携帯風速計

 写真は携帯風速計。30秒間、風に晒してからストップすると、平均風速がm単位で計れます。
 BKF誕生以前、試行錯誤中だった重心移動システムの効果を、正確に知るために必要としました。
 ルアーの飛距離を計測する前に、これを聖火を掲げるように、あるいはウルトラマンが変身するときのような姿で30秒間静止して風速を計ったのです。
 
 実際使用すると、風には息というものがあり、常に一定に吹いてはいません。方向も変化します。 
 ところがルアーを投げるのは一瞬のこと。今投げたルアーの飛びが、風速何mのときのものだったか、計ることは存外に難しい。ルアーを投げながら確かめると、かえって正確さが失われるのです。 結局、ひたすら風速計を持ち続け、計測器の数値を体感で覚えることにしました。人間風速計になったのです。 
 長時間海辺に立って、風を感じながらメーターの動きを注視していると、やがて風にも強さだけではなく、種類があることに気付きます。
 息にはリズムがあり、伸びや拍の刻み方に違いがあります。
 風の方向については、コチ、ナライ、ダシとか多くの名があるものですが、残念なことに風の息の様子を現した名は付けられていないようです。(あっても少なそう)
 
 外洋のルアー師は、普通に゛今日はイイ風゛といった会話をしますから、例えば゛ヒラ風゛を定義することもできるでしょう。地域や季節海況で異なりますが、いずれにせよ逆風ならば当然、息を狙ってルアーを投入することになります。
 もっとも、定義をスラスラ答えられる人は、別のカゼ、ヒラ熱に罹っているおそれがあります。インフルエンザより長引くので、くれぐれもお大事に。

Posted by nino