echo

echo。これエコーと読みます。流行のエコではありません。フィルター付きとしては最も安価なタバコの名です。

発売されたのは1968年8月。42年も前。私がタバコに初めて触れたときには既に店の傍らにあったということですから、超ロングセラーです。

当時から残っているものといえば、そう多くはありません。調べてみると、日本初のスナック菓子「カール」発売。未だに歳をとらずに活躍している「ゴルゴ13」の連載開始。ブームの元になった司馬遼太郎「龍馬がゆく」もこの年でした。

マイルドになったタバコからすると、ちょっとキツイ味のエコー。申し分のない量のタール、ニコチン入り。
何故こんなお話をするのかというと、今月、喫煙者にとっての大問題、タバコ大幅値上げがあったからです。私はストックしてあるタバコが尽きたら、エコーにしようと思っています。
値上げ後でも240円。現在吸っているものより安価です。

値段のことだけでこれにしようというわけではないのです。どうもそのヤリクチというか経緯が気に入らない。
増税すれば巨額な税収アップになる、としながら一方で喫煙者が減ることを見越して、ちゃっかり税金以外に利益を水増ししています。
これ、自分たちも発表したほどには税収アップしないと判っているということです。タバコ産業が完全に衰退する前に、誰かが旨い汁を吸い尽くそうとしているみたいです。これではタバコ農家やタバコ会社の若い人達も気の毒です。

また、値上げの度に事前に高めの金額が噂としてリークされるのですが、今回は700円になるとか、1000円になるとかでした。そうすると、実際に500円にしたときに文句が少なくなることを知っている人達がいるのです。

巨額の利権が発生するところには、頭のヨイ人達がいて、巧妙なことをします。たしか、JR民営化のときもタバコ税に頼ったことから、今後も喫煙者には配慮するとしていたはずなのに、今度は非喫煙者に配慮するとかで全面禁煙になりました。これ、一見多数の正統な要望に従ったようですが、やり方はエゲツナイです。 それに浮いた予算はどこに行っているのでしょう。
ホームのどんな端っこに追いやられようとマナーを守ろうとしていたのに。いつのまにか金さえ貰ったら後は知らん顔。

そういえば似たようなことを次々思い出します。
首都高速だって建設当初、いづれタダにするからしばらく高い通行料を我慢してくれ、ということだったのに、都合良く約束した人はいなくなり、担当が変わり、以後の当事者が権益ばかり守ろうとするから、いつのまにかナシ崩しです。
それは私のように覚えている人はやがて死んでくれるとでも思ってやっているかのようです。
最近では50年後のCO2削減目標などもそう。相当な予算を使って試算したはずですが、誰も責任など感じないように何重にも逃げ道が用意されています。

エコ繋がりでもうひとつ。エコのためにといい、~の買い換えを勧めるところが多くなりました。
電気でさえ、差出人の大元は同じなのに、別便で節電の案内と、オール電化の勧めの案内が来ます。
エコを声高に訴えるところは儲かるからやっているのが大半かもしれません。本当のエコって、儲からないと思うのですが。

いけない、次から次と不満が出てきます。このへんにしておきましょう。
少し長く生きていると、約束不履行とか、世の中のイイカゲンさをたくさん見ることになります。年齢的にそれを面白がることもできますが、それではいけないという気持ちもあるのです。
この先に続く若い人には、負けないで監視していって、といいたいです。

それにしてもタバコのエコー、過剰包装も無いし、ささやかなエコ。慣れれば美味しいです。

Posted by nino