とのことですが、非常に難しいというのが実感です。Uさんが今、感じられていることは私や仲間も味わった事があります。
しかし、省みてこういう方法ならば、という提案もあります。

その前に、現状ですが、雑誌やネット情報を見ると、ショアー青物は近年盛んになったような雰囲気がありますが、実際は地方でも房総でもかなり大昔から行われてきたジャンルです。
ただし、ご存じのように、それは鱸釣りや餌釣りをしているとき、たまたまイワシの追い込みやナブラが射程範囲に来た場合が主で、プラグで届かなければ日頃からケースに忍ばせていたジグ等をブン投げて、というスタイルです。
このスタイルが房総に定着しているのは、特有の事情もあります。
大きくは、房総が全体的に浅い、ということ、それと、釣り場が道から近く、しかも釣り人が過密しているということがあります。
浅いということは、元々ヒラマサや大型青物の日常の経路から外れていることを意味するので、彼等が岸に接岸するには沖の潮が差した状態で、なお小魚がいることが条件になります。
また房総でもヒラマサの実績場所は、概ね地形的に沖に張り出しているところで比較的水深もあります。
しかし、Uさんが出来れば有名場所を避けたいという気持ちも判ります。一級ポイントは他の釣法(生き餌、コマセ)と競合することが多く、ルアーを自由には振れないでしょう。
まして青物が回ってきたという情報が流れれば、立ち位置の確保するだけでも大変になります。

そんなこんなで私も仲間も、いつのまにか青物を狙うのは、たまたま目前にその可能性を見付けられたとき、になっていきました。
この方法だと、ヒラマサはともかく、ポピュラーな、イナダ、ワラサ、ショゴ(小型カンパチ)のチャンスはけっこうあります。

それに確実な情報では、ミノーで10キロオーバーのブリが、ヒラスズキ場所で獲れています。
ブリはたまにですが、浅い濁りのあるところにも入って来ることがあり、驚かされます。
先のブリは相当苦戦したようだし、磯で青物にラインを切られた経験のある方は、もっと強力な専用タックルであれば、簡単に獲れたのではないかと思いがちです。
ですが此処にも房総特有の問題があります。10キロオーバーを釣った状況を知ると、そこは根だらけの浅い磯で、もしもドラグを上げてケンカファイトをしていたら、果たして獲れていたかどうか判らないのです。スズキタックルのやんわりしたやり取りが功を奏した例だと思いました。

Uさんにとっては何か夢の無い話が続いてしまったかもしれません。しかし、こんなことに負けて欲しくないことと、ぜひ専用タックルでという漢なスタイルは好きなので、可能性も書いておきます。

現在では、沖で釣れているヒラマサ(青物)の情報は容易く入手出来ますから、まずそれを目安にします。
注意したいのは岸からの場合、沖で爆釣しているからといって良い日だとは限りません。重要なのは、彼等が回遊しているという事実と、その季節、期間です。
沖で魚が大量に網に入るような日は、返ってショアーでは不利なことが多いものです。
岸からでは魚は小さな群れで散ってくれているほうがチャンスが増えます。

そして、回遊している期間内に、思い切って渡船で、得た情報に近接している実績のある沖磯に渡ることです。初めから地磯に拘ると、ヘビータックルに疲れて、朝、夕の一時だけとか早々と諦めてしまうことが多くなりがちです。
沖磯に渡ってしまえば、簡単に帰ることも叶わず、辛いこともありますが(パイオニアとはそういうもの)投げ続けるしかなく、その内に最も大切な「時合い」に出会うかもしれないのです。
一日中釣れ盛る大型魚はいないので、(特に青物は)体力でペースを定めて、休み休みでも良いので、とにかく諦めないことです。二人で行くなら交互がお勧めです。
ルアーは様々なジャンルのルアーをマメに替えて、その日の相性を探ってみて下さい。(飽き対策にもなる)
良いニュースをお待ちしています。

 

追記・・・上を書いてから早10年、この頃では全体的な海水温の上昇のせいなのか、青物の生息域に変化があり以前より釣れたり見かけるようになりました。それにつれて青物狙いの釣り人が増え実用タックルも充実してきました。ただ急激な変化はプラスばかりではないのでこの先も注視していきたいと思います。

Posted by nino