TKLMのラインアイ

 東京のSさんから、TKLMのラインアイが小さくてスナップを通しにくいので、もう少し径を広げてくれ、という御意見を頂きました。
 
 お答えします。
 TKLMに限らず、私の設計によるものは最近のものも含めて、幾分小さめにしてあります。理由はK2Fの時にも書いたのですが、動きのための入力位置を厳密にするため、また、曲がり強度を確保するのが主な目的です。
 
 しかし、スナップ類を通す場合、TKLMはボディ本体の溝にめり込んでいるので、特に入れづらいのは確かなことです。
 申し訳ないのですが、これは多くの実験を繰り返した末に決定したことなので、御理解を頂きたいのです。
 これから書くことは、出来ればこのままナイショにしたかったのですが、いわゆるTKLMタイプというようなルアーも、ほぼ出切った感じなので、一部お話しようと思います。
 
 外見ではなく、ルアーのシルエットでなら、現在TKLMに似たルアーは結構あります。見たところ、解って作っているところもあれば、無知のまま形だけリップレスというのもあります。
 皆、普通のラインアイが付いているので、スナップはそちらの方が付けやすいでしょう。
 欠点を承知でTKLMにアイを奥に引っ込ませたのは、入力支点(リトリーブの力が直接掛かるところ)が先に出ると、望んだ動きが得られなかったためです。
 
 これ以上詳しくは説明できませんが、想像してみて下さい。平たい水受け面に、ほぼ直に支点があるものと、水受け面から(極端に)一センチぐらいアイを離してみた場合のことを。そして、リーダーが太く、ラインの抵抗があるとき、どうなるかを。
 TKLMはラインアイを単なる上下位置のみで定めた訳ではありません。いわば必然という位置にしてあります。
 こうしたリップレスタイプにおいて、この辺りの事まで詰めて設計しているルアーは未だ少ないのです。
 
 Sさんを始め、各地からTKLMファンの声を頂いています。本当にありがとうございます。どうぞこれからも可愛がってやって下さい。きっと期待に応えます。ちょっとスナップ類は付けづらいですが…よろしくお願いします。

Posted by nino