ジュゴンさんからの質問

 スズキ釣り歴は13年程の若輩者ですが質問させてください。
磯で傷つくルアーがもったいなくて、デッピングをブルーオーシャンにしていますが、115Fと140Fは元の泳ぎよりもローリングが強くなると感じています。(勘違いかも知れませんが)
単純にウェイトが大きくなるとふり幅が抑えられるのかなと思っていましたが、140Sではデッピングしなくても強いウォブリングで泳ぎます。
 ミノーのシンキングは泳ぎのふり幅が大きくなるものなのでしょうか。シンキングミノーでローリングが強く泳ぎ出しを早くする事は可能なのでしょうか、教えてください。
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 ジュゴンさん、歴13年で若輩とは、謙遜しすぎです。(^_^)ルアーを大切に使ってくれている、お気持ち、ありがとうございます。
 では、早速。例えば、もしも小さなルアーに1ミリ厚の追加ドブ付けをすると、確実に別物になります。それに対してBKF140、115はルアーのボリュームからして、少々のデッピングでは性質を変えないでしょう。しかし、厚さにもよりますが、影響はあります。簡単に言うと、段々ニブクなっていくのです。距離あたりの振動数が少なくなっていくということです。(以前、EXというアルミの上にコーティングを重ねたBKFがありましたが、あの厚みが極端に性質を変えないギリギリでした。)
 ローリングが強くなると感じられるのも、あながち錯覚ではありません。外皮の質量が上がると、ルアー全体としては鉄球ウエイトの持つ働きの割合が、低くなっていき、ローリング要素の慣性を抑えきれなくなります。例えば、重いバットを振ったら、簡単には振り戻せないけれど、オモチャのバットなら軽く振り戻せます。それと同じです。
 それと、BKSシンキングは、特殊な位置に追加のオモリが前後に入っていて、ご説明した慣性力によって、(行ったら、行き過ぎて戻れない)重量級ながら、振り幅を保っているのです。このため振動数は落ちています。強引に動かしているため強い動きではあります。
 ミノーのシンキングの(フローティングも)振り幅や、泳ぎだしを変えることは、もちろんできますが改造が必要です。入力する力を大きくするためにリップを大きく(既存のリップの前に貼る)したり、リップの角度を変える事です。望む度合いによっては、位置の移動や薄くすることもしなくてはならない。結果、飛びや強度に悪影響が出るかも知れません。ここまでくると、別のルアーを買ったほうが早いという方もいるでしょうが、ルアーを改造するのも、楽しみや知識のうち、と思われる方もいるでしょう。試すと、色々な事が解ります。
 これから後に書くことは、ルアーを傷つけたくないジュゴンさんに合うのか心配ですが、マニア達のやっていた裏技も紹介しておきます。任意の泳層にするためのリップ削りはポピュラーですが、現場でリップ角度を変えることもできます。リップの付け根を軽くライターで炙って、静かに手早く曲げ、すぐ海水に浸けます。試行回数は1回が限度。(ボロボロのK-TENで試してネ)
 もう一つ、かなり本格的なチューンですが、外皮が厚いことがニブクなる要因ですから、塗装どころか、プラ全体を0,3ミリ程度削って、薄くしてしまう。140は耐久性のために厚い外皮(1,5)なので(175は最薄部1ミリ)、1ミリ確実に残っていれば、いけます。敏感になります。(失う物も当然あります、自己責任でお願いします。)その際、鉄球が当たる後部部分と接着部位は絶対に薄くしないでください。危ないです。私は、これを警鐘の意味も込めて、書いています。
 間違って、リップが折れても、BKFは泳ぐリップレスとして生き返ります。私としては、リップ改造ぐらいに留めていたほうが無難だと思います。参考までに。
 説明に不足がありましたら、遠慮無く知らせてください。これからも、よろしくお願いします。

Posted by nino