質問…バスルアー

 東京のSさんからの質問です。
……略…バス歴は長いのですがシーバスは初心者です。友人に「タックルハウスは以前ブラックバス用のルアーも売っていた」と聞いたのですが本当ですか?……略…もう作らないのですか?…略…二宮さんはバスフィッシングをやらないのですか?…略…。よろしくお願いします。
 
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 Sさん、弊社ルアーのご愛用、ありがとうございます。
 質問についてですが、ご友人の言われた通りです。タックルハウスは20年程前からチビリコ、ピーボーイ(プラグ)シリーズというバス用プラグを作っていました。1999年にトップウォーターのみの「アーリーバード」シリーズを最後に製造を止めました。
 もちろんバスが嫌いというわけではありません(笑)。製作を縮小していったのはブラックバス市場の全盛期で、外来魚問題が起こる前ですし、理由は色々でした。ソルトプラグやトラウトプラグの製造と、そのイベント活動で手一杯だったこと、海という得意分野に集中したかったこと、プロと契約して大会に参加するようなことが社風に合わなかったこと等が重なったためだと思います。
 
 タックルハウスでは当分バスプラグを作る予定はありませんが、個人的にはバスフィッシングの楽しさは良く知っているつもりです。今もたまにやりますし、海によく同行するバス釣り大好きな仲間も多いです。
 それにバス用ルアーが内湾のシーバスに流用可能なように、フックサイズを落としたTKLMとかにもバスは良く反応してくれます。
 また、アメリカのOldルアーの幾つかをずっと敬愛してきましたし、暖めているアイデアもあるので、いつの日かバス専用プラグも作ってみたいですね。
 
 Sさん、以上が回答になります。余計かもしれませんが、ご自身で言われるほど初心者ではないと感じたことと、バスの世界を見てきた方ということもあり、少し付け加えさせて頂きます。
 
 今はバスが不遇の時。嘆きは方々から聞こえてきます。でもバスを取り巻く環境が整い、管理が行き届く適正な規模であれば復活が可能だとも思っています。
 むしろソルトのほうが今やかつてのバスブームの有様に近づいているかのようで心配なくらいです。販促の方法も似てきたし、その先に何が来るのか一度見ているはずなのに留まる気配さえありません。
 
 広いはずの海は権利や利害関係が紆余曲折しており、何か事が起きると釣り場や魚種の規制等へ向かいやすいのです。動機や内容は違っても、バスの外来魚問題から発生した結果そのものは海でも有り得ます。
 変な法律や条令ができてしまう前に予め準備してそれを反証し成立を回避するには、日頃から自主的に節度を保っていること、が必要なのですが、(法律は行き過ぎたところからできる)それは釣り方、捕り方に留まらず、売り方、伝え方、買い方、作るものについて等、多岐に渡って言えることなので、欲深い我々人間には非常に難しい選択になります。
 ソルトの釣りも内水面の釣りも、いつまでも堂々とやりたいと願っています。
 
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 写真はアーリーバード、グリブ。うわっヤニカラーになってる…。
 シリーズには他にムック、スラッシュ(ジェルトン)。カナリー、ピーコック(バルサ)がありました。要求強度、浮力で素材を変えてあります。凝っているのは設計がチーフだから。
 この中で、カナリーとムックが形を変えてソルト専用化されました。
 下段写真はマーベリック、タイガーなど。それぞれ内湾で何匹か釣れた覚えがあります。 

Posted by nino