超巨大な一尾

K2F,アカメ

高知西南部在住の中島さんから「思い出の一匹」に投稿いただきました。

口元のルアーが稚魚のように見える! 以下原文のまま掲載させていただきます。

 

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9月の3連休の中日、9月15日にK2F 142にて、アカメの1m48㎝、推定40㎏超え
の超巨大な1尾を釣り上げました。
アカメを狙って25年目で、もうこれ以上のサイズは、この先無いと思います。

アカメとの出会いは確か小学5年のとき、近所の小さな川の河口の消波ブロック
帯に着いていた魚が、アカメだと釣り好きの友達から教えてもらった。
ブロックの際に潜むその陰に、光が差し込むと赤く反射する目が、ゾクッとする
ほど格好良かった。
投げ釣りでキスや浮き釣りで小物を釣っていた当時、50㎝弱の魚はとても大きく、
ど田舎の小学年の情報や知識、技量ではどうする事も出来なかった。
そのうち噂を聞きつけた大人がきて、2匹とも釣っていかれてしまった。
最初の出会いはもう40年前のことになる、ほろ苦い思い出だ。

そして運命の日、9月15日。
期待していた3連休は週中から続く雨に状況は悪く、連休初日の昼間に下見まで
したのだが、夜は雨の気配もあり断念。
翌日9/15の晴れの予報を信じることに。
今思えば全てが偶然では無く、必然と動いていたのかもしれない。
9/15、天気は晴れ、水温が上がることを期待して、前日に下見して気になった
ポイントに早めに入り、一人でゆっくりと準備してスタート。

ベイトになるボラはそんなに多いわけでもなく、何時もと変わらない雰囲気に、
「今日もダメなのかな。」と思いが過る。
開始から2時間、満潮からの下げ潮も利きだして、夜空には丸に近い月が川面を
照らす。
前日から気になっていたポイントに、クリアカラーのルアーを通すも・・・
アカメ狙いのルアーは強度のことなどを踏まえて、ほとんどがK-TEN系。
そこまで拘らなくてもと釣友達は言うが、何かあった時に後悔するのは自分なの
だ。
目先を変えて目立つカラー選択、K2F142デイライトムーンをリングに通した
数投目、ロッドに衝撃が走る。

一人だけでの攻防の幕が上がる、ヒットの時刻は9時。
ステラのドラグ音と水面を割ってのエラ洗いが、静かな川面に響き渡り、今までに
体験したことのない圧倒されるほどの引きに、緊張し身体全部が脈を打っているか
のような感覚にまで襲われる。
走られては巻き取る事を何回繰り返しただろう、最初の30分くらいは余裕は
なかった。

30分を過ぎたあたりだろうか、だんだんと走りの勢いと距離が小さくなってくる
と、私は意外なくらい冷静さを取り戻していた、それでも簡単に寄ってくる気配
はない。
焦らずゆっくりと、アカメの動きに合わせてやり取りすること更に30分。
ついに!
最後は後退りしながら浅瀬に寄せた魚体が横になったところを、グリップで下顎
を掴みズリ上げる。
デカい!横たわった魚体は想像を遙かに超えていた。

120㎝のスケールを当てると尾びれの大分手前で足りない?上げるまでは冷静だっ
たはずなのに、スケールを持つ手が震えている。
継ぎ足して測った全長は1m48㎝。
重量も40kgは超えているだろう、いや50kg近いのかも知れない。

こんなアカメを上げて良かったんだろうかと、恐怖すら感じるサイズだった!
顔の周りにはフック傷があちこちについていて、フッキングポイントが何か所か
動いたのが見てとれた。
それにしても、良く耐えてくれた「K2F142」、フックはがまのRB・MH#1に
換装していたが、意外にも伸びていたのは1本だけだった。
広がりかけて、今にも外れそうなフックをアカメの顔から外してやる。

それにしても何年生きた魚体なのだろう、大きくなると赤い目は薄くなり黄色っ
ぽくなり、体つきも成魚の風格が出てくる。
メーターまでを10年としてもそれからの成長度合いを考えると30年?いや40年?
想像の域を出ないが、小学5年で見たアカメが今生きていたらこのサイズになって
いるのかもしれない。
因縁めいた話になってしまったが、あの時に釣れなかった悔しさがアカメ釣り
に走らせたのは、間違いない事実。

小学5年の時に見たアカメが、時を超えて姿をみせてくれたような気がした。
時間がかかったが無事に蘇生も出来て、月明かりの中、深みにゆっくりと消えて
いった、「ありがとう。」

今回はK2F142の強靭さに助けらた記念の1尾になりました。
オーバースペックと言われながらも、世に出してくれた二宮さんのお陰です。
そして、あの言葉「思い出と共に」が現実のものになった1本です。
まだアカメや青物釣りに耐えれそうな外観を保っていますが、ここは1m48cmの
アカメに敬意を表して、つけていたフックもそのままで「思い出と共に」
メモリアルルアーとして保管することにしました。
ありがとうございました。

【ヒットルアー】:K2F 142・BR1デイライトムーン
高知西南部在住・中島 信博

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中島さん、投稿ありがとうございました。

この先はもう無い、と思えるほどの魚に出会えるのは幸せですね。これまでの経緯をお聞きすると非常に感慨深いです。

 

Posted by nino